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飲食店開業で創業融資を成功に導くセカンドオピニオン活用法|税理士・公認会計士など“お金の専門家”に相談するメリットとは?

この記事を監修した人

公認会計士 松隈剛

公認会計士の資格を取得後、トーマツ監査法人で公開監査に従事。 その後、PwCでM&Aを担当。スパークスグループにてファンドマネージャーとして活躍。2015年にリディッシュ株式会社を創業。提携税理士法人であるクロスポイント税理士法人にシニアアドバイザーとしてジョイン。これまでに1,000店舗以上の飲食店経営を支援し、会計・税務、融資、集客などの経営課題を解決。

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目次

はじめに

飲食店を開業するには、多額の資金が必要になります。物件取得費や内装工事費、厨房機器の購入費、スタッフの人件費はもちろん、開業当初の運転資金まで考慮すると、自己資金だけで賄うのは相当なハードルです。
例えば、20坪程度の店舗でも1,000万~1,500万円ほど、都心部や人気エリアであれば1,500万~2,000万円に達するケースも決して珍しくありません。こうしたまとまった開業資金を用意するため、多くの飲食店オーナーが検討するのが融資による資金調達です。

しかし、いざ銀行や公庫に融資を申し込むとなると、想像以上に審査の壁が高いと感じる方が多いのも事実です。とくに民間銀行(都市銀行・地方銀行・信用金庫など)は「新規開業の飲食店=リスクが大きい」という見方をしがちで、ほとんど門前払いに近い対応を受けることもあります。そんな状況下で、より多くの方が目を向けるのが、政府系金融機関である「日本政策金融公庫(JFC)」の創業融資です。

「公的機関だから審査が甘いのでは?」と思われがちですが、決してそんなことはありません。日本政策金融公庫では、事業計画の妥当性や返済能力、信用情報などを厳しくチェックするため、準備不足のまま申請してしまうと落とされることも多く、一度落ちると半年程度は再申請できず計画が狂うリスクが高いです。

そこで、近年注目されているのが専門家(税理士や公認会計士など)の「セカンドオピニオン」を活用する方法です。自分一人で事業計画書を作成するだけでなく、融資支援に長けたプロに客観的な視点でアドバイスをもらうことで、事前に計画を大幅にブラッシュアップできます。結果として、審査通過率を高め、融資実行までの期間を短縮できるという大きなメリットがあります。

本コラムでは、飲食店開業時の融資制度の基本から、日本政策金融公庫の審査をクリアするための具体的な工夫、さらには専門家を選ぶ際の比較ポイントや無料相談の流れまでをまとめて解説します。読み終えた頃には、飲食店開業のための資金繰りについて大きな不安を取り除き、安心して審査に臨める知識が身につくはずです。

1. 飲食店開業と資金調達:なぜ融資が必要になるのか?

飲食店開業と資金調達

1-1. 飲食店開業の初期費用と自己資金の実態

飲食店を新たに開業する際には、業態の選定や物件探し、メニュー開発、スタッフ採用など多くの工程が必要ですが、最初にクリアしなければならない大きなハードルが「十分な資金の確保」です。なぜなら、飲食店の開業には、主に以下のような多額の費用が発生するからです。

物件取得費

敷金・礼金・保証金など
都市部の人気エリアや駅近物件は保証金が高額になることも多く、数百万円単位のまとまった資金が必要になります。
物件の規模や立地条件によっては、資金準備の段階で大きな差が出てくるため、早い段階から物件相場をリサーチすることが重要です。

内装工事費

壁や床の装飾、空調設備、電気・ガスの配管工事など
内装はお店のコンセプトや雰囲気を左右する重要な要素であると同時に、工事費のウエイトが大きくなりがちです。
特に飲食店の場合は衛生管理や換気設備が厳格に求められるため、オフィスや物販店舗に比べると工事費用が高くなる傾向があります。

厨房機器購入費

調理台や冷蔵庫、オーブン、食器洗浄機などの大型設備
飲食店の肝となる「厨房」には、良い機器を導入することで調理効率や仕込み作業のクオリティが大きく変わります。
新品を揃えるとなると数百万円以上かかることも珍しくありませんが、中古やリースを活用して初期投資を抑える方法もあるため、予算と運営方針を見極めることがポイントです。

人件費

オープン前の研修期間も含めたスタッフの人件費や採用費用
飲食店は接客や調理スタッフを確保することが不可欠で、求人募集から面接、研修までを考えるとオープン前から一定の資金が必要になります。
開業時にはアルバイトだけでなく、料理長や店長といった責任者クラスの採用費用がかさむケースもあるため、計画的な人員配置・人件費の計算が重要です。

広告・宣伝費

開店告知、SNS広告、チラシやポスティング、Webサイトの制作費用など
お店をオープンしても、周知が不十分だとせっかくの初期集客を逃すことになります。事前の宣伝活動やグランドオープンのキャンペーンなど、“初期の集客”にこそ予算をかける必要があります。
特に、SNSやグルメサイトのクーポン企画などを活用する場合も費用が発生するため、戦略的に取り組むことが大切です。

運転資金

仕入れ費用や家賃・光熱費、オープンから黒字化するまでの手元資金
飲食店は売上が安定し始めるまで一定期間かかり、最初の数か月間は赤字または収支トントンに近い状態が続く可能性があります。
黒字化するまでの固定費や食材の仕入れ、スタッフの給与などを確実にまかなうために、開業時に十分な運転資金を確保しておく必要があります。

