Column

コラム

市区町村の創業融資のメリットデメリット

皆さんは制度融資というものをご存じでしょうか。これは、都道府県や市区町村などが行っている創業時の融資になります。銀行からお金を借り入れるよりも敷居が低く、地方創生に役立てることが肝となっている点が特徴的です。

 

こちらの記事では、市区町村が行っている創業融資のメリットとデメリットについて解説したいと思います。お金は降って湧いてくるようなものではありません。融資を受けるにはそれなりの資格を持っている必要があり、それなりのリスクも伴います。では、市区町村の創業融資とは具体的にどんなものなのでしょうか?

 

市区町村の行っている創業融資は「制度融資」と言う

 

これは基本的なことですが、「創業融資」という名称の融資はありません。厳密には、日本政策金融公庫の「新創業融資」または、地区町村と信用保証協会が結んで融資を行っている「制度融資」の二種類のことを、一般的に「創業融資」と呼んでいます。市区町村によっては、「制度融資」ではなく「融資あっせん制度」という名称になっている場合もあります。

 

これらの融資は金利が低く、保証人や担保がなくても、資金を借り入れることができる場合があります。制度融資の審査にあたっては、市区町村や都道府県の担当者があたります。この担当者は多くの場合、中小企業診断士などの資格を持っていて、あなたの事業や会社の目的などを診断して、融資の可否を決定することになります。

 

このように、市区町村の創業融資は銀行から直接お金を借りる場合とは、異なっている点が多くあります。一般的に金利は低く抑えられており、保証人や担保が必要ではない場合も多いです。その一方で、融資まで時間がかかる、必ずしも融資が受けられるわけではない、といったデメリットもあります。

 

市区町村の創業融資のメリット

 

制度融資を受けるメリットは、まずその敷居の低さにあります。審査基準も、通常銀行から借り入れをする時よりも緩やかなものになっています。また、場合によってはあなたの事業が成功するようにアドバイスしてもらえるケースもあります。

 

金利が低いのもメリットの一つです。一般的な金利としては、担保がある場合で0.3~0.5%、担保がない場合で1.0%~2.5%ほどとなっています。通常の銀行の融資はそれよりも若干高めですから、リーズナブルに資金を調達することができます。

 

また、返済期間も長いです。これも市区町村ごとに異なっていますが、一般的な返済期間は5年~10年程度となっています。融資の種類によっても返済期間は変わってくるので、詳しいことは市区町村の担当窓口に問い合わせてみると良いでしょう。

 

市区町村の創業融資のデメリット

 

市区町村の創業融資のデメリットとしては、まずすべての市区町村がこうした制度融資を行っているわけではない、という点が挙げられます。市区町村の創業融資の場合、その市区町村内に営業拠点を構えているかどうかで、厳密に審査が行われますので、隣町に住んでいるので融資を受けたい、といった場合には融資は受けられません。

 

審査に時間がかかることもデメリットの一つです。市区町村の創業融資では、信用保証協会を通じて審査が行われるため、申し込みから融資の許可が下りるまでには、数か月間の時間がかかります。それだけ、会社の創業が遅れてしまいますので、この分利益のロスが生じてしまうことになります。

 

また、創業融資を行っている自治体では、地方創生につなげたいという目的があってお金を貸していますから、あなたの会社が上手く行きそうかどうか、といった点の他にも、細かな審査項目が設けられている場合があります。この点もデメリットと考えることができます。銀行のように、ただ会社が成功しそうかどうかだけでお金を貸してくれるわけではない、という点は注意しておきましょう。

 

まとめ

 

市区町村の創業融資、「制度融資」のメリットとデメリットに関する解説は以上です。ご理解いただけましたでしょうか。制度融資の詳細については、各自治体ごとに審査要件などが異なっているので、まずは当該の自治体の窓口に問い合わせてみると良いでしょう。

 

制度融資は、日本政策金融公庫の「新創業融資」とともに、開業時に利用したい資金調達方法の一つです。やはり、銀行よりも審査の基準がゆるめであることが、大きなメリットだと言えます。この記事を参考にして、あなたも自分の目的や環境にあった融資を利用してみてください。