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コラム

不安だらけの開業準備が、確信に変わった瞬間

あるラーメン専門店が数字で迷いを消していった話

こんにちは。
REDISHで飲食店開業サポートを担当しているYです。
「飲食店を開業したい」
そう思った瞬間から、多くの方が同じ不安に直面します。

  • この売上シミュレーションは、楽観的すぎないだろうか
  • 家賃○万円は、さすがに無理をしていないか
  • 融資を受けても、本当に返していけるのか

今回ご紹介するラーメン専門店のオーナー様も、
開業準備を始めた当初は、まさに同じ不安を抱えていました。
しかし結果として、

  • 融資591万円を獲得
  • 開業2ヶ月目で月商132万円を達成
  • 月次利益22万円を確保

と、想定通りの立ち上がりを実現しています。
この結果は、運や勢いによるものではありません。
不安を感覚で判断せず、ひとつひとつ数字に落とし込み、整理していったこと。
それが、成功の大きな要因でした。

本記事では、
飲食店開業サポートを行った立場から、
「依頼主様が、どんな不安を抱きながら準備を進め、 それをどのように数字で整理し、意思決定していったのか」
を、実際の事業計画書をもとに解説していきます。

なお、売上予測や融資額、資金配分など、より具体的な数値や計画の全体像については、以下のコラムで詳しくご紹介しています。

【創業融資591万円】経験と緻密な計画を武器に! 🍜ラーメン専門店
https://redish.jp/columns/example_012

1. まず最初にあった不安|事業の全体像が見えない

開業を考え始めた当初、依頼主様が最も不安に感じていたのは、
「この店は、そもそもどんな規模の事業なのか?」
という点でした。
売上はいくらを目指すのか。
そのために、何人で、どれくらいの時間働く店なのか。
この全体像が見えないままでは、
「この投資は高いのか」「この融資額は妥当なのか」
といった判断ができません。

飲食店は、

  • 業態
  • 営業時間
  • 席数
  • 人員構成
  • 売上目標

これらが曖昧なままだと、
資金計画も、融資も、日々の意思決定も、すべてがブレてしまいます。
そこで最初に取り組んだのが、
「どんな店を、どの規模で運営するのか」を数字と言葉で固定することでした。

事業概要(整理したポイント)

項目 内容
業態 ラーメン専門店
営業形態 平日・休日 ランチ/ディナー
従業員構成 オーナー1名、アルバイト(ディナー・休日)
月商目標 132万円(開業2ヶ月目)

この段階では、「いきなり大きく成功させる」ことよりも、

  • 一人でも無理なく回せるか
  • 固定費に押し潰されないか
  • 売上が多少下振れても耐えられるか

といった現実的な視点を重視しました。
「大きく狙いすぎていないか」「今の自分に本当に回せる規模か」
こうした不安を、事業規模を先に数字で固定することで、一つずつ解消していったのです。

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

2. 立地選定の不安|なぜこの場所で勝てるのか?

次に大きかった不安が、立地選定です。
「この場所で本当にお客さんは来るのか?」
「競合が多くて、埋もれてしまわないか?」
多くの開業希望者がここで悩み、「人通りが多い=良い立地」と短絡的に判断してしまいがちです。
しかし、この依頼主様が選んだのは、“感覚”ではなく“役割を決める”立地判断でした。

立地条件と考え方

項目 内容
周辺環境 周辺のサラリーマン、地域の主ファミリー
立地選定のポイント ランチを主戦場にしないと勝てないと判断

この立地を見たとき、最初に整理したのは「すべての時間帯で勝てる店を目指さない」という考え方です。
重要なのは、「全部の時間帯で勝とうとしなかったこと」。

  • 平日ランチ
  • 平日ディナー
  • 休日

それぞれの時間帯で、来店する人の属性や来店動機は大きく異なります。
そこで、

  • 平日昼は周辺サラリーマン
  • 夜・週末は地域の主ファミリー

と、時間帯ごとの役割を明確に分けることにしました。
これにより、「この立地で、どの時間帯の売上を積み上げるのか」「無理に取りに行かなくていい売上はどこか」が整理され、立地に対する不安が具体的な戦略に変わっていきました。
立地は「良い・悪い」で判断するものではありません。どんな売上設計をする店なのかが決まってはじめて、「勝てる立地かどうか」が見えてきます。
この考え方が、後の家賃判断や売上シミュレーションにもつながっていきます。

3. 家賃33万円への不安|高すぎないか?

月額家賃33万円。
この数字を見たとき、依頼主様自身も率直に不安を感じていました。
「この家賃、さすがに攻めすぎではないか」
「売上が想定より伸びなかったら、すぐに苦しくなるのではないか」
そこで行ったのが、感覚ではなく、売上から逆算する判断です。

賃貸条件

項目 内容
月額家賃 33万円
  • 月商目標:132万円
  • 家賃比率:約8.3%

飲食店では、家賃比率は10%以内がひとつの判断目安とされています。この時点で、「高い・安い」という感覚論ではなく、数字上は無理のない水準であることが確認できました。
ただし、重要なのは「目標通りに売れた場合」だけを見ることではありません。
この事業計画では、

  • 損益分岐点:月商90万円
  • 開業後3ヶ月分の運転資金を確保

という設計を行っています。つまり、「売上が多少下振れしても、すぐに立ち行かなくなる家賃設定ではない」「最悪のケースを想定しても、立て直す時間が確保できる」そう判断できたことが、この家賃にGOサインを出せた大きな理由でした。
「家賃が高いかどうか」は、金額そのものではなく、売上構造・損益分岐点・手元資金まで含めて初めて判断できるものです。この視点を持てたことで、依頼主様は家賃に対する不安を、冷静な経営判断へと切り替えることができました。

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

4. 資金計画の不安|本当にこの金額が必要なのか?