こうした費用を総合すると、小規模な店舗でも1,000万円以上は珍しくなく、人気エリアや大きめの店舗を構える場合は1,500万〜2,000万円超になることも決して珍しくありません。これだけの資金をまるごと自己資金で賄える人はごくわずかで、実際には「自己資金+融資」という組み合わせで開業するパターンが大半です。

💡多くの開業希望者が陥りやすい「資金不足」の罠

開業準備中は“やりたいこと”が優先されやすく、内装やメニュー開発に注力するあまり、資金繰りを後回しにしてしまうケースが多くあります。
物件や内装にこだわりすぎて予算をオーバーし、その後の運転資金が不足するパターンも珍しくありません。
開業間近になってから慌てて融資先を探すと、十分に書類を作り込めず審査に落ち、オープン時期を逃してしまうという深刻な事態につながることも。

このように、飲食店を開業するうえで最も重要かつ大変な準備の一つが「資金確保」です。十分な自己資金があれば理想的ですが、物件契約や内装発注のタイミングなどを考えると、自己資金だけでは間に合わない・不足するという状況に陥る方がほとんどです。

1-2. 自己資金以上にかかる資金を補うには?

では、不足する資金をどのように補えばよいのでしょうか。まず考えられるのは、都市銀行や地方銀行などの民間金融機関からの借入ですが、飲食店の新規開業に対する審査は非常に厳しいのが現実です。これは、飲食業が他業種と比べて倒産リスクが高いとみなされがちだからです。特に開業直後は実績がなく、経営者の信用力も不透明であるため、民間の銀行にとっては“慎重にならざるを得ない”状況となります。

民間銀行のハードルが高い背景

  • 業種リスク:飲食店は景気や立地条件に左右されやすく、閉店率が高い。
  • 実績不足:新規オープンのため、過去の決算書や売上実績が存在しない。
  • 担保の問題:十分な不動産担保や保証人を用意できないケースが多く、銀行からの信頼度が下がる。

こうした理由から、飲食店をゼロから始める際には民間銀行での融資審査が通りづらく、「政府系金融機関である日本政策金融公庫(JFC)の創業融資をまず検討する」という流れが一般的です。
日本政策金融公庫(JFC)については次のセクションで解説します。

資金ショートが致命傷になりやすい飲食業

飲食店経営は、立地やメニューなどが上手くマッチすれば大きく稼げる反面、最初の半年〜1年で軌道に乗らず閉店に追い込まれるケースも珍しくありません。売上が安定するまでの期間を“安全圏内で乗り切るための資金”がなければ、軌道修正の時間もなく撤退を余儀なくされる可能性があります。

「十分な運転資金」がない状態でオープン → 資金繰りに追われ、必要な仕入れや宣伝ができず、売上低迷 → 家賃・給与が支払えず閉店
「十分な運転資金」がある状態でオープン → 余裕を持って宣伝・集客に投資し、メニュー改良やオペレーション改善に時間を使える → 計画通りでなくとも、試行錯誤を続ける余地が生まれ、徐々に売上を伸ばせる

このように、「開業時の資金調達が成功するかどうか」で飲食店の将来が大きく変わると言っても過言ではありません。だからこそ、民間銀行よりもハードルが比較的下がる日本政策金融公庫(JFC)の創業融資は、多くの飲食店オーナーにとって頼りになる存在なのです。

2. 日本政策金融公庫(JFC)の概要と創業融資の魅力

日本政策金融公庫

2-1. 日本政策金融公庫(JFC)とは

日本政策金融公庫(JFC)は、政府が100%出資する公的金融機関です。その主な使命は、中小企業や個人事業主を支援するための融資や、地域経済の活性化、雇用の創出を促すことにあります。民間の金融機関では実績や担保を重視するあまり、新規開業や小規模企業への融資がしばしば敬遠されがちです。特に、開業後すぐは事業実績が少ないうえに、飲食業などは「リスクが高い」と見なされやすいことから、金融機関との取引が難航しがちです。

こうした中で日本政策金融公庫は、創業直後の事業や経営基盤がまだ弱い事業者にも積極的に融資を行う仕組みを整えています。これは、民間の銀行とは異なり、政府の政策目的――すなわち地域振興や中小企業支援――を強く意識していることが大きな理由です。そのため、創業時期や事業規模を問わず、「事業計画に将来性がある」「経営者に熱意と経験がある」などが認められれば、比較的柔軟な審査を受けられる可能性が高まります。飲食店の場合も例外ではなく、まだ実績のない段階であっても、事業計画の妥当性や創業者の意欲・経験を重視してくれるのが日本政策金融公庫の大きな特徴です。

2-2. 新規開業資金(創業融資)の基本情報

日本政策金融公庫には複数の融資制度がありますが、その中でも新たに事業を始める人向けに用意されているのが「新規開業資金(いわゆる創業融資)」です。飲食店の場合、内装工事費や厨房設備費に加え、オープン当初の運転資金まで含めると、当初から多額の資金を確保しないと厳しい現実があります。こうした状況でも、公庫の創業融資を利用すれば、以下のような条件で比較的大きな資金を借りられる可能性があります。

