クラウドファンディングのメリット・デメリットを300件以上の実績を踏まえて解説!事例やクラウドファンディングのやり方、リターン設計についても紹介

はじめに

クラウドファンディングを検討しているが、本当に実施すべきか?その判断をするためにも、「クラウドファンディングのメリットやデメリットを知りたい」という方も多いと思います。そんな方のために、こちらの記事では、クラウドファンディングを実施することのメリット・デメリットを詳しくご紹介します。クラウドファンディングを実施するにあたり、比較的リスクが少ないため、認知拡大や集客におすすめの手段ですが、気をつけなければならないデメリットもあります。こちらの記事を読んで、メリット・デメリットを事前に把握した上で、クラウドファンディングを実施しましょう。

 

クラウドファンディングの概要

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、その名の通り、インターネット上でプロジェクト(企画)を立ち上げ、不特定多数の人から資金調達をすることです。

そのため、資金調達の印象が強いクラウドファンディングですが、店舗を持つビジネスであれば、集客施策としても活用できたり、商品を持つビジネスであれば、テストマーケティングとしての活用も可能です。そういったクラウドファンディングの活用についても紹介していきます。

 

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングには、大きく分けて3つの型と2つの方式があります。

3つの型

・購入型
・寄付型
・投資型

2つの方式

・All-or-Nothing方式
・All-in方式

今回の記事では、シンプルでわかりやすく、扱いやすい「購入型」「All-in方式」をメインでご紹介していきます。

 

購入型クラウドファンディングの仕組み

実行者:企画を考え、プロジェクトページに反映。企画内容を文章と画像・動画を使って紹介する他、リターンも用意する。その上でプロジェクトページを公開。

※リターンとは、クラウドファンディングの支援者に対してお返しする商品やサービスのことです。主に、新商品の先行販売をリターンにしたり、特別サービスを受けられる会員権をリターンにしたり、その他、特別な体験をリターンにするなどのケースが多く見られます。

購入者:プロジェクトページ内のプロジェクト紹介を読み、リターンを購入する。

実行者:購入してくれた方にリターンを提供する。

購入型の場合は、いわゆる通販と大きく変わりません。リターンを用意し販売する。購入されたらリターンを提供する。
普通の通販との違いは、購入画面と同じページ内で、プロジェクトやリターンの紹介ができること。文章量で言うと、3,000文字程度のボリュームが良いと言われています。それだけプロジェクトやリターンの紹介ができ、プロジェクトやリターンのこと、そして、そこにかける思いを知ってもらえることが、普通の通販との大きな違いです。

 

購入型クラウドファンディングのメリット

①資金調達の幅が広がる

従来の手段では資金調達が難しかったものでも、クラウドファンディングを通して資金調達できる可能性があります。
例えば、ひとりの力だけでは実現しにくいプロジェクトでも、共感してくれる人や応援してくれる人がいれば、クラウドファンディングで資金調達ができたりもします。

これまで資金不足を理由に諦めていたプロジェクトも、クラウドファンディングを活用することで実現しやすくなり、チャレンジの幅が広がります。

また、プロジェクトに掛ける想いや熱意を適切に表現し、ユーザーに価値のあるリターンを用意したり、魅力的な企画を立ち上げたりすることで、多額の資金を調達できる可能性もあります。

 

②認知拡大に繋がる

クラウドファンディングは、多くの方に見てもらえる可能性があります。
クラウドファンディングサイトに登録しているユーザーは、新商品や、ユニーク/ユーモアなアイデア、新しい体験などに興味関心があり、日頃からクラウドファンディングサイト内の様々なプロジェクトをチェックし、新しいものを探している方が多いのが特徴です。
クラウドファンディングを実施したからこそ知ってもらえるというケースも多々あります。
そのため、利用者の多い大手のクラウドファンディングサイトであればあるほど、多くの方に見て頂き、知ってもらえる可能性が高くなります。

また、プロジェクト公開にあたり、告知を実施することで、支援金額が集まりやすくなり、支援金額が集まっていれば、さらに見てもらいやすい、購入されやすいという好循環も生まれます。

認知拡大に繋がるというメリットから、新商品のPRや新規店舗のオープンにあわせてクラウドファンディングを実施することで、ビジネスの立ち上げを加速させるようなケースも多々あります。

以下は、江戸前鮨店がオープンにあわせてクラウドファンディングを実施した事例です。
オープン時から多くのお客様を獲得しただけでなく、多くの支援金額が集まったことで話題にもなり、認知拡大にも貢献しました。

 

▼驚愕の江戸前鮨店が赤坂に誕生。産直船上仕込みの極上鮨を破格で楽しめる会員募集

https://www.makuake.com/project/jackson/

 