次に大きかった不安が、資金計画への不安です。
「想定より、必要な金額が大きい気がする」
「本当にここまで借りる必要があるのか」
「削れるところは、まだあるのではないか」
こうした疑問に対して整理したのが、“見栄の投資”と“必要な投資”を明確に分けることでした。

資金計画の全体像

項目 金額
内装・設備工事 135万円
厨房機器 213万円
家具・備品 55万円
看板・外装 71万円
初期仕入 111万円
開業前家賃 33万円
諸経費 62万円
予備費 206万円
合計 841万円
自己資金:250万円 / 融資:591万円

内装や設備については、「かっこよく見せるための投資」は極力削り、営業に直結しない部分は最低限に抑えています。一方で、削らなかった項目があります。それが、予備費206万円です。

この予備費は、

  • 売上が想定より立ち上がらなかった場合
  • 天候・季節要因で客数がブレた場合
  • 想定外の修繕・追加仕入が発生した場合

こうした事態でも、最低3ヶ月は経営判断を誤らずにいられる時間を確保するための資金です。「ギリギリまで削って、借入額を減らす」のではなく、“倒れないために、あえて余白を持たせる”。この考え方に切り替えたことで、依頼主様は資金計画に対する不安を、「覚悟のある数字」へと整理することができました。
結果として、「無理のない返済計画」「融資担当者にも説明しやすい根拠」「開業後に焦らず判断できる資金余力」この3点を同時に満たす資金計画となっています。

5. 月次収支計画|132万円は狙った数字だった

「月商132万円」という数字は、なんとなく置いた目標ではありません。

月次収支計画(2ヶ月目)

項目 金額
売上高 132万円
売上原価 50万円
人件費 24万円
家賃 11万円
その他経費 25万円
月次利益 22万円

損益分岐点:月商90万円

この売上目標は、

  • 客単価
  • 回転数
  • 営業日数

を分解して積み上げた結果、「無理なく現実的に到達できる水準」として設定しています。重要だったのは、「最大売上」を狙うことではなく、「安定して黒字になるライン」を先に決めたことです。
この収支計画によって、「どこを超えれば黒字になるのか」「どこまで下振れても耐えられるのか」「どの時点で追加施策を打つべきか」が、開業前から明確になりました。結果として、開業後は売上の増減に一喜一憂することなく、数字を見て冷静に判断できる状態で経営をスタートできています。「132万円」という数字は、目標というよりも、事業を安定させるために必要だった“設計値”でした。

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

6. 融資審査で評価されたポイント|見られていたのは売上ではない

融資審査で重視されたのは、「売上がどこまで伸びるか」ではありません。実際に見られていたのは、「売上が想定より伸びなかったときに、この事業は潰れないか」という一点でした。

評価された主なポイント

  • ターゲットと売上構成が明確
  • 原価率を把握し、仕入先を分散して管理している
  • 開業後3ヶ月分の運転資金を確保している
  • 売上未達時の対応策(人件費・仕入調整)を想定済

これらはすべて、「うまくいった場合」ではなく、「想定外が起きた場合」の話です。金融機関が見ているのは、

  • この人はリスクを理解しているか
  • 数字をごまかさず、現実を直視しているか
  • 困ったときに、どう動くかを考えているか

という、経営者としての姿勢です。この事業計画では、家賃・人件費・原価の下限ライン、売上が落ちた場合に最初に調整する項目、判断を先送りしないための基準までを事前に整理していました。その結果、「売上が伸びなくても、すぐに破綻する計画ではない」「この規模であれば、現実的に返済可能である」という評価につながり、591万円の融資実行へと進んでいます。
数字の綺麗さよりも、数字の裏にある“現実的なリスク認識”。ここが、融資審査で最も評価されたポイントでした。

7. 成功の本質|不安は消すものではなく、分解するもの

この事例から学べる最大のポイントは、

  • 不安をなくそうとしない
  • 不安を「数字で分解」する

という姿勢です。

  • 家賃が不安 → 売上比率で判断
  • 融資が不安 → 3ヶ月耐えられる資金設計
  • 売上が不安 → 損益分岐点の明確化

不安を「気合」や「楽観」で押し切るのではなく、判断できる形にまで分解する。これらをすべて開業前に済ませたことで、開業後は迷いの少ない、安定したスタートダッシュにつながりました。

8. まとめ|数字は、不安を裏切らない

このラーメン専門店が軌道に乗った理由は、特別な才能があったから、流行にうまく乗れたからではありません。不安を感じた瞬間に、必ず数字に落とし込んだこと。この積み重ねが、

  • 融資審査を通過する計画
  • 無理のない返済設計
  • 開業後も判断に迷わない経営

につながりました。もし今、

  • 開業したいが、数字に自信がない
  • 事業計画が「感覚」止まりになっている
  • 融資で何を見られるのか分からない

そう感じているなら、一度、不安をそのままにせず、数字に分解してみることが重要です。REDISHでは、「正解を押し付ける」のではなく、不安を判断できる数字に整理するサポートを行っています。数字が見えれば、次に何をすべきかも、自然と見えてきます。

9. お問い合わせ・無料相談

  • 今の資金計画で本当に大丈夫か不安
  • 融資が通る計画になっているかわからない
  • 売上シミュレーションに自信が持てない

もし少しでもそう感じているなら、それは開業を真剣に考えている証拠です。
今回の事例のオーナー様も、同じ不安を抱えた状態からスタートしています。
まずは無料相談で、あなたの状況を数字と一緒に整理してみませんか?

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

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※田邊が出られない場合は、沢田または金山がご対応いたします。