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一瞬のバズでは終わらない!続く店が実践するSNS戦略

こんにちは。 REDISHで開業サポートを担当している花上です。
私は、5つ星ホテルで5年間修業(神奈川・京都)し、主に婚礼料理やフレンチを担当してきました。その後、街づくり会社の飲食部門で約3年間フードディレクターとして、複数店舗や企業のメニュー開発、メニュー撮影、販促サポートなど幅広く手掛けてきました。こうした経験を通して、飲食業界における“お客様との信頼関係”の重要性を日々感じています。

近年、飲食業界におけるSNSの存在感はますます大きくなっています。InstagramやTwitter、TikTokなど、目を引く写真や動画は瞬く間に拡散され、店の認知を一気に高める力があります。しかし、SNSで「映え」を狙って一瞬話題になった店の多くは、数ヶ月も経たないうちに客足が落ち着いてしまうのも現実です。私自身、現場での経験からも「華やかな写真や動画だけでは、店の本当の魅力は伝わらない」と痛感してきました。

では、長く愛される店と、単にSNS映えするだけの店にはどんな違いがあるのでしょうか。今回は、現場の視点とSNS活用の実例を交えながら、その秘密を解説していきたいと思います。

一瞬のバズは必ずしも利益につながらない

SNSで注目を集めることは、短期的な集客効果としては確かに魅力的です。料理の盛り付けを華やかにしたり、店内の内装をフォトジェニックにしたりすることで、初めての来店客を呼び込むことは可能です。しかし、ここに大きな落とし穴があります。SNSでの期待値が高すぎると、実際に来店したときに「写真ほどではない」と感じられるリスクがあるのです。この“ギャップ”は、リピーターになってもらう上で致命的になりかねません。

特に新規客の多い飲食店では、このギャップが顕著に現れます。「写真で見たあの鮮やかな盛り付け…でも実際は量も少なく見えた」「動画では賑やかで楽しそうだったのに、現場は思ったより静かだった」という感想が、SNS上ではなく、直接スタッフに伝わる瞬間があります。このとき、せっかく来店してくれたお客様の心にわずかな不信感や失望感が生まれることも少なくありません。

現場で長く働く店員たちは、この感覚を肌で理解しています。「お客様がSNSで見たイメージと違ったときの失望感を、毎日何度も目にするんです」とある老舗カフェのスタッフは語ります。中には、数年前にSNSで話題になった期間限定メニューを見て遠方から来店したお客様が、「写真ほど華やかじゃなかった」と肩を落として帰っていった例もあるそうです。一時的な話題作りでは、店舗運営の現実に追いつけず、結果的に客の信頼を損なうことにもなりかねません。

私自身もフードディレクターとしてメニュー開発や撮影を行ってきた経験から、SNS映えだけを意識した料理や演出は、どうしても現場との乖離を生みやすいことを痛感しています。どんなに美しい写真でも、現実の体験と違うと「がっかり体験」となり、リピーターになる可能性を遠ざけてしまうのです。

続く店は「信頼維持」にSNSを使う

一方で、長く続く飲食店はSNSを“新規獲得”のための道具としてではなく、“既存客との信頼維持”のために活用しています。これは言い換えれば、SNSを通じてお客様に日々の店の様子を伝え、安心感や親親近感を持ってもらう戦略です。

たとえば、日替わりメニューや本日のおすすめ料理を投稿するだけでも、SNSは十分に力を発揮します。写真は過度に加工せず、ありのままの料理を見せる。文章も飾りすぎず、スタッフの言葉で「今日も元気に営業しています」と伝える。この地道な発信が、長期的な信頼につながるのです。

私自身、フードディレクターとして複数店舗のSNS運用をサポートしてきた経験からも、この地道な発信の重要性は身に染みて感じます。華やかな演出や派手な写真で注目を集めることは短期的には効果がありますが、長期的には「今日もあの店はちゃんとやっている」という安心感が、リピーターの心をつかむのです。

ある焼き鳥店の例:

毎日スタッフが短い動画で「今日の焼き加減」を紹介しています。特別な演出や華やかさはありませんが、常連客はその動画を見ることで「今日も店が元気に営業している」と安心できます。さらに、動画の最後にはスタッフが一言「今日も頑張ります!」と伝えるだけで、見ている人に親近感と信頼感が生まれ、結果として来店行動につながっています。

また、別のカフェでは、開店前の準備風景やスタッフがコーヒー豆を挽く様子をストーリーズで毎日更新しています。「誰が、どんな風に仕事をしているか」を見せることで、オンライン上でのコミュニケーションがリアルの来店につながり、SNS映えだけに頼らない安定した集客を実現しています。こうした「顔が見える発信」は、スタッフの個性や温かみを伝えるだけでなく、お客様に「この店なら安心して通える」と思わせる力を持っているのです。