融資限度額

最大7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)
飲食店に必要な設備資金や運転資金をまるごとカバーできる可能性が高く、大きな開業負担を軽減します。

返済期間

設備資金は最長20年、運転資金は最長10年
高額な初期投資が必要な飲食店でも、長期返済により月々の返済負担を抑え、資金繰りを安定させられます。

担保・保証人

原則無担保・無保証(ただし金額や申請者の状況によっては担保を求められるケースも)
創業時は担保にできる不動産や保証人を用意できないことも多いため、こうした柔軟性は大きな魅力です。

金利

政策的配慮から低金利(1~2%台が目安、時期や制度により変動)
一般の銀行融資に比べて利率が低いため、長期的な返済を考えるうえで利息負担を軽減できるメリットがあります。

これらの条件により、飲食店など初期設備投資が大きくなる業種でも、開業時にまとまった資金を確保できるというメリットが生まれます。特に内装や厨房機器の購入は数百万円単位にのぼるため、民間銀行だと断られやすい「大口の借入」も公庫なら現実的に検討しやすいと言えるでしょう。

2-3. 銀行融資と政府系金融機関の違い

銀行融資と政府系金融機関による融資には、以下のような大きな違いがあります。

審査基準の違い

銀行融資:過去の決算書や業績、担保の有無を非常に重視します。新規開業者の場合、これらの要素が乏しいため審査が厳しくなり、結果的に融資を断られるケースが多いのが実情です。
日本政策金融公庫:創業段階の事業者を支援することが目的なので、「今後の成長性」や「経営者の経験・熱意」を重視します。例えば、飲食店であれば事業計画書に記載した立地分析や客単価、ターゲット層などを丁寧に確認し、計画が現実的かどうかを中心に判断してくれます。

実績の有無

銀行:実績重視のため、「既に経営している店舗の業績が良い場合」「決算書上の黒字が安定している場合」などに融資が下りやすく、新規開業や赤字事業では不利になります。
公庫:過去の実績がなくても、「創業時点の事業計画」と「経営者の資質」を評価して融資を判断する仕組み。未経験業態でも、十分なリサーチや明確なプランがあれば、前向きに審査される可能性があります。

政策的支援と金利の設定

銀行:市場金利や信用リスクに応じて融資金利を設定するため、創業期の信用リスクが高い事業者ほど金利が高くなるか、もしくは融資を断られる傾向があります。
公庫:政府がバックにあるため、1~2%台の低金利を設定しており、長期返済も認められています。これは「経営が安定するまで返済負担を軽くする」という政策目的があるからです。

こうした違いから、多くの新規開業者、特に初期費用がかさむ飲食店オーナーはまず「公庫の創業融資を受けられないか」を検討します。いきなり銀行へ駆け込むより、創業者向けのサポートが充実している公庫を活用したほうが、融資成功率や資金繰りの安定性が高まるケースが多いからです。

公庫融資の利用者が増えている背景

近年は、働き方改革や副業解禁の流れを受けて、小規模な飲食店やテイクアウト専門店などを開業する方も増えています。こうしたトレンドの中で、自己資金だけでは足りない部分を公庫の創業融資でまかない、長期的・安定的な経営を目指すというスタイルが広く支持されています。特に飲食店は、物件確保から設備投資までの資金ニーズが大きく、かつ開業後すぐに黒字化するのが難しい業種だからこそ、低金利・長期返済が可能な公庫の融資が頼りになるのです。

3. 融資審査でチェックされるポイントと飲食店特有の注意点

融資審査でチェックされるポイント

日本政策金融公庫の創業融資を受けるうえで、最も重要な書類の一つが「創業計画書(事業計画書)」です。この書類を通じて、金融機関は「返済能力」「計画の信頼性」「創業者の資質」などを総合的に判断します。飲食店は他の業種以上に初期投資が大きく、需要予測にもさまざまな要素が絡むため、以下の項目をより入念にチェックされることが多いです。ここでは、特に重要視される4つのポイントと、それぞれの注意点を詳しく解説します。

3-1. 自己資金要件と預金通帳の確認

自己資金の最低要件

「必要資金の10分の1以上」
日本政策金融公庫では、創業融資の利用条件として「必要資金の10%以上を自己資金として用意していること」を基本要件としています。
例えば、1,000万円の開業資金を見込む場合、最低でも100万円の自己資金が必要です。
ただし、実際の審査では「自己資金の3~4倍程度」が融資額の目安とされることが多く、300万円の自己資金があれば900万~1,200万円の融資を受けられる可能性が出てきます。

計画的な貯蓄履歴の重要性

通帳履歴を厳密にチェック
「短期間で大きな金額が入金された」など、不自然な動きがあると、本当に自分で貯めたお金なのかを疑われる恐れがあります。
例えば、誰かに一時的に借りただけではないか、融資審査のために見せ金を用意しただけではないか、といった疑念が生まれるわけです。
そのため、金融機関は申請前数か月~半年程度の通帳の動きを詳細に確認し、「コツコツと計画的に貯金してきた履歴があるか」を重視します。

