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コラム

数字だけでは足りない。現場感覚と共に考える開業準備

不安を整理して、前向きに開業を進めるための話

こんにちは。
REDISHで開業サポートを担当しているYです。
今日は、実際に私たちが伴走した事例をもとに、開業を検討されていたご依頼主様が、どんな不安を抱えながら準備を進めていたのかを、少しだけお話ししたいと思います。

創業融資368万円、自己資金150万円で開業を考える。席数15席、ランチ客単価800円、ディナー2,500円で月商57.7万円を目標に計算を進めるけれど、数字は見えても、本当に現場で回るのか、売上は安定するのかはまだ手探りの状態でした。隣接する理容室の待ち時間をターゲットにした「待ちカフェ」というコンセプトは、数字上では成立していても、地域連携や回転率、実際の客層の動きまで予測するのは簡単ではありません。

さらに、初期投資518万円の配分も悩みの種でした。厨房器具や内装、家具、運転資金をどの順番で整えるのが効率的か、どこまで融資で賄い、どれだけ自己資金を残すか。頭では計算できても、実際に手元にお金が動く感覚が掴めず、少し焦りを感じる瞬間もあったと伺っています。

そんな中でREDISHのサポートは、単なる数字の整理だけでなく、仮説シナリオを複数作って比較したり、地域環境や競合状況と照らし合わせたりする伴走を提供しました。結果として、数字の裏付けと現場感覚を少しずつ結びつけられるようになり、「この条件なら、現実的に見通せそうかも」と思える瞬間が生まれたそうです。

ここからは、実際に私たちがどのようなサポートを行い、どんな迷いや判断のポイントがあったのかを、一緒に見ていきましょう。

また、売上や融資額、資金配分など、もう少し具体的な数値や計画の詳細については、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。
【創業融資368万円】母のレシピと地域連携を武器に! 待ち時間を豊かにする「待ちカフェ」
https://redish.jp/columns/example_015/

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

数字の整理と迷い

シミュレーションを重ねて少しずつ見えてくる、“現場のリアル”

開業準備で最初に向き合うのは、やはり資金計画でした。今回の事業計画では、初期投資総額が518万円という試算になっていました。これは、厨房機器、家具・什器、内装工事、運転資金などを合わせた数字です。自己資金150万円と、日本政策金融公庫からの創業融資368万円でこの資金調達を考えていましたが、どこにどれだけ配分するかを決めるのが簡単ではありませんでした。

例えば、厨房機器への投資は141万円、内装工事が140万円、家具や什器が185万円と試算されています。また、運転資金として商品仕入れや諸経費、光熱費の準備も必要で、合計すると大きな金額になります。これらを「現場でどう使うか」「予想外の出費にどう対応するか」を考えると、数字の前提条件を整理するだけでも迷いが生じました。

数字の一つひとつは確定値ではありません。売上予測や利益計画も、ランチやディナーの回転数、客単価などを前提条件として組み立てていますが、客数や地域の需要が想定通りになるかは分からない要素として残ります。たとえば月次の売上高は46.8万円、月次利益は20.4万円という想定ですが、これは席数15席でランチ・ディナーそれぞれの回転数を前提にしています。

こうした状況では、数字だけでは安心できない部分もあります。そこでREDISHでは、単に数字を並べるだけでなく、数字の裏にある前提や仮説を整理し、複数のシミュレーションを一緒に作るサポートを行いました。具体的には、客単価や回転率を変えた場合の売上パターンや、原価率・経費構造の影響を条件として比較することで、どの程度の変動なら耐えられるかを確認していきました。

このように複数のシナリオを見ながら進めることで、「今の前提条件であれば、ある程度現実的な運営のイメージが持てるかもしれない」という感覚が少しずつ生まれていきました。

項目 金額(万円) 備考・ポイント
自己資金 150 初期投資の一部に充当、残額は運転資金として確保
融資申請額 368 日本政策金融公庫 国民生活事業を想定
店舗内装 140 居抜き活用で費用抑制、コンセプトに合致
厨房機器 141 メニュー品質を支える設備、席数15席に適正
家具・什器 185 客席・作業動線を考慮、初期投資の大きな割合
運転資金 52 商品仕入れ、光熱費、広告費、諸経費含む
月次売上(想定) 46.8 ランチ・ディナーの回転率を前提に計算
月次利益(想定) 20.4 原価率25%、固定費考慮のシミュレーション
損益分岐点 35.9 月商ベース、開業1ヶ月目を想定

立地の強みと不安

条件は恵まれても、数字通りに人が来るか

自社ビル敷地内で家賃0円、隣に人気理容室──条件だけ見れば非常に恵まれた環境です。しかし、現実の集客が想定通りになる保証はなく、数字だけでは不安が拭えないという声もありました。席数15席、ランチ回転数2.5回、ディナー回転数2回というのはあくまでモデルケースで、実際の地域の客層や動線、曜日ごとの波をどう見込むかは手探りです。

