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コラム

【開業事例】51歳、これが最後のチャンス。安定と引き換えに手に入れた「最高の朝」とは

30年近く、飲食業界の最前線を走り続けてきた。人気イタリアンチェーンでは店舗開発責任者として活躍。誰もが羨むようなキャリア。しかし、その胸には常にひとつの”もや”がかかっていた。「これは、自分の料理じゃない」。50歳を目前に控え、心の声は日に日に大きくなっていく。

「このままで、俺の人生は終わるのか?」
これは、安定した未来を手放し、人生最後の挑戦にすべてを懸けた一人の料理人の物語。家族の支え、乗り越えた資金の壁、そしてオープン初日に流した涙。独立を夢見るすべての同業者に、彼の生き様が熱いエールを贈る。

プロフィール & 店舗紹介

 

吉田 勝彦(よしだ かつひこ)さん(51歳)

調理師学校を卒業後、ホテルや個人経営のレストランで腕を磨く。その後、人気イタリアンチェーンに15年間勤務。料理長、店長、スーパーバイザー、店舗開発責任者を歴任し、会社の成長を牽引。2024年12月に退職し、独立。

トラットリア クラフト

2025年7月7日、東京都千代田区にオープン。会社員時代に培ったレシピをベースに、一品一品に”もう一手間”を加えた、吉田さんならではの心のこもったイタリアンを提供。オープンからわずか1ヶ月で、早くも地域住民の憩いの場となっている。

理想のキャリア、でも心は晴れなくて。

「正直、会社員時代の待遇に大きな不満はなかったんです。店舗開発の責任者として、新しい店がオープンする指揮を執る。それなりに偉そうな立場で、忙しく働けていましたから」

穏やかな笑みでそう語り始めた吉田さん。30年近くに及ぶ彼の飲食人生は、順風満帆そのものに見えた。調理師学校を卒業後、料理人としてキャリアをスタート。2社の大手飲食企業で15年ずつ、計30年。料理長から店長、複数店舗を統括するスーパーバイザー、そして新店舗の立ち上げを一手に担う店舗開発責任者へ。そのキャリアは、飲食業界で働く多くの料理人が理想とする道筋だったかもしれない。

「社長からは『全部できるようになってほしい』と言われていました。若い頃は、その方が使い勝手がいいだろうと自分でも理解しながら、がむしゃらに働きましたね。料理もやりながら店長業務もこなす。気づけば、会社の成長に欠かせないポジションを任されるようになっていました」

彼が開発を手掛けた店舗は、SNSで話題沸騰。TikTokで見ない日はないほどの人気店へと成長した。しかし、会社の歯車として大きな成果を出す一方で、吉田さんの心の中には、ひとつの小さな、しかし消えることのない想いが燻っていた。

「結局、自分が作っているものは会社のレシピ。もちろん、人気メニューを開発した自負はあります。でも、どこかで『これは自分の料理じゃない』という感覚が常にありました。もっと手を加えれば、もっと美味しくなるのに。そんな想いを押し殺しながら、効率や数字を追いかける日々。心のどこかで、物足りなさを感じていたんだと思います」

「今やらなければ、一生ない」50歳、最後の挑戦状

若い頃、漠然と「30歳くらいで自分の店を持つんだろうな」と思っていた。しかし、結婚し、子供が生まれ、責任ある立場を任されるうちに、独立の夢はいつしか心の奥底にしまい込んでいた。

「30代の頃、一度だけ妻に『独立したい』と話したことがあるんです。でも、軽く反対されたら『まあ、そうだよな』って、すぐに諦めてしまって。それ以来、独立のことは考えないようにしていたのかもしれません」

そんな吉田さんに転機が訪れたのは、50歳を過ぎた頃だった。ふと、自分の人生の残り時間を意識した瞬間、心の奥底にしまい込んでいた夢が、抑えきれないほどの熱量で蘇ってきた。


「この50代前半でやらなかったら、もう一生やらないな、と。自分の店を持つことなく、このまま会社員として終わるんだなと思った時、急にスイッチが入ったんです。もうやるしかない、と」