飲食店ならではの自己資金の考え方

飲食店は開業前の工事費や設備費で資金が一気に出ていく一方、開業後も軌道に乗るまでに一定の期間がかかるため、運転資金が不足しやすい傾向にあります。
自己資金が少なすぎると、審査担当者から「開業後のキャッシュフローがすぐに苦しくなるのでは?」と見られ、返済能力に疑問を持たれる可能性が高まります。
可能な限り貯蓄や親族からの援助などを含めて自己資金を増やし、計画書には「開業後の資金繰りをどのように回していくか」を具体的に示すことが大切です。

3-2. 経験・経歴が重視される理由

飲食業は専門ノウハウが必要

飲食店の運営には、他のサービス業や小売業以上に多岐にわたる知識と実務力が必要です。
調理技術: メニュー開発から仕込み、衛生管理まで幅広いスキルが求められる。
接客・サービス: お客様の満足度はスタッフの接客レベルに大きく左右される。
マネジメント: 在庫管理、スタッフのシフトや教育、売上管理など、経営者としての総合的なマネジメント力が必須。

経験がプラス評価になる理由

調理師免許やソムリエ資格、居酒屋チェーンでの店長経験などの有無は、融資審査でプラスに働きやすい項目です。
これらの資格や実務経験があると、「一定のスキルがあり、開業後すぐに安定したオペレーションが可能」と判断されやすいからです。
また、「過去に飲食店での勤務経験が○年ある」「既に業界の仕入れルートを確保している」など、具体的な裏付けがあればなお有利になるでしょう.

未経験者が注意すべき点

「未経験でも大丈夫か?」
全く飲食業の経験がない方が開業すると聞いた場合、金融機関は「本当に運営していけるのか?」と強い疑問を持ちます。
もし未経験なら、スタッフの採用計画や研修制度をどうするか、あるいは経験豊富なパートナーがいるかといったサポート体制を具体的に示すことが不可欠です。
「儲かりそうだから」「飲食店は誰でもできそうだから」という曖昧な動機だけでは審査を通すのは難しく、現実的なオペレーション計画や専門家の助言をもとにした開業準備をアピールする必要があります。

3-3. 事業計画書の矛盾点・整合性・説得力

売上予測に根拠があるか

「客単価」「回転率」「席数」「営業時間」「定休日」「競合店の数」など、売上を左右する要素をどこまで精査しているかがポイントです。
客単価の計算には「ランチ/ディナーの価格帯」「アルコール類の有無」「客層の所得レベル」などを反映。
回転率の見込みには「1人あたりの滞在時間」「客席の快適度」「立地条件」などを考慮。
「競合店の動向」をチェックしているか
開業予定地の周辺に同様の業態や価格帯の店が多いなら、差別化できるポイントを明確にする必要があります。単純に「このぐらいは売れるだろう」という勘に頼らず、客数・ピークタイム・価格帯などを具体的に調査して記載するのがベストです。

コスト構造が現実的か

飲食店では食材仕入れ、人件費、家賃などの比率が大きい
食材原価率(30〜40%)や人件費率(20〜30%)など、業態によって一般的な目安が存在します。
もしそれらの数値とかけ離れた設定になっていると、「実際にはもっとコストがかかるのでは?」と疑われます。

事業コンセプトと数字の整合性

高級路線なのに客単価が低すぎる、逆に大衆路線なのに高級店のような原価率を設定している、などの矛盾は危険です。
例えば、ワインや高級食材を用いるフレンチレストランを謳いながら、「平均客単価が1,000円」では現実的ではありません。
また、居酒屋なのに1日の客単価が極端に高い設定や、回転率が不自然に低い(または高い)シミュレーションは、担当者から見て「この店の運営イメージが湧かない」という印象を与えてしまいます。

書類全体の「説得力」とは?

数字だけではなく、その数字に至った「調査や分析のプロセス」が説明できるかどうかがポイントです。
「近隣に◯軒の飲食店があり、客単価は平均◯円。回転率はランチ1回・ディナー2回程度が見込める」など、具体的かつ論理的であればあるほど審査担当者の信頼を得やすいでしょう。
飲食店の場合は、店舗イメージ写真やメニュー例、ターゲット客層のライフスタイルなどを添付資料として入れることで、計画のイメージを明確に伝えられます。

3-4. 個人の信用情報の重要性

過去の支払い履歴がチェックされる

クレジットカードや携帯電話の分割払いなどの延滞履歴は、個人の信用度を大きく下げる要因です。
金融機関は「返済の約束を守れないリスクがある」と判断するため、事業計画がしっかりしていても評価が下がる可能性があります。

税金の未納や滞納も要注意

特に、住民税や所得税、年金などの未納はマイナス評価につながります。事業以前に個人の責務を果たしていない姿勢があると、金融機関は「公的機関への支払いすら滞るのでは、融資の返済も怪しい」と見なすためです。

開業前に信用情報をクリーンにする

公共料金の支払い遅延など、小さなことでも延滞が続いていると良くありません。
開業準備に取り掛かるタイミングで、クレジットカードの支払い明細や公共料金の引き落としを再確認し、滞納や延滞を完全にクリアにしておきましょう.

