【飲食店開業】居抜き物件を選んだ方がいい人・選ばないほうがいい人の違いとは?【後編】

今回のお話は居抜き物件について。
今、居抜き物件は工事コストカット・工期短縮など様々な面で価値があると注目を受けています。しかし、発見したからと言って「誰もが必ず借りるべきものだ」とは言い切れません。
当然借りるべきかそうでないかは、状況によって変わってきます。
ということで、今回は居抜き物件のメリット・デメリットをもとに、居抜き物件を選んだ方がいい人・選ばないほうがいい人の特徴についてお話します。

居抜き物件とは?

 

 

 

 

居抜き物件とは、以前のテナントが内装や空調、厨房器具などの内部設備をそのまま残しており、次の利用者がすぐに使用できるようになっている物件のことです。

 

残っている設備の分の工事費が浮くため、新規開業者に注目されている不動産の体系です。

契約書などでは「居抜き」という言葉は使われず、残された設備のことは書面では造作(ぞうさく)と呼ばれていて、「造作を譲渡する」などと書かれています。

それと反対に水道設備等もすべて取り去られた物件をスケルトン物件と言い、壁面は前面コンクリート貼りのまっさらな状態で譲渡されます。

居抜き物件を選んだ方がいい人

資金が想定より集まらず、資金繰りに乏しい場合

自己資金や融資額がり多くない仲での開業をお考えの方には、居抜き物件は工事費を大きく下げるので開業時の金銭問題を解決しやすいです。

しかし金銭に余裕がない中の開業は、開業にかかる額面ばかり目に入ってしまい、悪い立地や設備の居抜き物件を選びかねません。

資金・立地・設備をバランスよく考慮できるようにしましょう。

工期をなるべく短くしたい人

内壁・水熱設備などの工事が丸ごと不要になるため、
工期を短く済ませたい人にはおすすめできます。

比較的、前店舗と業態が近い場合

前テナントの販売している商品と自店舗の商品が近い場合、必要な設備としても近しいものがあるため細かな工事をカットできる場合があります。

物件紹介としては、「重飲食可」「軽飲食可」という記載があります。
基本的に言葉通りではありますが、提供するフードの調理方法によっては要相談大きく変わってきます。

業態が遠すぎる例で言うと、カフェとして展開されていた物件に焼肉店を展開するには、周辺住民や上下のテナントに迷惑が掛からないか排煙・排気設備の設計見積もりなど、やることでいっぱいですし、結局再工事にお金がかさみ居抜きの良さが一切なくなってしまうため、端的に言って開店することは難しいでしょう。

元重飲食から軽飲食に転用する場合、あからさまに不必要な設備は譲渡を断るなどして、前オーナーと折り合いをつけることもしなければならないでしょう。

かなり近い業態だった場合、オーナーにより親近感をもってもらえて「店が変わったとしても、ここを使ってこの街を盛り上げていてほしい」と譲渡前から宣伝をしてもらえるということもあります。
そのまま常連客がついて店が繁盛することもあります。

内装へのこだわりがりない人

そこまで内装にこだわりをもっていなかったり、「なんとなく店の雰囲気には合ってそうな居抜きを見つけた」という方は居抜き物件を借りたほうが資金にも余裕ができていいでしょう。

すこしお角違いなような雰囲気、見てて違和感のある開店であっても、若者からは「ミスマッチ感が逆に良い!」と反響を呼ぶ可能性もあります。
古典的な居酒屋にネオンやハイカラなグラフィックが施された”ネオ居酒屋”のブームがあったり、雰囲気とミスマッチした物件は話題にもつながります。

あまり居抜き物件を選ばないほうがいい人

具体的な店舗のイメージがついていて、つくりたい内装が決まっている人

このような店内にしたい!というイメージがしっかり固まっている人に居抜き物件は、あまりおすすめしません。
自分の考えるイメージに合った内装・外装をそなえている居抜き物件を探すことは大変で手間がかかるためです。ようやく見つかったとしても自分の開店したいエリアから大きく離れてしまうなどもあります。

反対に、いわゆる今流行りの「コンクリート打ちっぱなし」の店舗をイメージしているのであれば、居抜きを避け、スケルトン物件をそのまま流用してコンクリート打ちっぱなしで内壁や天井のコストカットをすることもできます。
夏場は暑く、冬場は寒いのがコンクリート打ちっぱなしの欠点でもあるので、冷暖房費はかなりかさみます。

中古のものを使うことに抵抗がある人

日ごろから何かを買うにあたって、中古の誰かが使用したものを買うのに抵抗がある人は営業をするうえでストレスとなってしまうでしょう。
ふとした時にダクトの不調が見られたり、ダクト火事が起こってしまったらどうでしょうか?
その心配があるのであれば、居抜きは避けた方がいいでしょう。

既存什器備品の稼働をチェックする時間がない人

居抜き物件であろうとなかろうと、一般的には必ず現地に行き内見をして物件がどのような状態かを見るのは必ず行うものです。
写真情報だけだと、どうにでも嘘がつけてしまうので必ず見に行くものです。
ダクトの不具合がないかや清掃が必要かどうか、譲り受ける家具などが破損寸前でないかなどを見に行く手間が惜しいのであれば、居抜き物件はかえって面倒なのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
居抜き物件はすべてがすべていいことばかりではありません。
さらには元からたくさんあるものではなく、質のいいものを精査しなければならないため、カンタンに見つかるものではありません。

物件を選ぶ際には一つの案としてぜひご一考ください。


 

 

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