実際、依頼主様は「数字上は成立しているけれど、隣の理容室の待ち客が本当に来てくれるか分からない」「朝から通し営業しても、お客さんの動き次第で売上が大きく変わるのではないか」と不安を感じていたそうです。また、「地域の人たちが持ち込みOKや連携の提案にどれだけ応じてくれるかも未知数」と話していました。

REDISHでは、こうした立地条件や競合環境を数値だけでなく現場感覚と結びつけながら整理するサポートを提供しました。理容室の待ち客の流れや周辺の住宅街の来訪パターンをシミュレーションし、「この立地ならどの程度の集客が現実的か」を数字と照らし合わせて検討。複数のシナリオを並べることで、数字上の理想と現実感覚のギャップを少しずつ把握できるようになりました。

その過程で、恵まれた条件が逆に期待値を上げすぎてしまう不安を整理でき、次の資金計画や販促戦略の検討に生かす基盤にもなりました。依頼主様も「数字だけで考えていたときより、少し落ち着いて具体的なイメージが湧くようになった」と話していました。

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初期投資と資金配分

数字だけでは見えない、投資の優先順位の迷い

厨房器具や内装費を含めた初期投資466万円は、必要性と効率のバランスで悩む部分でした。自己所有のテナントで家賃0円という恵まれた条件だからこそ、「どこにいくら投資するのが適切か」「融資でどこまで賄い、自己資金をどれだけ残すか」といった判断は、頭では計算できても現場感覚がつかみにくい状況です。

依頼主様も「厨房機器は必要だけれど、内装や家具にどれだけお金をかけるべきか迷う」「運転資金を十分に残しておかないと、開業直後の不安が大きい」と話していました。特に、限られた自己資金をどう振り分けるかは、毎晩眠る前に計算を繰り返すほどの悩みだったそうです。

REDISHでは、内装費・厨房設備・運転資金の各項目について、妥当性や優先順位を一緒に整理し、融資審査官が重視するポイントを意識した計画作りの伴走を行いました。具体的には、「どの設備がメニューの品質や回転率に直結するか」「内装費は顧客体験やブランディングにどこまで影響するか」といった視点で検討を重ねました。

その結果、単なる数字の並びではなく、「根拠を持って投資を判断できる状態」に整理でき、依頼主様も「これなら計画に自信を持って進められそう」と安心感を持たれたそうです。

初期投資の内訳と優先順位(例)
項目 金額(万円) 優先度 考慮ポイント REDISHでの整理ポイント
厨房設備 141 メニューの品質維持・調理効率 必要性を重視、最初に整える
内装工事 140 顧客体験・店の雰囲気 最低限の落ち着ける空間を確保
家具・備品 185 低〜中 快適性・利便性 必要度と予算のバランスを調整
運転資金 52 食材仕入・経費支払い用 開業直後のキャッシュフローに余裕を確保

月次収支計画の迷い

数字は見えるけれど、現場の変動はまだ手探り

開業2ヶ月目の売上目標は46.8万円、月次利益は20.4万円。水道光熱費は8万円、広告宣伝費9千円、消耗品費1.2万円。損益分岐点は35.9万円と計算上は見えても、実際の客数や回転率が想定通りになるかどうかは不透明です。例えば、ランチが少し閑散になったり、ディナーの予約が途切れたりしただけで、月の利益は大きく変動することもあります。

依頼主様も「数字上は利益が出るはずなのに、現場で本当に黒字になるかイメージが湧かない」と、夜遅くまで頭の中でシミュレーションを繰り返していました。損益分岐点を超えれば安心、と思っても、現実には小さな変動が重なることを考えると、つい慎重になってしまうと話していました。

REDISHでは、こうした収支計画の見直しや、売上が想定より上下した場合のシナリオ作りを一緒に行いました。具体的には、「ランチが1日平均2人少なかったらどうなるか」「ディナーが満席にならない日が続いたら利益はどう変わるか」といったケースを複数作り、数字を読み替えて検討。結果として、自分の手で数字と現場感覚を照らし合わせ、どのラインまで下振れすると不安が大きくなるか、どのくらい余裕を持てば安心かが実感できるようになり、依頼主様は「少し見通しを持って判断できそう」と感じるようになりました。

項目 金額(円) 備考・想定条件
売上高 468,000 ランチ(客単価800円×8人/日×26日)+ディナー(客単価2,500円×5人/日×26日)
売上原価 117,000 売上の25%を想定
人件費 0 オーナー1名のみ(事業主分は含まず)
家賃 0 自己所有テナントのため発生なし
水道光熱費 80,000 月固定費想定
広告宣伝費 9,000 売上高対比2%
消耗品費 12,000 売上高対比2%(初月は+5,000円)
その他経費 37,000 販管費など
支払利息 9,000 融資返済に伴う利息(元利均等)
月次利益(経常利益) 204,000 売上高-総支出
損益分岐点 359,000 黒字転換ライン
飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

