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【飲食店開業の方必見】”コンセプトを決めて”って言われても何が何だか…。大丈夫、今ここで教えます!『店のコンセプトってどうやって決めるの?』

飲食業は、暮らしの中で最も身近なこともあり、開業率がずば抜けて高い業種です。
ですが同時に、廃業率も高い業種と言われています。その原因として”未経験ゆえの準備の甘さ”にあります。だからこそ開業前の準備を怠ってはいけません。

ということで、まず第一にどんなお店にするかを決めるところから開業準備は始まります。いわゆる”コンセプト”を決めていく作業です。

お店を始めるにあたって何をしたらいいのか検索してみると、
「まずはコンセプトを決めましょう!」とだけ言われました。どんなお店を思い浮かべるでしょうか?

「いや、急に言われても…。」って感じですよね。

おしゃれでインスタに載せたくなるような、みんなが集まれるお店?
シンプルでクールなイタリアンのレストラン?
照明を落とし、ロマンチックで…

なんとなく聞こえはよさそうですが、全部もやっとした表面的な言葉でまとめられておりどっちつかずな店舗で、本来ビビッと来るはずだったお客さんの心にも留まらなくなってしまいます。
ですがはじめのコンセプトづくりは”なにがわからないのかわからない状態”でしょうから、こうなっても仕方がありません。

今回、コンセプトのつくり方についてじっくり学んでいきましょう。

 

「なんでも売ります」は一旦忘れましょう!後でいくらでもできるから!

まず、メインのターゲットを定める必要があります。例えば

【おじいちゃんおばあちゃん、若い男子も女子も集う、子供連れも集まれるみんなのカフェ】

和食もオムライスとかも好きだから、どっちも!【和食も洋食も食べられるレストラン】

このようなターゲットがあったとします。
興味のあるもの全部を興味のある全員の人に売りたい!と思いますよね。
願わくばみんなそうしたいですが、これは現状、とても厳しいです。
揃える材料が倍増えたり、それによって厨房の拡大をしなければ同時並行で作業ができないなど、マニュアルもそれだけ増えスタッフにも負担がかかります。

もちろん長いこと経営して安定感が出てきたら、メニューを増やすこともできるので急がずまずは軸のあるターゲットをもってゆっくり考えましょう。
スープをベースにおいしいカレーを作り始めたラーメン屋さんとか、
洋食屋が創作料理として和食×洋食を作り始めたり、
やがて勝手がわかってくると、リスクが少なくてかつオリジナリティのあるものは後でいくらでも展開できたりするものです。

「それじゃ…若い女性がターゲット!」と言えば先ほどよりはかなり絞れたかと思いますが、まだまだ絞る必要があります。
ターゲットというのは、決してその定めた人しか来ないと言うわけではないので、ターゲットを明確に絞った上、商品サービスを定めていくことでその店独自の魅力が見えてくるというものです。

30代既婚女性、健康意識の高いZ世代の女性など、家族構成や生活習慣、仕事の習慣や食の好みが絞られ、店舗設計やメニューのバリエーションなど手をかけるべきポイントが見えてきます。

年代×性別×家族構成×食の好み の4点ほどは定まっていることがベストです。

 

誰に対してどんな売り方をしたい?

業種、つまり自分の店舗で販売する商品が決まっている方は多いかと思います。そば屋、焼肉屋、イタリアンなど。業種を決める作業に関してはおおむね問題なさそうです。

それに加えてもう一つ決めることは業態。どのように売るのか、現状頭に浮かんでいるものを考えてみましょう。
回転の早いファストフード、テイクアウト、キッチンカー、キャッシュオンの立ち飲みなど。ゴーストキッチン、クラウドキッチンという販売スタイルも近年見られています。

さらに客単価がいくらくらいになるのか?居酒屋は居酒屋でも、
リーズナブルな居酒屋⇔高級路線の居酒屋と違いがあるので、
[昼:~1000円 夜:~4000円]などと、額面で具体的なイメージがついているのも良いです。

近くの店舗、最近のトレンドと比較してみよう!