③ファンの獲得に繋がる

クラウドファンディングでは、テキストや画像、動画等を使ってプロジェクトの紹介をすることで、プロジェクトに掛ける想いや熱意を表現し、そこに共感してくれた方や、応援したいと思ってくれた方などから購入・支援をしてもらえます。

また、共感を得られたり、応援してもらえたりした方は、継続的な関係を築きやすく、ファンの獲得にも繋がりやすいと言えます。

実際に、クラウドファンディングを通じてファンを獲得し、支援金額も予想を大きく上回り、リピーター獲得にも繋がった事例がございます。
クラウドファンディングへのチャレンジ自体もリピートして頂いています。

 

▼サクッと驚きの新食感。無類の肉マニアが生み出した新感覚ビーフジャーキーを先行発売

https://camp-fire.jp/projects/view/564685

 

④テストマーケティングとしても活用できる

商品が市場に出回る前の段階でユーザーの反応を知ることができることも、メリットの一つです。
複数種類の商品をそれぞれリターンとして用意することで、人気商品が分かったり、
どれだけ購入されたかのユーザーの反応を見ることで、商品の受け入れられ方をウォッチすることもできます。
レギュラー商品を決めたり、人気をもとに原材料の在庫管理の参考指標にしたり、テストマーケティングの場として様々な活用の仕方ができると思います。

 

▼チーズの魅力を最大限に引き出した、加藤洋菓子の温めて食べるチーズケーキに新作誕生

https://www.makuake.com/project/katoyogashi/

 

⑤リスクを抑えながら出品できる

購入型クラウドファンディングは、予約販売(事前購入)という性質上、在庫を抱えることなく、商品の出品ができます。また、掲載するための費用は発生せず、利用手数料は成果報酬になるため、リスクを抑えながら出品ができるというメリットもあります。

在庫を持たずに出品し、市場の反応をウォッチできることは、リスクの低減において非常に大きなメリットになります。

 

クラウドファンディングのデメリット

❶時間や労力がかかる

クラウドファンディングは、ページを作成し公開すれば勝手に支援が集まるわけではありません。
多くの人に購入してもらうためには、魅力的なページを作成し、告知やPR活動を徹底して、多くの人に知ってもらう必要があります。

ページ作成においては、プロジェクトに掛ける想いを言語化して3000文字以上の紹介文を作成したり、ユーザーにメリットを感じてもらえるようなリターンを設計したり。申込や入稿作業、公開直前には審査も入り、書類提出も必要になります。

そして、公開後には告知やPR活動が必要で、問い合わせが入れば、その対応も必要になります。

終了したらリターン提供のために商品の発送作業や配送管理、予約管理など。

独自でクラウドファンディングを実施すると、かなりの労力がかかります。

それだけの時間と労力をかけても、賛同や共感を得られなければ、まったく資金調達ができないケースもあります。失敗すれば労力だけがかかります。

弊社では、アカウント作成から、ページの作成、ページ入稿、告知のサポートまで、幅広くサポートできますので、なるべく時間や労力をかけずにクラウドファンディングを実施したい場合は、ご相談ください

 

❷費用がかかる

クラウドファンディングの実施にあたって、掲載料が発生しないことはメリットですが、利用手数料や、リターン提供にかかる諸費用等は少なからず発生します。
また、ページ制作を委託する場合は、その分の費用も発生します。

まず、利用手数料について。クラウドファンディングサイトごとに異なりますが、一般的には、集まった支援金額に対して10〜20%の手数料が発生します。

プロジェクトページ作成に置いては、文章の作成、画像/動画の撮影・加工、等が必要になりますので、それらのサポートをお願いすると、その分の費用が発生します。
料金体系は様々です。

また、リターン提供として商品を配送する場合には、配送料は実行者持ちとなります。

これらの費用感を踏まえた上で、リターン設計をする必要があります。

 

❸入金までに時間がかかる

制作期間約2ヶ月、プロジェクト公開期間約1ヶ月、終了後約1ヶ月のタイムラグがあっての入金になります。制作をスタートするところから入金までの期間は4ヶ月以上かかることを想定しておく必要があります。

そのため、その間の事業継続資金は最低限必要ですし、他に配送対応分の費用なども考慮する必要があるため、すべての資金をクラウドファンディングで集めようとするのではなく、あらかじめ余裕を持った上で計画を立てましょう。

 

❹公開したら中断できない

一度プラットフォームに掲載されたプロジェクトは、公開を中止することはできません。さらに、支援を集められる公開期間が終了した後も、プラットフォームのサイト上に残り続けます。

そのため、中途半端な状態で公開してしまったり、公開しても支援が得られなかった場合には、ブランド毀損に繋がる可能性もあります。

また、プロジェクトを公開したら、リターン提供を完遂するところまでがクラウドファンディングです。
途中でプロジェクトが頓挫してしまい、リターン提供ができないとなると、炎上のリスクがあります。