既存ローンの返済状況

カーローンや住宅ローンなどを抱えている場合、月々の返済に滞りがないかチェックされます。負債額が大きいと総合的な返済能力に疑問を持たれることもあるため、事業計画書には個人負債と事業資金のバランスも含めて説明できるようにしておくと安心です。

4. 飲食店開業でよくある課題とつまずきポイント

飲食店開業でよくある課題とつまずきポイント

飲食店を開業するにあたっては、物件契約、メニュー開発、内装工事などやるべきことが数多く存在します。しかも、これらの準備を同時並行で進める必要があるため、計画通りにスケジュールをこなしていくのは容易ではありません。とくに、日本政策金融公庫(JFC)のような金融機関からの融資を受ける前段階で準備不足のまま突き進んでしまうと、最悪の場合は「融資が下りなかった」「契約をキャンセルせざるを得なくなった」など重大なトラブルにつながるリスクがあります。

この章では、飲食店開業時に多くの人が直面しやすい課題と失敗ポイントを4つの視点から詳しく解説します。

4-1. 不十分な自己資金の確保

焦りが招く資金準備の遅れ

物件が見つかったら即契約したい!
飲食店を開業するうえで、“好条件の物件”に巡り合うことは極めて重要です。立地や客層がビジネスモデルに合致していれば、その後の売上に大きく影響する可能性が高いからです。
しかし、「今を逃せば二度とチャンスがないかもしれない」と焦りすぎると、自己資金の準備が中途半端なまま契約を結んでしまい、結局融資が通らずに契約解除に至る事態になることも.

融資希望額とのバランス

自己資金が300万円なのに1,500万円の融資を希望する…
このようなケースは、公庫などの金融機関から見るとやや過大と判断されがちです。
日本政策金融公庫では「自己資金の3~4倍程度が融資の上限額の目安」と言われることが多く、300万円の自己資金であれば900~1,200万円が上限目安となります。
飲食店の開業にはどうしても1,000万円以上がかかることが多いですが、それでも自己資金があまりにも少ないと「開業後の返済リスクが高い」とみなされ、審査に落ちる原因となります。
親族やパートナーからの出資、早期からの貯蓄計画などにより、まずは自己資金を増やす方針を立てることが重要です。

4-2. 事業計画書作成のハードル

感覚的な計画では説得力が不足

飲食店は“おいしさ”や“雰囲気”が大切…しかし融資審査は数字が最優先
飲食店を成功させるうえで料理の魅力や接客サービスが大切なのは当然ですが、金融機関が融資を判断する際には、売上予測や原価計算などの数値的根拠が何より重視されます。
「店主の熱い思い」や「おしゃれな内装」などはプラス要素にはなりますが、具体的に「月間客数をどのように想定し、その根拠は何か」「何%の利益率が見込めるか」といった数字を説明できなければ、説得力に欠けると判断されるでしょう。
経験やノウハウに基づく“肌感覚”は大切ですが、それだけでは審査担当者の不安を払拭できません.

テンプレートの流用だけでは不十分

ネットでダウンロードした雛形を埋めるだけでは落とし穴が…
創業計画書のテンプレートは数多く出回っていますが、地域特性や業態特性、客単価などを反映させずに形式的に記入すると、実際の運営状況と数字が乖離しやすくなります。
たとえば地方の住宅街と、都心部のオフィス街では「客単価」「回転率」「ピークタイムの時間帯」がまったく異なるはずなのに、雛形通りの想定で書いてしまうとリアリティがありません。
計画書を作成する際は、自身の店舗コンセプトや立地、競合状況などにあわせたオリジナルの数値根拠を盛り込む必要があります。

4-3. 業種未経験の不安と面談での印象

経験不足への厳しい目

未経験でも「やってみたい」という思いは大事…しかし金融機関の視点は厳しい
飲食業界は調理や衛生管理、接客サービス、人事・在庫マネジメントなど多方面にわたるノウハウが必要とされます。
未経験者がいきなり大きな資金を投下して開業する場合、担当者としては「本当にこの人が開業後に店を切り盛りできるのか?」と疑問を抱きやすいのです。
そのため、未経験でも採用計画や研修制度、パートナーの存在など、経営リスクをカバーする具体的な策を示すことが重要です。

スタッフ採用・教育計画

スタッフがどのように料理・接客を学び、品質を維持するか
飲食店は人材の育成が経営を左右します。特に未経験オーナーの場合、実務をリードできる経験豊富な料理長や店長が必要となるケースが多いでしょう。
面談で「誰を料理長に据えるのか」「その人の実績や賃金はどうするのか」「オペレーションをどう回すのか」などを明確に説明できれば、「未経験だがサポート体制は整っている」と判断してもらえる可能性が高まります。

面談のプレゼン力

「創業動機」「店舗の強み」「損益分岐点」「リスク対策」などを堂々と説明できるか
日本政策金融公庫などでは、書類審査に加えて面談が実施されることが一般的です。
面談時には計画書に書かれた内容を深掘りされたり、売上不振時の対処法など突っ込んだ質問を受けることもあります。
こうした質問に対して、数字の根拠や具体的な施策をはっきりと答えられれば、「経営者としての準備ができている」と評価されやすいです。

4-4. 精神的負担や時間的制約

審査結果を待つ不安

一度審査に落ちると半年以上の空白期間が発生する
日本政策金融公庫の創業融資審査は、落ちるとすぐ再申請できるわけではありません。
多くの場合、再チャレンジまでに最低でも半年程度は待たされることがあり、その間に開業計画が大きく狂う恐れがあります。