マーケティング用語でSWOT(スウォット)分析、というものがあります。
強み/弱み/機会/脅威の4つの英語の頭文字がS/W/O/Tで、だからSWOT分析。

強み・弱みは自分自身の経験や、店の特徴を箇条書きにして
機会・脅威は世間の流行、周りの環境・立地などを箇条書きにします。

強み
・海外に修行経験があり、本場の味を知っている
・駅から近い
・学生時代、同業種でアルバイトしていたので材料の流通経路に詳しく人脈に富んでいる
弱み
・資金が少ない
・使おうとしている店の構造が狭かったりいびつな形で席数が少ない
・裏通りにあるので目立たない
機会
・高層マンションができた
・最近は有機野菜ブーム
・大学が近く、学生の目に留まる
・近くにビジネス街がある
・最寄りが乗り入れ駅で、乗り換えでふらっと降りてもらう機会が多い
脅威
・コロナの影響で飲食店が厳しい
・店舗の入れ替わりが激しいエリア
・似た雰囲気の店で行列のできている店が近くにある

このように、周りの背景をどんなに小さなことでもいいので、書き記していきます。

ただ弱み・脅威がたくさんあったからダメだというわけではありません。
上記の「”裏通りにある”弱み」は逆に、内装を隠れ家的テイストにすることでコンセプトを強めることもできるので、いくつかの弱みは逆に考えれば強みになるのかもしれませんね。

これを書くことで気付かなかった必要価値が浮き出てきます。
さっき上でざっくり決めた業態すらも「店舗販売だけじゃなくて移動販売も一緒にやってみてもいいかも」「夜だけ営業と言っていたけれど、この周りの環境ならお昼も食べに来てくれるかも」と気が変わるかもしれません。

そしてこれらを掛け算して考えていきます。

上で書いたものを用いてみると例えば、
【弱み:裏通りにある】×【機会:大学が近い】
→大学付近で宣伝することで店の位置をたくさんの学生に知ってもらう
など。
このように、2つの組み合わせの中からアイデアを作り出していくことができます。

そしてもう一つ大切なことがひとつ。
今は上から下へ順々に説明していますが、一度次の段階に行ったら前の段階に戻って考え直しちゃダメということはありません。
何かひらめいたら逆戻りして上のものを変えていってもいいということ。これはコンセプトを決める作業においてとても重要なことです。

これでリアルな店のイメージは浮かんだはず。『6W2H』でまとめましょう!
5W1Hはどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが店舗開業であれば、より明確な6W2Hで詳細にまとめてみましょう。

ひとつ店舗を例にイメージをしてみましょう。

Who(誰が) 本場で経験を積んだ私が
Whom(誰に) 美味しいお酒を飲んでみたい大学生 20代後半の男女
Where(どこで) ○○大学が近く、落ち着いた商店街のビルの3F(下にも飲食店) 学生向けの安いマンション、中流のマンションも多い
What(何を) 有機野菜をふんだんにつかった安心安全のスペイン料理と種類に富んだ美味しいワインを
Why(なぜ) 敷居の高すぎない額でスペイン料理・ワインを楽しんでもらうため
When(いつ) 11:00-14:00、18:00-25:00 昼はランチメニューを提供
How to(どのように) 4人席が5卓、カウンターは8席で様々な人数に対応、昼は4人席を半分に隔て相席も可能に。昼はサラダバーを設ける
How much(いくら) ランチは900円前後、夜はフード1品700円、ワインもグラス550円から650円

これらを立地、ターゲット層、動機、業種、業態、商品、客単価、営業時間として当てはめていくと、コンセプトや店舗の姿がイメージでぼんやり見えてくるかと思います。

はじめのような、コンセプトを決めることは難しいことでかつ奥深いことであることがお分かりいただけたでしょうか?

文章を読みながら一緒にイメージを膨らませていた方の中にも、きっとワクワクしながらと思います。これが開業でお店に向かう第一歩目の作業です。
たくさん悩んで考えた時間はとても大切な財産になるので、開業をお考えの方はこれを機会にじっくりとコンセプトについて向き合ってみてください。

 

 

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