魅力的なプロジェクト、魅力的なリターン設計をすることも重要ですが、それ以前に、現実的に提供可能なリターンを用意することが最重要です。

購入者の期待を裏切らないようなリターン設計、ページ作成をし、十分に満足してもらえるようにしましょう。

 

❺アイデアを第三者に盗まれる可能性がある

購入型のクラウドファンディングにおいては大きな問題になることは少ない印象ですが、商品アイデアや企画のアイデアを盗用される可能性があることは念頭に置く必要があります。
プロジェクト本文内において、ユーザーの理解を促すために、丁寧な商品説明をした結果、その商品に似た商品を他社で作られてしまうということはありえない話ではありません。

なかには、盗用防止のために、プロジェクトの特許申請を行う場合もあります。
革新的なアイデアを持ってクラウドファンディングを実施する場合は、公開する前に事前に特許申請をしておくと良いでしょう。

 

購入型クラウドファンディングのおすすめサイト2選

オススメの購入型クラウドファンディングサイトは、MakuakeとCAMPFIREです。
それぞれ特徴は以下になります。

▼Makuake
https://www.makuake.com/

購入型のクラウドファンディングに特化したクラウドファンディングサイト。
新商品や新しい体験を売りにしているプロジェクトと相性が良い。

▼CAMPFIRE
https://camp-fire.jp/

国内最大級のクラウドファンディングサイト。
起業支援やアート、音楽、社会貢献などのマルチジャンルが多く、支援・応援・寄付を募るようなプロジェクトと相性が良い。

 

クラウドファンディングのやり方・進め方を紹介

ここまでで、クラウドファンディングのメリット、デメリットを理解できたかと思いますので、次は進め方についてご紹介します。

クラウドファンディングのやり方・進め方は、大きく3つのフェーズに分かれます。
【作成】【公開】【終了後】の3フェーズです。

作成にあたっては、クラウドファンディング実施の目的やターゲットなどを整理し、適切なリターン設計をすること。そして、プロジェクト本文に落とし込むフェーズになります。

その後、公開フェーズでは、公開するだけで終了ではなく、告知を徹底したり、途中経過報告なども必要になります。

そして、公開終了後には、お礼の連絡をし、リターン提供に取り掛かります。

詳細は、こちらの記事にまとめているので、是非チェックしてみてください。

クラウドファンディングのやり方はこちらから【クラウドファンディングのやり方・進め方|作成、公開、終了後それぞれに分けて徹底解説!成功の秘訣や事例もご紹介。】

 

クラウドファンディングのリターン設計方法を紹介

クラウドファンディングの成功を左右するリターン。リターンとは、クラウドファンディングの支援者に対してお返しする商品やサービスのことで、購入型クラウドファンディングで購入して頂いた方には、リターン提供が必ず必要になります。

また、リターン設計におけるポイントは、「このプロジェクトだけでしか買えない限定リターン」を用意すること。魅力的な限定リターンを用意し、多くの方に購入してもらいましょう。

こちらの記事では、リターン設計についてより詳しく紹介しています。魅力的なリターンを用意すること以外のポイントや、注意点、実際の事例なども紹介しながら、クラウドファンディングを成功させるためのリターン設計についてを徹底解説しています。
是非、こちらもチェックしてみてください。

リターン設計の詳細はこちらから【成功するクラウドファンディングのリターン設計とは?ポイントや注意点、事例も紹介

 

まとめ

クラウドファンディングを実施するメリットは、「資金調達の幅が広がり、様々なプロジェクトで資金調達できる可能性がある」ということはもちろんですが、資金調達に留まらない可能性の部分が本当のメリットだと考えています。

認知拡大やファンの獲得に繋がったり、コストを抑えながら出品し、テストマーケティングとしても活用できたり。
そういった資金調達だけに留まらない活用をし、クラウドファンディング一度きりでなく、その後の販促や集客にも繋げていくこと。それによってビジネスを大きく加速させられることが大きなメリットだと考えています。

もちろん、デメリットもあるので、注意事項として事前におさえておく必要はあります。

ですが、リスクを踏まえた上で、徹底的にプロジェクトを作り込むことで、デメリット以上に大きなメリットを得られる可能性が高いと考えています。
是非、今回の記事の内容も参考にし、クラウドファンディング実施を前向きに検討されてみてください。

「様々検討してみたが、本当に実施すべきかどうかわからない」という方や、「プロジェクトを作り込むにはどうしたら良いのか?」「実施にあたっての懸念点があるが解消できるのか?問題にはならないのか?」など、クラウドファンディングに関するお困り事や、詳細を知りたい方は、是非、ご相談ください。

これまでに300件以上のクラウドファンディングの制作・サポートを行なってきたリディッシュ株式会社の知見をもとに、無料相談にて、あなたのプロジェクトにおける具体的なお話しをさせて頂きます。

まずは一度、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

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