それは、焦りにも似た強い衝動だった。幸いにも、二人の子供は成人し、孫もいる。住宅ローンも終わりが見えていた。30代の頃とは状況が違う。家族にかかる金銭的な負担が少なくなった今が、最後のチャンスだと直感した。

「今回は、妻は何も言いませんでした。『使ったお金は返してね』くらいで(笑)。それが逆に、覚悟を決めさせてくれましたね」

長い間、心の奥にしまい込んでいた夢の扉が、ついに開かれた瞬間だった。

たった一人、暗闇で手探りした2ヶ月間。

「よし、やるぞ!」と決意したものの、独立への道は想像以上に険しいものだった。会社員時代は、物件が決まれば部下に指示を出すだけだった。しかし、今は違う。事業計画、資金調達、物件探し、内装業者との打ち合わせ、メニュー開発、仕入れ先の確保…。すべてを、たった一人で進めなければならない。

「やり始めると、やらなきゃいけないことが無限にあることに気づくんです。時間がどんどん過ぎていくのに、物事が一向に進んでいない感覚。特に苦労したのが、お金のことでした」

吉田さんはまず、自分で事業計画書を作成し、日本政策金融公庫の窓口へ向かった。しかし、担当者と話すうちに「こんな簡単なものでいいはずがない」と、自分の準備の甘さを痛感する。融資が受けられなければ、夢への扉は固く閉ざされてしまう。

そんな焦りの中、追い打ちをかけるような出来事が起こる。やっとの思いで見つけた理想の物件が、融資の決定を待ってくれなかったのだ。


「融資が下りる前に、物件の契約金として手持ちの自己資金から400万円近くを支払わなければなりませんでした。あれが一番不安でしたね。『これで融資が受けられなかったら、すべて終わりだ』って。お金を払ってから融資が実行されるまでの約2ヶ月間、毎日『大丈夫かな…』と、生きた心地がしませんでした」

会社員としての安定した日々から一転、たった一人、先の見えない暗闇を手探りで進むような、孤独で不安な日々だった。

暗闇に差し込んだ一筋の光、「REDISH開業」との出会い

「もう、一人では限界かもしれない」

そんな弱気が心をよぎった時、吉田さんはインターネットの物件検索サイトで偶然「REDISH開業」の広告を目にする。藁にもすがる思いで、まずは無料相談のドアを叩いた。

「融資のことが一番の不安だと伝えました。自分で作った事業計画書を見てもらい、何が足りないのか、どうすれば融資担当者を納得させられるのか、的確なアドバイスをもらえたんです。その時、『これはお金を払ってでも、専門家の力を借りるべきだ』と直感しました。考える時間と、何より精神的な安心をお金で買えるなら、安い投資だと思ったんです」

REDISH開業のサポートを受け、事業計画書は見違えるように具体的で説得力のあるものに生まれ変わった。それは、吉田さんの30年の経験と、これから描く店の未来が、数字と情熱の両面から力強く表現された、まさに「夢の設計図」だった。

「本当に助かりました。リディッシュさんのおかげでできた計画書は、その後の追加融資の際にも役立ったんです。千代田区の創業融資制度を利用した時も、この計画書があったから500万円をスムーズに借りることができました。もし一人でやっていたら、と考えると…正直、ぞっとしますね」

融資実行を待つ不安な2ヶ月間も、担当者の「うちのサービスを使っている方は90%以上通りますから」という心強い言葉が、吉田さんの心を支え続けた。REDDISH開業は、単なるコンサルティングサービスではなく、孤独な挑戦者にとって、初めてできた「本音で話せる味方」だったのかもしれない。

開業までの道のり(タイムライン)

2024年11月
独立を決意
物件探しと情報収集を開始。
2024年12月
会社退職
30年間勤めた会社を退職。
2025年1月
融資サポート相談
REDISH開業に融資サポートを相談。事業計画書の作成に着手。
2025年3月
物件契約を締結
2025年4月
融資申込み・内装工事開始
日本政策金融公庫に融資を申込み。内装工事がスタート。
2025年6月
融資決定・実行
日本政策金融公庫からの融資(1,500万円)が決定・実行。
2025年7月7日
グランドオープン
「トラットリア クラフト」グランドオープン!
2025年8月
追加融資
千代田区の制度融資で追加融資(500万円)を受ける。

