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創業計画書の書き方 創業計画書の書き方のコツ

こちらの記事を読まれている方のなかには、これから会社を興したいと考えていらっしゃる方も多いと思います。そうなると、次に気になってくるのは、会社の経営は上手くいくのか、お金はどこから借りたら良いのか、といった事柄になります。創業融資としてメジャーなものは、日本政策金融公庫の新創業融資や、地方自治体の制度融資などになります。

 

これらの融資制度では、融資を行ってもらう際に、創業計画書というものを提出して審査を受けることになります。この創業計画書の書き方について、悩んでいる人もいるかもしれません。そこで、こちらの記事では創業計画書の書き方を簡単に解説していくことにしましょう。

 

創業計画書は会社の顔

 

創業計画書というのは、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードすることができます。ファイルの形式はエクセルまたはPDFで、それぞれプリントアウトするなどして記入欄を埋めていく形になります。まずは、この創業計画書をダウンロードするところから始めましょう。

 

次に、実際に記入欄を埋めていくことになります。日本政策金融公庫の創業計画書には、次の9つの記入欄があります。

 

(1)創業の動機

(2)経営者の略歴等

(3)取扱商品・サービス

(4)取引先・取引関係等

(5)従業員

(6)お借入の状況

(7)必要な資金と調達方法

(8)事業の見通し(月平均)

(9)自由記述欄

 

(1)の「創業の動機」は、創業計画書のなかでも重要な部分です。書式に関わらず自由に記述することができますし、これからのあなたの会社についてアピールできる部分でもあります。全体としては、紙面のなかでは4行のみに限られているのですが、ここに出来るだけ多くの情報を書き込んでおいたほうが良いと言えるでしょう。

 

(2)の「経営者の略歴等」は、あなたが会社を興すに至った経歴などを書く場所です。過去の仕事だけでなく、今までに取得した資格なども書くことができます。資格の取得欄、経歴の欄、ともに狭いのですが、ここに書かれている内容は、あなたがその事業にどれくらい精通しているかということを計るにあたって、重要なポイントになります。

 

(3)の「取扱商品・サービス」には、実際にこれから扱っていく商品やサービス、そのセールス・ポイントや販売ターゲットについて書くことになります。ここも、あいまいな書き方をしてしまうと融資を受けられなくなることにもつながってしまうので、熟慮したうえで書くようにしたほうが良いでしょう。

 

(4)の「取引先・取引関係等」については、販売先、仕入先、外注先といった具体的な社名を記入します。シェア率や掛取引の割合、回収・支払の条件など、具体的な取引方法についても書く欄があり、実際のビジネスにまで踏み込んだ内容を書くことになります。人件費の支払いやボーナスの支払い日などの情報も、ここに記載します。

 

(5)の「従業員」には、常勤役員の人数や従業員数など、予定しているビジネスで関わる人たちの情報を記載することになります。ここには、創業後3カ月以上雇用することを予定している従業員の人数を記載します。家族従業員の人数や、パート労働者の人数など、具体的な経営実態に踏み込んだ内容を書かなくてはいけません。

 

(6)の「お借入の状況」には、現在借り入れをしている創業資金の情報を記載します。こちらに書くのは、法人の場合代表者の借り入れの情報ということになります。具多的に何に使ったのか、といった目的も併せて記載をします。

 

(7)の「必要な資金と調達方法」には、今現在借り入れをしている資金について、設備資金と運転資金の2つに分けて書くことになります。資金の調達方法として、自己資金や家族・知人などからの借り入れ、金融機関などからの借り入れについて、それぞれ具体的に金額を明示して記載しなくてはいけません。ここで自己資金が多ければ多いほど融資の審査には通りやすくなるのですが、ごまかすことなく正確に記述することが大切です。

 

(8)「事業の見通し(月平均)」には、月ごとの売上高や売上原価(仕入高)、経費、利益といった情報を記載することになります。これは、実際に始まっていない段階では、見込みの金額を記載します。個人事業主としてすでに事業を行っている場合などは別ですが、予想される売上高や経費などについては、税理士などと相談したうえで、予測される金額になるべく近い金額を書くのが良いでしょう。

 

(9)は「自由記述欄」です。ここには、これまでの項目には書ききれなかったような、あなたの会社のアピールポイントなどを書くことができます。あなたが事業にかけている情熱や会社の方向性、どんなふうに社会貢献をするのか、といった事柄を記載するようにすると良いでしょう。

 

創業計画書を書くためのコツとは?

 

では、創業計画書はどのように書いたら良いのでしょうか。一つには、嘘やミスリードを含めない、真摯かつ正確に書く、ということが大切です。嘘やミスリードなどがあると、後々問題になったり、融資が受けられなかったりする可能性があります。

 

日本政策金融公庫の新創業融資や、地方自治体の行っている制度融資は、一般の金融機関からの融資に比べると敷居が低いですから、創業計画書にはこれから始めようと考えている会社について、なるべく正直に記載するようにしましょう。あなたの情熱や思い入れについては、「創業の動機」や「自由記述欄」に記入するようにします。

 

創業計画書を書く際には、正直に書くこと、それに尽きると言えます。ただ、実際に始まっていない事業については見込みの金額などを書く必要がありますから、こうした点は税理士などのアドバイスを受けながら書いていくようにすると良いでしょう。あとはなるべく真摯に、正直に、ということに尽きると思います。

 

まとめ

 

こちらの記事では、創業計画書を書く際のコツについて解説してきました。いかがだったでしょうか。創業計画書は、真摯に書くこと、正直に書くことが肝要です。

 

こちらの記事を参考にして、皆さんも融資が出やすいような創業計画書を書くように努めてみてください。まずは、日本政策金融公庫のホームページから、創業計画書のひな形をダウンロードしましょう。創業計画書は会社の顔とは言っても、実際の融資は金融機関との面談によって決まります。

 

創業計画書には、創業の動機や目的、事業が目指しているところなどを、なるべく魅力的に書くことが必要になってきます。また、日本政策金融公庫の新創業融資と、地方自治体の制度融資とでは、切り口を変えて語ることも必要になるかもしれません。こちらの書いたことを参考にして、皆さんも出来るだけ有利な形で融資を受けられるよう創業計画書を書いてみてください。