Column
コラムテイクアウトに関した、近年のトレンド考察
コロナ第一波と比べて、外食することに関しての規制はかなり緩和されつつあります。
夜8時以降に帰宅する人が夕食にありつけない「夕食難民」というワードが非常に有名となりましたが、今ではそれもなくなりました。
外食の回数は比較的戻ってきていますが、完全に外食の回数が戻るわけではないと踏んでいます。
店に集まることが良くないとされていた頃は、やむを得ない手段としてのテイクアウトだったかと思いますが、その中でも「案外テイクアウトいいじゃん!」とテイクアウトで食事をすることの良さを知った人は、かなり増えてきているのではないでしょうか。
テイクアウトは飲食店の一時しのぎではなく、これからものを売るためのれっきとした手段のひとつになっていくのではないかと考えています。
テイクアウトを始めるにはどんなルールがあるの?許可は必要?
基本的に許可は要らない
結果から言うと、
すでに開業しており、営業許可証が出ている場合、とくべつ許可を取る必要はありません。
また、販売する商品に関してですが、普段販売しているものと同じものを販売していれば問題はありません。
ですが、許可なしで売れないものがあります。次よりご紹介いたします。
許可なしで売れないものの例
・ソーセージやハム、チャーシューなどの加工肉製品(食肉製品製造業の許可をとる)
・ケーキやパン、菓子類(菓子販売業の許可をとる)
・アイスクリーム(乳類販売業の許可をとる)
・アイスクリーム(乳類販売業の許可をとる)
・酒類(酒類販売業免許の許可を取る、お酒を販売するスペースとして区分けしなければいけないため大変)
これらを新しく販売することは手間がかかるため、急ぎでテイクアウト展開する場合は避けた方がよいでしょう。
その場で調理していれば消費期限・原材料などの表示が不要
既に作り置きをして陳列しているものに関しては、商品・原材料・内容量の記載をしなければならないのですが、その場で調理をしてテイクアウト・デリバリーをおこなう場合は記載が不要です。
作り置きで販売が可能な代わりにラベラーで印刷して貼り付ける手間を取るか、注文のたび毎回作らなければならない手間をとるかどうか、よく考えましょう。
表示が不要な場合でも、アレルギー表示に関してはチラシや据え置きのメニューに記載して、アレルギー持ちのお客様にわかりやすく表示することは心がけましょう。
さまざまなテイクアウトの導入形態
主に3つのテイクアウト導入形態があるので、ご紹介いたします。
A.昼はテイクアウト営業、夜は店舗営業
オペレーションが昼と夜でキッチリと分かれるのでメリハリのついた営業を行えるのではないかと思います。
学生バイトに多く頼っている店が昼も店舗営業しよう!となると、
ほとんどの学生が昼シフトに出られず、昼の店舗営業が物理的に不可能となる可能性も高いです。
そういった場合はこのような、昼はテイクアウト営業・夜は店舗営業というこの形はふさわしいのではないかと思います。
B.昼夜ともにテイクアウト・店舗営業を兼業
お客様にもそれぞれ都合があり、店で食べたい時・持ち帰って食べたい場合があります。
テイクアウト・店舗営業を兼業していれば、どちらのお客様にも購入していただけます。
少しオペレーションは煩雑になるでしょう。
「せっかく盛った料理が店内ではなくテイクアウトだった…盛り直し」という残念なことも起こりかねないので、テイクアウトの応対を受ける人を決めるなど、窓口を一か所にまとめておくことで煩雑さは比較的解消されます。
C.完全テイクアウト専門店に変更
これは、食べに来ていたお客様を切ることになってしまったり、「ここで本当にテイクアウトが多く売れるのかわからない」という懸念点があり、かなりリスキーではあります。
客席がある物件はその分無駄となってしまうため、厨房のみのサイズで済む物件に引っ越すことになるでしょう。
大きく販売業態が変形するため、普段の営業以上に時間を使います。
メニュー開発から物件探しまで行う必要があるため、新規開業を行うつもりで取り組むようにしましょう。
テイクアウト販売のメリット・デメリット
メリット①座席数を気にせず商品を販売できる
座席が埋まってしまい、新規入店をお断りしなければならなく、お客様を増やせるせっかくのチャンスを逃してしまうことがあります。
しかしテイクアウトであれば、材料がある限り理論上はいくつでも商品の販売ができます。
メリット②人件費が下がる
スタッフコストがかからないのもメリットの一つです。
席まで移動し注文を受け付け、配膳し、下げた皿を洗って…という工程が不要になり、かなりコストダウンした営業ができるでしょう。
作って会計をすることさえできれば、商売になるという簡略さがテイクアウト営業にはあります。
少人数であればあるほど、準備に時間はかかってしまいますが。
メリット③入店するよりも気軽に買いやすい
高級路線の店舗であろうとなかろうと、「店に入るにはちょっと敷居が高いな…」と思われていることがあります。
その敷居を下げるきっかけとなるのが、テイクアウト営業です。
値段も少し安く提供されているし、「持ち帰りなら…」と買うきっかけになりやすいです。
お弁当ではなくおかず単品だった場合、お惣菜感覚で夕飯に購入していくという可能性もあります。
付近の通行人に合わせた、さまざまなメニューを用意しておくといいでしょう。
デメリット❶提供するのに向いていない食材がある
お刺身や生卵など、加熱されていないものの場合、傷んでしまうことがあります。
そのまま食べてしまっては食中毒にもつながってしまいます。
そういったものは基本的に盛らないのが無難です。焼き加減がレアなものでも少し怖いですね。
これからの夏の時期に弁当を日の当たる外に出して販売するのも大変危険です。
食中毒を起こしかねません。
一見大丈夫そうで危ないのが、レタスなど冷たい生野菜の上に熱いものを乗せたりすること。生野菜についていた菌が温まってそのまま増殖してしまうというケースがあります。
一旦、揚げ物や炒め物は冷ましてから入れる、という工程を挟むようにしましょう。
そして、お客様がすぐに食べない可能性もあるので、きちんと「お早めにお召し上がりください」「冷蔵庫で保存するようにしてください」と声かけをきちんとしましょう。
デメリット❷店内での提供と比べ商品単価は低めになる
「お店で食べる=高い」「持ち帰って食べる=安い」という感覚がほとんどの人に根ざしているため、テイクアウトにおいてひとつ当たりの値段を下げなければ売れないでしょう。
料金設定に関しては、こちらの記事でも少し取り扱っていますので、ご参考程度にお読みください。
【いよいよ商品の開発へ!】メニューを決めて、魅力的な店舗にしましょう! ~メニュー・料金決め・メニューブックづくり~ – リディッシュ株式会社【redish】
ランチタイムのテイクアウトの場合、1000円を超えるとかなりハードルが高まってしまいます。
また、1枚何円レベルの話にはなりますが、パッケージ料金も加わるのできちんと料金を考慮する必要があります。
いかがでしたでしょうか。
テイクアウト導入は工程としては、意外と難しいものではないのです。
導入は容易ですが、きちんと売れるメニューについて考えなければなりません。