オープン初日、見慣れた厨房が”自分の城”に変わった。

数々の不安と苦労を乗り越え、2025年7月7日、七夕の夜。「トラットリア クラフト」はついにオープンの日を迎えた。工事期間中、店の前で声をかけてくれた近所の人々。内装を手がけてくれた高校の同級生。そして、陰で支え続けてくれた家族。たくさんの人々の想いが、この小さな店には詰まっていた。

「開店準備は本当に大変でした。でも、オープンしてお客様が『美味しいね』と言ってくれる顔を見ると、すべての苦労が吹き飛びますね。嬉しい、というよりも、ホッとする感覚に近いかもしれません。忙しさが喜びを上回ってしまうこともありますが(笑)」

30年間、立ち続けてきた厨房。しかし、今、目の前に広がる光景はまったく違う。すべての責任を負う厳しさと、すべてを自分の采配で決められる自由。見慣れたはずの厨房が、初めて”自分の城”になったと感じた。

「会社員時代は、どこか無責任だったのかもしれません。責任者という立場でありながら、結局は『会社の看板』に守られていた。今は、良くも悪くもすべてが自分に返ってくる。その厳しさが、逆に心地良いんです。想像の何倍も大変でしたけど、この日常を手に入れて、後悔は一切ありません」

「朝の空気が違うんです」会社員時代と独立後の決定的な違い

独立して、何が一番変わったか。そう尋ねると、吉田さんは少し考えてから、満面の笑みでこう答えた。


「朝の寝起きが、全然違うんです。会社員の頃は『今日も仕事か、面倒だな』って、だるい気持ちで家を出る日もありました。でも今は、どんなに疲れていても、朝が気持ちいい。店の近くの靖国神社を通って出勤するんですが、その道のりがすごく清々しいんです」

自分の店のシャッターを開け、看板を出す。その一つひとつの行為が、喜びと誇りに満ちている。会社員時代には決して感じることのできなかった、確かな手応えがそこにはあった。

迷っている仲間へ。51歳の僕から伝えたいこと。

インタビューの最後に、かつての自分のように独立に踏み出せないでいる同業者へ向けて、メッセージをもらった。

「もし、やりたいという気持ちがあるなら、絶対にやった方がいい。僕みたいに頭でっかちになって、やらない理由を探し始めると、どんどん動けなくなりますから。特に、結婚する前の若い子なら、失うものは何もない。失敗したって、いくらでもやり直せる」

では、自分と同じように、50代で迷っている人には?

「同年代でやりたいと思っている人がいたら、ぜひ挑戦してほしいですね。日常が劇的に変わるわけじゃない。でも、自分の店の前に立った時の気持ち、看板を見た時の嬉しさ、そういう小さな感動が毎日ある。それだけで、人生の質はまったく変わると思います」

吉田さんの言葉には、安定を捨ててでも掴み取った者だけが持つ、確かな実感がこもっていた。

「独立すること自体は、お金の問題さえクリアできれば、誰にでもできます。僕にできたんですから、大したことじゃない。本当に大変なのは、それを続けていくこと。一生の仕事として、本気で向き合えるか。その覚悟さえあれば、きっと道は開けるはずです」

もし、あなたがかつての吉田さんのように、今の仕事に違和感を抱きながらも、最初の一歩を踏み出せずにいるのなら。もし、資金や事業計画という高い壁を前に、一人で途方に暮れているのなら。

まずは、その胸の内を誰かに話してみませんか。あなたの夢を「現実」に変えるための、最初の一歩がそこにあります。

あなたの「夢の設計図」、一緒に描きませんか?

「もし、REDISH開業に相談していなかったら…」
「もし、あのまま一人でやっていたら…」
吉田さんの挑戦は、信頼できるパートナーとの出会いによって、現実のものとなりました。
飲食店の開業は、決して一人で戦うものではありません。
事業計画、融資、物件探し、内装、税務…
あなたが抱える不安や課題を、私たち「REDDISH開業」がすべて解決します。
まずは、あなたの熱い想いを聞かせてください。

※初回相談は無料。無理な営業は一切いたしません。