一度の失敗で開業計画が狂う

良い物件を他のテナントに取られてしまうリスク
飲食店は立地がすべてと言っても過言ではありません。とりわけ好立地物件は常に競争が激しいため、融資審査が長引いているうちに他社に先を越されることも。

オープン時期を逃して繁忙期を失う

飲食店は季節やイベントなどの繁忙期を狙ってオープンするのが理想的です。例えば春先の新生活シーズンや年末年始に合わせたい場合、審査で時間を取られて開業時期がずれると、想定した売上や宣伝効果を得にくくなります。

こうしたトラブルやロスを最小限に抑えるためには、「一発合格」を視野に入れた入念な事前準備が不可欠です。そのためには、専門家(税理士・公認会計士・経営コンサルタントなど)のアドバイスを早期に取り入れることがとても有効です。

5. セカンドオピニオンの活用法:専門家に相談するメリット

専門家に相談するメリット

自力で融資申請をしてうまくいくケースもありますが、飲食店のように初期投資が大きく、ノウハウも幅広い業種の場合、専門家によるサポートがあるかないかで審査結果が大きく変わることがあります。特に、日本政策金融公庫は書類審査と面談を重視するため、事業計画書の完成度と面談でのプレゼンが合否を左右すると言っても過言ではありません。

5-1. 専門家(税理士・公認会計士など)ができること

事業計画書のブラッシュアップ

・売上予測や原価、人件費の算出根拠を細かくチェックし、数字に矛盾がないか修正。
・メニュー構成や立地条件から、客単価・回転率を論理的に導き出す。
・文面の表現方法を整え、審査担当者が読みやすく理解しやすい形にまとめる。

融資書類の準備・代行サポート

・見積書や許認可証の写しなど、不備があると審査が止まる書類を漏れなく準備。
・書式や提出順序をチェックし、スムーズに申請できるようコントロール。

面談対策

・過去の事例に基づき、面談でよく聞かれる質問と適切な回答例をレクチャー。
・模擬面談を行い、本番さながらの練習で自信をつける。

開業後の経営サポート

・税理士・公認会計士なら、月次決算や節税対策などの財務面サポートを継続して受けられる。
・必要に応じて追加融資の相談や経営改善アドバイスが可能。

5-2. 書類ブラッシュアップ・面談対策・書類代行サービス

書類の完成度向上

自分では気づきにくい数字の不整合や、文章表現の曖昧さを第三者目線で見直し、「説得力ある計画書」に仕上げられる。

面談の成功率UP

過去の成功事例を踏まえて、想定問答をしっかり用意すれば、難しい質問が出ても動揺せずに答えられる。

煩雑な事務作業の負担軽減

申請に必要な書類やチェックリストが多い中、専門家が事務サポートをしてくれると開業準備に専念しやすい。

5-3. 成功率UPと不安解消の具体的効果

専門家のサポートを受けた場合、融資成功率が90%を超えると謳う事務所もあるほど、結果が大きく変わることがあります。金融機関の担当者にとっては、「プロが数字を確認している計画書」かどうかで評価が変わる場合も少なくありません。さらに、「自分が見落としていたリスク」に気づかされ、開業後の経営にも役立つリスクヘッジ策を講じられるという二重のメリットもあります。

5-4. 専門家による経営全般のフォロー体制

融資審査を通して終わりではなく、開業後の経営管理こそが本番です。税理士や公認会計士は、融資サポートに加えて以下のようなアドバイスも可能です。

帳簿の付け方・キャッシュフロー管理

飲食業は日次の売上・仕入れの変動が大きく、適切な記帳と資金管理が欠かせない。

追加融資・業態転換時の相談

例えば店舗改装や新規出店など資金が再度必要になるシーンで、専門家がいると金融機関への橋渡しがスムーズ。

節税対策や補助金活用

国や自治体の補助金・助成金を活用する機会を見逃さず、税負担を最適化できる。

融資を「通すこと」だけが目的でなく、長期的に安定した経営を行うためのパートナーとして専門家と連携すると、結果として事業が大きく成長しやすくなります。

5.5. 専門家を選ぶときの比較ポイント

セカンドオピニオンを依頼するにあたっては、「税理士」「公認会計士」「経営コンサルタント」など、さまざまな専門家が候補になります。以下の表は、その特徴や得意分野を整理したものです。

5.5.1. 三者の特徴と得意分野

専門家 主な特徴 得意分野
税理士 ・税務申告や会計処理の専門家
・財務諸表や経理の整備に強み
・開業融資支援に慣れた事務所も多い
・税務申告・節税対策
・帳簿作成や月次決算など経理サポート
・融資書類の作成サポート
公認会計士 ・会計・財務のスペシャリスト
・企業監査や財務戦略、内部統制に精通
・M&AやIPOなど高度なコンサルにも対応可能
・事業計画書の精緻な分析や策定
・財務諸表の監査、内部統制
・IPOやM&Aなど将来の発展を見据えたアドバイザリー
経営コンサルタント ・経営全般の問題解決や戦略策定に特化
・マーケティングや人事戦略に精通しているケースが多い
・マーケティング戦略、集客施策
・人事・組織づくり
・業種特化型なら開業融資の支援に強い場合も

