【飲食店開業】居抜き物件を選んだ方がいい人・選ばないほうがいい人の違いとは?【前編】

今回のお話は居抜き物件について。
今、居抜き物件は工事コストカット・工期短縮など様々な面で価値があると注目を受けています。しかし、発見したからと言って「誰もが必ず借りるべきものだ」とは言い切れません。
当然借りるべきかそうでないかは、状況によって変わってきます。
ということで、今回は居抜き物件のメリット・デメリットをもとに、居抜き物件を選んだ方がいい人・選ばないほうがいい人の特徴についてお話します。

居抜き物件とは?


居抜き物件とは、以前のテナントが内装や空調、厨房器具などの内部設備をそのまま残しており、次の利用者がすぐに使用できるようになっている物件のことです。
残っている設備の分の工事費が浮くため、新規開業者に注目されている不動産の体系です。

契約書などでは「居抜き」という言葉は使われず、残された設備のことは書面では造作(ぞうさく)と呼ばれていて、「造作を譲渡する」などと書かれています。

それと反対に水道設備等もすべて取り去られた物件をスケルトン物件と言い、壁面は前面コンクリート貼りのまっさらな状態で譲渡されます。

什器備品はタダでもらえるわけではありません

什器設備などはご厚意で残してもらっているというわけではなく、きちんとそこに料金が発生しています。

まず、ご存じの通り設備工事費は0から作る必要がなくなったため、キッチン設備や内壁等の工事費は大きく下がっています。ただ、クリーニング料は自己負担となるでしょう。

そして、大家さんに支払う家賃としては一切下がっていません。
それと別に”造作譲渡料”として前オーナーに料金を支払う必要があります。レンタル料と考えるとわかりやすいですね。

本来の居抜きでない物件と比較すると、
大家さんとは別に、前オーナーへ支払うやりとりが発生しているということになります。
また、それらの造作が賃貸なのか買取なのかによって扱い方が変わってきます。

賃貸の場合
もし設備が不要になっても、設備を売却することができません。
その代わり、故障した際は所有者である前オーナーが基本的に費用を負担する形となっています。
契約書によってはこちらが自己負担となる場合もあります。

買取の場合
買取りの場合、不要になった設備を自由に売却することができます。
その代わり、故障した際は自己負担となる形です。

退去予定者としてのメリット

退去する時は、すべてを空っぽのスケルトン状態にする原状回復工事として開業時同様に大金を使わなければなりません。
それが、設備の解体工事費が一切かからずに済むという点で、退去時に居抜き物件として出すことを考える人が多いです。
退去予定日までに入居が決まらない場合、これもスケルトンの状態にしなければならないということがあるため、退去予定日に近ければ近いほど「造作譲渡料もう少し安くして検討してもらおう」となるため、金額交渉には応じやすいです。

ビルオーナーのメリット

退去されて、しばらく人が入らず家賃収入がなくなることはビルオーナーとして困るものです。次のテナントが決まらず空白の期間が開いていれば空いているほど経営は苦しくなるものです。次の入居者のめどが立つのであれば造作譲渡があることは、コストダウンを求めてやってくる入居希望者が現れやすいというのは、ビルオーナーにとってありがたいことです。

このように、入居者は開業時の必要資金のコストダウン、
退去者は退去する際の工事費の削減、
ビルオーナーは入居者の獲得しやすさUPによる家賃収入の維持と、
三者ともにメリットの大きい物件となることが居抜き物件のメリットでもあります。

よく調べずに、居抜き物件を借りてしまうことによる罠


「工事費は安く済むし、空間的にもぴったりの広さ。設備も自分の必要なものが揃う!」と思える物件があったとします。
しかし安さや整った設備に目が行くばかり、本来考慮すべきだった立地や設備の質などを検討し忘れないようにしましょう。
数百万円単位でコストカットができると分かった瞬間、「この物件はいいに決まってる!今すぐ契約書を取り決めてしまおう!」と気が緩んでしまうものです。

設備が古すぎて稼働しなくなり、営業ができなくなってしまう

改めて、設備はすべて中古品であるということを忘れないようにしましょう。
これらが実はオンボロで、使い始めてすぐにあちこち故障し始めたらどうでしょうか?

借りた物件で以前設備不良があり、消防から指摘を受けたりボヤがあった店舗だとわかったら、事故が起こらないように自ら再度工事をする責任があります。

安さから居抜き物件を選んだのに、その補修工事費がかかってしまっては本末転倒です。
専門家に協力を仰いで、本当に手入れなしで開業ができる設備なのかを知る必要があります。
ふたを開けてみて、設備を丸ごと再施工しないといけないレベルの居抜き物件は、
工事費がかかることによる費用倍増、さらには営業が停止するなどの収入減が重なり、結果的に「こんなことになるんだったら居抜きなんか借りなければよかった」となってしまうこともあります。

借りて失敗してからでは遅いので、設備の不具合をプロと共にきちんとチェックしましょう。

実際にボヤがあった店舗の場合、自分の店ではボヤではなく大火事が起こってしまう恐れもあります。重飲食業はとくに、事前に火災事故の起こっていない物件であるかどうかをきちんと調べておくようにしましょう。

入れ替わりが多く、客入りの悪い立地かもしれない

完全にスケルトンにする金銭的余裕がないまま、「仕方なく居抜きにする」という退去の場合、相当立地が悪い物件の可能性が高く、危険度が高いです。
前テナントと同様の理由で自店舗が経営難に陥る恐れがあります。

いずれにせよ、前オーナーとコンタクトを取って営業中の様子、どのような状況であるかを知っておく必要があります。

好立地物件の選び方に関しては、こちらも併せてご覧ください。
【物件選びだけでこんなに変わる?】集客力を上げる、好立地物件とは?

契約上、退去する際はすべて撤去することになっているかも?

今後の未来の話ですが、退去時は自らスケルトンにしなければいけない契約になっているかもしれません。

規模拡大による前向きな閉店、経営悪化による閉店、飲食という一線から立ち退く引退による閉店など、さまざまな退去理由がありますが、いずれにせよ手元に残っているお金が多いに越したことはありません。

老後にしっかり貯金を蓄えて引退したつもりが、撤去工事費が貯金を大きく巣食うという悲しいことも起こりうるものです。
退去時の条件は、契約時に必ず確認しておくようにしましょう。

いかがでしたでしょうか。
居抜き物件は設備の状態や契約条件によって、ということがお分かりいただけたでしょうか?
後編では、居抜き物件を借りたほうがいい人、借りないほうがいい人についてお話いたします。
後編は6月24日(金)に更新いたします。

 

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