ヒット企画の裏側「驚愕の伊勢海老尽くしはどのようにして生まれたか」

健康と環境に優しく、サステナブルな絶品イタリアンを提供する六本木の「R1 TOKYO Bar&Restaurant」。
今年に入り、フードロスの削減、環境に配慮する生産者の支援など、飲食店の立場からできる取り組みを積極的に推進し、持続可能なご馳走イタリアンを目指していく方針にシフトチェンジしました。
しかし、新しくなったコンセプトをどうやってお客様に伝えるかという課題がありました。
そうした中、認知拡大の手段として、クラウドファンディングで「驚愕の伊勢海老尽くし。伊勢海老を贅沢に使った限定コースを破格で楽しめる会員を募集」というプロジェクトを実施。
結果、約200人の支援者が集まり、350万円以上の支援金額を達成。SNSでも話題になりました。多くの人の注目を集めることに成功した企画はどのように生まれたのか。
今回のプロモーションの企画プロセスや表現する上での工夫について、案件を担当したredishの坂口と「R1 TOKYO Bar&Restaurant」のシェフ水島さんの対談形式でお届けします。

 

新しくなったコンセプトを伝える方法を模索していました

 

坂口:本日はよろしくお願いいたします。今回、新しくなったコンセプトをどのようにして多くの人に伝えたのか、お伺いできればと思います。
今年に入り、持続可能なご馳走イタリアンを目指す方針をより一層強化されましたが、なぜ今回のようなコンセプトにされたのでしょうか?

水島さん:元々、サステナブルな絶品イタリアンを提供するという方針で営業をしてきましたが、そこまで媒体で強くアピールはしているわけではありませんでした。改めて自分たちのお店について考えた時に、六本木という都会のど真ん中というイメージがある街で、フードロスの削減や環境への配慮をしたお店というのは一つの特徴になるのではないかと思い、周辺にそう言った打ち出しをしているお店が少なかったので、今回のコンセプトをしっかりと打ち出していくことにしました。

坂口:持続可能なご馳走イタリアンという、新しいコンセプトはとても素敵だと思います。ただお客様に知ってもらわないとその魅力は伝わらないですよね。どのような方法で、新しいコンセプトを知ってもらおうと考えていらっしゃったのでしょうか?

水島さん:TwitterやInstagramなどSNSを活用しようとは考えていましたが、他に良い方法があまり思い浮かばずに困っていました。

坂口:お店のことをどうやって多くの人に知ってもらうか。そこで悩まれる方は結構多いですね。水島さんの場合は、クラウドファンディングを知る機会があり、挑戦されたということですね。

水島さん:そうですね。ちょうどどのように認知を獲得していこうか悩んでいたので、タイミング的に良かったです。

 

告知をする前に、「R1 TOKYO Bar&Restaurant」だからこそ提供できる体験を考え抜く

 

坂口:クラウドファンディングを実施するとなっても、ただページを作ってプロジェクトを公開しただけではなかなか注目は集まりづらいです。そこで、今回は企画をしっかり練ってからページ制作に移りましたね。

水島さん:そうですね。企画するのはなかなか大変でもあり、楽しくもありました。

坂口:その企画のプロセスについて、振り返りたいと思います。まずは、クラウドファンディングを実施する目的の整理から行いました。今回の場合、新しくなったコンセプトを新しいお客様にいかに知ってもらうか。

水島さん:はい。生産者さんの想いのこもった食材を無駄にしないために、フードロスの削減など、サステナブルな取り組みをしているということを知ってもらうにはどうすればいいかという所から考えました。

坂口:どうやったら生産者さんの声を大事にし、サステナブルな取り組みをしていることが一番伝わるか。いろいろと検討した結果、品質には問題ないがサイズの不揃い、規格外の食材に着目し、その食材を通じて、サステナブルをアピールする企画の方向性はどうかと提案させていただきました。

水島さん:はい。坂口さんからの提案を聞いた時、私もその方向性が良いと思いました。

坂口:ただ、「生産者さんの想いを無駄にしないためにも、サステナブルな食材を使ってます!」だけだと、目新しさや驚きに欠けるので、注目はされないなと。他のレストランではできない、R1さんならではの体験を提供すべきだと考え、特徴のある食材の洗い出しからお願いしましたね。

水島さん:はい、とはいっても何がお客様にウケるかがわかりませんでした。お肉は一般的に人気な食材ですが、他店との差別化が難しそう。コンスタントに手に入る食材で、お客様に人気で、特別感を感じられる食材を探しました。

坂口:いろんな食材がある中で、水島さんの食材案から「伊勢海老」が出てきた時、これは面白そうだと思いました。

水島さん:伊勢海老は好きな方も多いですし、日本の食材でコンスタントに仕入れ可能。高級感があり、コースのメインにはぴったりですよね。

坂口:そうですね。さらに、伊勢海老の食べ方のバリエーションがあまり思い浮かばなかったのですが、水島シェフの強みを生かし、いろんな調理法で楽しめる伊勢海老尽くしの限定コースを作れば、かなり可能性があるのではないかと思いました。
さらに、品質は問題ないのに規格外のものなので、通常よりも安く仕入れることができる。そうすることで、高級なイメージの伊勢海老が破格で楽しめる。これは企画として面白くなりそうだと確信しました。今回の限定コースを作るうえで苦労されたことはありますか?