5.5.2. おすすめケースの例

✅こんな人には税理士がおすすめ

  • 日々の経理や確定申告を早めに整えたい
  • 開業融資と並行して節税の仕組みも考えたい
  • 複数店舗を見据えて定期的に数値管理したい

✅こんな人には公認会計士がおすすめ

  • 大規模な資金調達や将来的な多店舗展開・IPOを視野に入れている
  • 投資家や金融機関を納得させるため、厳密な財務分析が必要
  • M&Aや海外展開などの可能性を中長期的に検討している

✅こんな人には経営コンサルタントがおすすめ

  • 飲食店のコンセプト設計や集客施策に力を入れたい
  • スタッフ教育、オペレーション改善、人事制度設計など組織面を強化したい
  • SNSやITツール導入など、最新のマーケティングトレンドを活用したい

5.5.3. 選ぶ際のチェックポイント

  • 飲食店開業の実績や経験
    過去に飲食店の開業支援を手がけた事務所かどうか、事例・実績を確認。
  • 融資書類作成・面談対策のサポート範囲
    事業計画書だけでなく、添付書類や面談対策までフォローするか。
  • 料金体系(顧問契約・スポット契約)
    開業後も継続してサポートを受けるか、融資手続きのみを依頼するかで費用が変わる。
  • コミュニケーションのしやすさ
    相性や相談のしやすさも重要。レスポンスの速さ、オンライン対応の可否なども確認する。

6. 専門家のセカンドオピニオンと情報サイトとの違い

専門家のセカンドオピニオンと情報サイトとの違い

インターネット上には多くの情報があり、テンプレートやマニュアルも手に入ります。しかし、それらの情報はどうしても一般論や想定パターンに偏りがちで、あなたの店舗の立地特性やコンセプト、飲食経験の有無などを踏まえた細かなアドバイスは得られません.

一方で、専門家のセカンドオピニオンは「個別の事業計画」を丁寧にヒアリングし、状況やニーズに合わせてアドバイスを行います。例えば、同じラーメン店でも、ビジネス街と学生街では客単価や回転率が全く異なるので、計画書に盛り込むべき数字も大きく変わるでしょう。こうした微妙な違いを拾い上げ、具体的な改善策を提示してくれるのが専門家の大きな役割です。

7. 無料相談のご案内

専門家のセカンドオピニオン

もし、融資申請前に専門家のセカンドオピニオンを受けてみたい方は、以下のステップをご参考ください。弊社では、飲食店の創業融資に実績豊富な税理士が無料相談を承っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
※税理士業務や税務に関するご相談は、提携しているクロスポイント税理士法人がサポートいたします。

7-1. 無料セカンドオピニオン相談の流れ

  1. お問い合わせ・予約
    電話または弊社ホームページの問い合わせフォームでご連絡ください。
    「創業融資のセカンドオピニオン希望」とお伝えいただければスムーズです。
  2. 事前ヒアリングシート送付
    開業予定時期、自己資金、業態・メニューイメージなどを記入していただきます。
    当日の相談をより有意義にするため、事前情報のご提供をお願いします。
  3. 融資支援担当者との個別相談(60分程度)
    事前に作成中の事業計画書や収支シミュレーションがあればお持ちください。
    その場で改善点や不足している書類などを指摘し、アドバイスします。
  4. フィードバックと今後の方針提案
    相談内容を基に、指摘事項や修正ポイントをまとめたフィードバックを差し上げます。
    今後の融資申請サポートプランや開業後の顧問契約などをご希望の場合も、無理な勧誘は行いませんのでご安心ください.

7-2. 無料相談で得られるメリット

専門家による無料セカンドオピニオン相談を利用することで、単に融資の可否を占うだけでなく、事業全体の計画・運営をより盤石なものに仕上げるチャンスを得られます。特に、日本政策金融公庫からの創業融資を目指す方には、以下のようなメリットが期待できます。

  1. 1. 計画のブラッシュアップポイントが明確になる

    「どの数字の根拠が薄いか」がはっきり分かる
    事業計画書の売上予測が、近隣の競合状況や客単価の設定と矛盾していないか、専門家が客観的にチェックします。たとえば、昼間のビジネス街でカフェをやるならば「ビジネスパーソンの客層は何人くらいで、どれくらいの滞在時間なのか?」など、実態に即した根拠を求められます。

    原価・人件費・家賃などコスト項目の整合性
    飲食店の場合、食材の原価率や人件費、家賃・光熱費の水準が“だいたいどれくらいか”を専門家が知っているため、計画書に記載された数字が相場とかけ離れていないかを精査してくれます。コスト設定が甘いと、開業後すぐにキャッシュフローが行き詰まる原因になりかねません.

    事業の進捗や経営環境の変化に合わせた見直しの提案
    初めて開業する場合は、今後の事業環境や業務フローをすべてシミュレーションするのは難しいもの。専門家の視点を借りることで、「この季節には売上が落ちやすい」「こういう施策を打たないと固定客がつかない」といった注意点が明確になり、計画書のどこを修正すべきかが分かりやすくなります。

  2. 2. 専門家の客観的評価で自信を持てる

    「今の計画書はどのくらい完成度が高いのか?」
    「この部分はしっかりできている」という肯定的なフィードバック

    一人で計画を作っていると、何が正しいのか分からなくなってくるものです。専門家が客観的に見て「ここは問題ない」「このアピールポイントは良い」といった言葉をもらえるだけで、面談時の心強さが大きく変わってきます。