SNS映えよりも大切な“現場との整合性”

SNSで話題になる店の中には、実際の店内や料理が写真ほど華やかでないことが多々あります。光や角度を工夫した写真や動画は、現実以上に美しく見えることがありますが、来店したお客様にとっては「写真ほどではない」と感じる瞬間が生まれます。このギャップこそが、SNS映えだけに頼る店が抱える大きなリスクです。

これに対して、長く続く店はSNSでの発信と現場のサービスにズレがありません。例えば「映える写真」を優先してメニューを変更するのではなく、あくまで日々の営業で提供している料理やサービスを基準に投稿しています。私がフードディレクターとしてサポートしたあるカフェでは、毎日のランチメニューをそのまま写真に撮り、スタッフのコメントと一緒に投稿。特別な加工や演出はほとんど行わず、「そのままの店の姿」を見せることに徹しました。その結果、来店したお客様の期待値と体験のギャップがほとんどなく、安定してリピーターが増えていったのです。

この「現場との整合性」が、店の信頼を支える重要なポイントです。お客様はSNSで期待を膨らませ、来店して実際の体験と一致したとき、初めて「この店は信用できる」と感じます。そして、その信頼は一度作られると、長期的なリピーターや口コミによる新規客獲得につながります。
また、現場の整合性は、スタッフのモチベーションにも直結します。SNS映えだけを意識した演出に追われる日々は、スタッフの負担増やし、サービス品質の低下にもつながりかねません。一方、日々の営業と同じ感覚で投稿を続ける店は、スタッフも自然体で働けるため、結果として現場の雰囲気が良くなり、それがさらにSNSを通じてお客様に伝わる好循環が生まれます。

スタッフの顔が見える発信の力

さらに、長く続く店が大切にしているのは「人の見える発信」です。スタッフの笑顔や店内でのやり取りをSNSで見せることで、店に対する親近感が生まれます。「この人たちが作っている料理だから安心」「また会いに行きたい」と思わせることが、SNS映えだけでは得られない価値です。

私が関わったあるカフェでは、毎日スタッフがコーヒーを淹れる様子や、ランチ準備中のちょっとしたやり取りを短い動画で投稿していました。特別な演出はなく、ありのままの姿です。しかし、常連のお客様からは「今日もあの人たちが元気に働いている」という安心感が伝わり、SNSを見た後に来店する行動につながっていました。こうした投稿は、一度きりの話題作りよりも、長期的な信頼を生む力があります。

飲食店は本質的に「人と人とのつながり」で成り立っています。料理やサービスの提供は、決して商品だけで完結するものではありません。SNSを通して、料理やサービスを提供する人の顔を見せることは、オンライン上の情報とオフラインでの体験を自然につなぐ重要な役割を果たします。特に新規客にとっては、初めて行く店に対する不安を和らげる効果もあります。「誰が、どんな思いで作っているのか」がわかるだけで、安心して来店できるのです。

さらに、スタッフ自身のモチベーションにも好影響があります。自分たちの働く姿や思いがSNSでお客様に伝わっていると感じられると、自然と仕事への誇りややる気が増し、そのポジティブなエネルギーがサービスの質に表れます。結果として、スタッフとお客様双方にとって心地よい循環が生まれ、店全体の信頼感をさらに高めることにつながります。

まとめ|地道な投稿の積み重ねが未来を作る

華やかなキャンペーンや一度のバズも確かに効果的ですが、それだけでは店の長期的な成功は保証されません。大切なのは、毎日地道に発信を続けることです。短期的なインパクトよりも、日々の営業の様子を丁寧に伝え、常連客との信頼を積み重ねることが、結果として安定した集客やリピーターの獲得につながります。

私自身、複数の店舗でSNS運用をサポートしてきた経験からも、地道な発信の積み重ねが店の価値を作ることを痛感しています。例えば、毎日「本日のおすすめ」やスタッフの一言を投稿し続けるだけでも、数ヶ月後には常連客が自然と増え、投稿を見た新規客の来店にもつながります。一度のバズや派手なキャンペーンでは得られない、日々の安心感や信頼感が、店の未来を形作るのです。

SNSはもはや単なる広告ツールではなく、店の信頼や安心感を届けるコミュニケーションの場です。写真の美しさよりも、料理の味よりも、まず「この店は今日もちゃんと営業している」という安心感を届けること。そこには、スタッフの顔や声、店の空気感まで含まれます。この小さな積み重ねが、来店を迷っている人の背中を押す力となり、長期的なファンを生むのです。

つまり、飲食店がSNSを通じて生き残り、長く愛されるための最大の秘訣は、「映える瞬間」を追うことではなく、「毎日のリアルを丁寧に伝え続けること」にあります。SNSは決して特別な演出や一瞬の注目のための道具ではなく、現場とお客様をつなぐ信頼の架け橋なのです。

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