地域連携とターゲット

地域や来客層の動き、数字だけでは読めない不安

「待ちカフェ」という明確なコンセプトがあっても、地域との連携や来客層の動きは実際にやってみないとわからない、という不安がありました。隣接する理容室の待ち時間をターゲットにする一方で、ラーメン店や他店舗との持ち込みOK施策はどの程度効果があるのか、学生・主婦・ファミリー層の需要はどれくらい見込めるのか。数字だけでは判断しにくい部分が多く、頭の中でシミュレーションしても、「本当に成立するのか」という迷いが残る状況です。

地域の特性や過去の集客データ、類似事業の事例などをもとに、複数の来客シナリオを整理しました。たとえば、理容室待ち客だけに依存するケース、近隣住民を中心に回転させるケース、学生・ファミリー層を組み合わせるケースなど、それぞれの想定来客数や売上への影響を具体的に示すことで、「この条件ならどのくらい現実的か」という感覚を少しずつ掴むことができました。

また、数字だけでなく現場での変動や季節・曜日ごとの来客傾向、近隣店舗との相乗効果なども考慮しながら整理することで、依頼主様は自分の仮説を持ちながら計画を検討できる状態になったのです。

来客シナリオと想定人数(例)
シナリオ 主な来客層 想定客数/日 コメント
A 理容室待ち客 8名 隣接店舗の待ち時間を活用
B 近隣住民(主婦・ファミリー) 5名 ランチ需要を中心に想定
C 学生層 3名 放課後や休日の来店を見込む
D 混合 15名 全ターゲット層の合算、現実的モデル
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実務経験と現場の課題

経験はあっても、開業は未知の挑戦

ご依頼主様は居酒屋で6年間勤務し、仕込み・調理・接客の経験を積んでいました。また、陸上自衛隊の食堂で料理の基礎や衛生管理も学んでいます。しかし、開業はまったく新しい挑戦です。料理や知識があっても、資金管理や集客、販売を一人で回せるのか、安定した運営ができるのかは未知数でした。

「どんなに数字を計算しても、現場では想定外のことが起きるのでは…」という不安も強く、計画通りに進められる自信を持てない日もあったそうです。

そこで、こうした経験や知識を、具体的な計画書に落とし込み、数字と現場の接点を整理しました。どの時間帯にどのくらいの人手が必要か、売上や回転率にどんな影響が出るか、といった現場の感覚もあわせて整理することで、漠然とした不安を少しずつ可視化できるようにしたのです。

結果として、ご依頼主様は現場運営のイメージと数字の裏付けを結びつけ、計画に自信を持てる状態を得られました。これにより、初めて前向きに開業準備を進めるられる気持ちになったと伺っています。

融資面談の準備

面談前の不安を、準備で自信に変える

日本政策金融公庫での融資面談では、数字の正確さだけではなく、どう事業の背景や根拠を伝えるかというストーリーの整理も重要です。ご依頼主様は、開業に向けた資金計画や収支計画は立てていたものの、面談で質問されたときに「数字の意味をうまく伝えられるか」「想定外の質問が来たらどう答えるか」という不安を抱えていました。

特に、以下の点に迷いがあったそうです:

  • 飲食未経験で本当に融資を受けられるか
  • 初期投資を回収できる現実性
  • 競合との差別化を説得力をもって説明できるか

こうした不安を整理するために、実際の面談で評価につながった回答例を参考に、数字と背景を結びつけて整理しました

質問 回答例のポイント
飲食未経験での開業リスクをどう考えていますか? 警備会社勤務と並行して居酒屋で6年間仕込み・調理・接客の全業務経験。新規開業の立ち上げにも参画。陸上自衛隊の食堂で基礎と衛生管理も学習済みで、必要スキルを備えていることを明確に。
競合店が多い中でどのように差別化しますか? 住宅街で競合が少ないことを指摘。隣の人気理容室の待ち時間を活用する「待ちカフェ」コンセプト、母のレシピを改良した家庭料理、内装・雰囲気による差別化を具体的に説明。
初期投資が多いですが、回収見通しはどうですか? 初期投資518万円の内、融資368万円・自己資金150万円。家賃0円のためランニングコストを抑制。開業2ヶ月目の月次利益20.6万円を想定し、10年間返済計画に対して十分なキャッシュフローを確保。厨房設備への投資がメニューの品質安定とリピートに直結することを説明。

こうして準備を進めることで、数字だけでなく「自分の経験や地域特性を組み合わせて事業を説明できる」という安心感が生まれ、ご依頼主様の不安は徐々に軽減されました。面談当日は、頭の中で整理したストーリーを持ちながら、落ち着いて説明できたとのことです。

まとめ|選択肢を整理する

開業準備は、資金計画や席数、回転率、地域連携など、数字と経験、地域特性を照らし合わせて判断する連続です。REDISHの伴走を通じて、こうした複数の選択肢を整理し、最終的な答えは一つではなく、条件や優先度によって変わることを理解できるようになりました。

数字や事例を整理しながら、自分なりの判断軸を見つけるプロセスが、安心して開業の一歩を踏み出すための準備になるのです。

もし、開業準備や資金計画で迷いがある方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富なスタッフが、あなたの状況に合わせた整理と判断のサポートを提供します。

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