    「ここを調整すれば審査通過率が上がる」という具体的なアドバイス
    たとえば、「立地の市場調査をもう少し詳しくして数字の裏付けを強化すると、担当者への説得力が増す」「自己資金があと50万円あれば、融資上限枠に近づける」など、すぐに実行できる改善案を提示してもらえる可能性があります。
    特に面談時に突っ込まれやすい項目(売上根拠や人件費の見込みなど)について、「こう答えると納得感が高い」「こういう書類を添付すると信頼度が増す」という実務的なノウハウを得られるのは非常に大きなメリットです。

    経験者が見る“成功パターン”との比較
    専門家はさまざまな飲食店の開業支援を行っているケースが多いため、成功事例や失敗事例を豊富に知っています。自分の計画が他の事例と比べてどの程度完成度が高いのか、どこに共通点や相違点があるのかを教えてもらうことで、計画の全体像を客観的に捉えやすくなります。

3. 経営全般のヒントが得られる

  • 融資だけでなく、開業後を見据えたアドバイス

  • キャッシュフロー管理や追加融資の相談
    飲食店は売上が日々変動するうえ、初期の赤字を乗り越えるためにはキャッシュフロー管理が重要になります。

    専門家は融資審査に必要な書類の作成だけでなく、開業後の資金繰りに関するアドバイスも可能。
    新規出店や追加設備投資が必要になったとき、どのタイミングで追加融資を検討すべきかについても、過去の事例を踏まえて教えてくれます。

  • 節税対策や補助金の活用
    開業後は税務申告や節税対策といった問題も不可避です。

    税理士や公認会計士などの専門家に相談すれば、「どのタイミングで法人化すると税制メリットが大きいか」「どの補助金・助成金が使えるか」といった情報を得られる可能性があります。
    長い目で見れば、適切な節税や補助金活用によって資金繰りに余裕を生み出し、追加投資や新メニュー開発に資金を回せるなど、経営の幅が広がるメリットが大きいです。

  • 経営ノウハウの共有によるリスク低減
    飲食店は、メニュー設計、スタッフ教育、集客施策など多岐にわたる経営ノウハウを必要とします。専門家が他のクライアントをサポートした経験から得た知見や、業界の最新動向をシェアしてもらうことで、初めての開業でもリスクを最小限に抑えられます。

    例えば「新メニューの開発にかけるタイミング」「SNS活用で集客を伸ばした事例」など、融資とは直接関係ない部分のアドバイスも受けられるため、総合的に経営力がアップします。

おわりに

飲食店を開業するためには、まず高額な初期費用と十分な運転資金を確保する必要があります。料理に使用する調理器具や内装工事、店舗物件の契約費用など、一度にまとまった資金が出ていくため、自己資金だけではまかないきれないケースが少なくありません。そのため、多くの方にとっては金融機関からの融資の利用がほぼ必須となります。しかし、特に飲食業は「高リスク業種」とみなされやすく、審査のハードルがどうしても高めに設定されています。万一、融資の審査で落ちてしまうと、開業計画が大幅に遅れたり、最悪の場合は計画自体が頓挫してしまう恐れもあるため、慎重に準備を進める必要があります。

こうした状況において、日本政策金融公庫の創業融資は、新規開業者にとっては非常に心強い選択肢です。政府系金融機関という安心感があるうえに、比較的柔軟に対応してもらえるケースが多いとされています。ただし、当然ながら誰でも容易に融資を受けられるわけではなく、事業計画書や資金繰り表など、提出書類の内容が大きく評価されます。また、面談におけるプレゼンテーション能力も求められるため、しっかりとした準備と対策が必要です。

ここで大きな助けとなるのが、税理士や公認会計士などの専門家からセカンドオピニオンを得ることです。自分ひとりで作成した事業計画書は、作成者本人の視点に偏りがちなため、第三者のプロの目線を入れることで、計画の不備や改善点を客観的に洗い出すことができます。結果として、一度の審査で合格を勝ち取れる可能性が上がり、開業準備期間を無駄に延ばすリスクを減らすことにつながります。

さらに、専門家と顧問契約を結んでおけば、開業後の経理・税務、追加融資の際の相談など、継続的な支援を受けられるメリットも見逃せません。飲食店を運営していく上では、季節変動や仕入れ価格の変化、スタッフの雇用などで日々多くの経営判断が求められます。こうした場面で適切なアドバイスを得られることは、経営の安定化に大いに役立つでしょう。

もし「飲食店を始めたいが、資金繰りで失敗したくない」「融資の審査に落ちるリスクをできるだけ回避したい」という思いがあるなら、まずは専門家の無料相談を活用してみることをおすすめします。ネットや書籍だけでは得られない、実際の融資成功事例やプロのノウハウを直接聞ける貴重な機会です。時間や労力を投資する価値は十分にあるはずで、その結果、開業計画が一気に前進し、夢の店舗オープンへの道筋がより明確になることでしょう。万全な準備を整えて、思い描いた理想の飲食店を実現させてください。

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本記事を読んで「もう少し詳しいアドバイスを聞いてみたい」「自分の事業計画が妥当か客観的に見てもらいたい」と思われた方は、下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。経験豊富な税理士・公認会計士が無料でお話を伺い、あなたの飲食店開業に向けた創業融資の成功率を高めるためのポイントをアドバイスいたします。
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