水島さん:これまでの経験で、ラグジュアリーブランドのケータリングを担当したことがあり、その時も与えられたテーマを元にメニューを考えるという仕事だったので、伊勢海老尽くしのアイデアはすぐに浮かんできました。強いて言うなら、オマール海老なら手の部分も使えますが、伊勢海老は胴体と尻尾の部分しか使えないのが大変でした。そこは三浦の野菜を組み合わせることでバリエーションを出しました。

坂口:水島さんからコース案をいただいた時、これは他にはない体験ができそうだとすごくワクワクしたのを覚えています。

 

お店のこだわりではなく、お客様にとって何が良いのか、という視点で表現する

 

坂口:面白いコースの内容は出来上がり、次はどう表現するかというフェーズ。この表現の仕方はとても工夫しました。

水島さん:途中で表現の仕方が大きく変わりましたよね。

坂口:はい。当初は、不揃いや規格外の伊勢海老を使うことを前面に押し出そうと考えていましたが、お客様視点に立ってみると、ひょっとするとマイナスなイメージになりかねないと思いました。今回の企画でユーザーにとって嬉しいことは何かと考えたときに、高級な伊勢海老を贅沢に味わい尽くすことができる。しかもそれが驚きの価格で楽しめる。これこそがアピールポイントだと考え、表現をガラッと変えました。

水島さん:高級な伊勢海老三昧を驚きの価格で楽しめる。なぜ安いかというと、不揃いや規格外の食材を使っているから、という順番ですね。それでも十分サステナブルな食材を使っているというのがアピールできますね。

坂口:そうですね。ついつい、お店のこだわりなどを前面に押し出したくなりますが、やはりお客様にとって何が良いのか、という視点で表現し直すことは大事だなと改めて感じました。

水島さん:それで支援者数が大きく変わった可能性もありますね。

坂口:はい。あとは、写真の見せ方も工夫しました。水島さんが作って下さった伊勢海老尽くしのお料理がどうすればより魅力的に写るか、カメラマンと話し合いながら撮影していきました。

水島さん:カメラマンさんの撮り方が非常に上手で、とても美味しそうに写ってましたね。このクオリティの写真はなかなか撮れないと思います。

坂口:ありがとうございます。より魅力が伝わるように撮影できて良かったです。

 

 

東京だけでなく、北海道や福岡など、全国の人に知ってもらえました

 

坂口:プロジェクトを公開し、かなりの支援が集まりましたね。僕のTwitterでも紹介させていただきましたが、かなり反響がありました。蓋を開けてみていかがでしたか?

水島さん:宣伝効果が大きいなと感じました。これまでは東京のお客様が中心でしたが、北海道、福岡など全国各地の人が支援してくれました。東京だけでなく、全国の人に当店のことを知ってもらえるきっかけを作れたのは良かったです。

坂口:それは良かったです。実際来店されたお客様の反応はいかがですか?

水島さん:コースの内容にも満足されて、また伊勢海老尽くしのコースを食べたいというお声も聞こえるようになり、リピートにもつながっています。

坂口:通常、一度来店してもらうきっかけを作るのが難しいと思うのですが、クラウドファンディングで初回来店のハードルを下げて、満足してもらい、リピートしてもらうというのは理想的な流れだと思います。実際にリピートにつながっているということでとても嬉しく思います。

水島さん:ただ伊勢海老を食べるというだけでなく、背景などのストーリーも知りたいというお客様が多いので、サーブの時に当店のこだわりの部分をしっかり伝えることができるのも良いポイントですね。やって良かったと思います。

坂口:ありがとうございます。僕も企画の部分からご一緒させていただいたプロジェクトが、多くの人に知ってもらって、満足されて、とても嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

水島さん:よろしくお願いいたします。

 

健康と環境に優しく、サステナブルなご馳走イタリアンを提供する六本木の「R1 TOKYO Bar&Restaurant」は、クラウドファンディングをうまく活用し、認知拡大、新しいお客様層の獲得、リピーターの獲得を実現しました。
ただ、今回の記事にあったとおり、プロジェクトを公開しただけでは、あまり効果はありません。お客様が求めるものは何かという企画をしっかり練ってから、その魅力を十分に伝える必要があります。
しかし、企画を考え、お店の魅力をお店自身で表現し、告知まで行うのは、かなりの労力が必要となります。

そんな飲食店のために、REDISHが企画から、制作、公開までフルサポートし、プロジェクトを成功に導きます。
少しでも興味のある方は、以下よりお問い合わせください。

 

 

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