Column

コラム

「本当に儲かる?」を数字で証明。未経験から始めたキッチンカー開業の話

こんにちは。
REDISHで開業サポートを担当しているYです。
飲食店の開業を検討されている方から、よくこんなご相談をいただきます。

「本当にやっていけるのか不安…」
「融資って通るものなんでしょうか?」
「キッチンカーって手軽そうだけど、実際はどうなんですか?」

今回ご紹介するご依頼主様も、まさに同じような不安を抱えながら、開業準備を進めていました。
ですが、その不安の多くは“感覚”ではなく、数字で分解し、計画に落とし込むことで解消できるものです。
実際にこの事例では、

  • 開業からわずか半年で月商156万円・利益64万円を達成
  • 創業融資600万円の調達にも成功

と、着実に成果につながっています。
本記事では、飲食店開業サポートを行う立場から、
ご依頼主様がどんな不安を抱え、それをどのように数字と計画で乗り越えていったのかを、実際の資金計画や収支シミュレーションをもとに解説していきます。
ここからは、実際に私たちがどのようなサポートを行い、どんな迷いや判断のポイントがあったのかを、一緒に見ていきましょう。
また、売上や融資額、資金配分など、より具体的な数値や計画の詳細については、こちらのコラムで詳しくご紹介しています。
【創業融資600万円】WEBマーケ実績と想いで実現した、米粉ワッフル専門キッチンカーの成功事例
https://redish.jp/columns/example_039/

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

不安①「本当に売上は立つのか?」

開業前、最も大きかった不安が「売上の再現性」でした。
キッチンカーは場所によって売上が大きく変わるため、
「良い日もあれば、全く売れない日もあるのでは?」という懸念を持たれていました。
そこで私たちが行ったのは、“感覚ではなく分解による売上設計”です。
今回の事例では、売上を以下のように分解しています。

  • 客単価:600円
  • 来客数:1日100人
  • 営業日数:月26日
  • → 月商:156万円

この数字だけ見るとシンプルですが、重要なのはその“内訳”と“根拠”です。
例えば客単価600円は、

  • ワッフル単品:400〜500円
  • ドリンクセット:600〜700円

という価格設計から、「単品+ドリンクの一定比率」を前提に算出しています。
また来客数100人も、

  • 平日昼:40人(オフィス・大学)
  • 平日夕方:30人(駅前・商業施設)
  • 週末:150人(公園・イベント)

といった形で、時間帯×立地ごとに分解し、それぞれの人流と購買動機に基づいて積み上げています。
さらにここでは、
・その場所に1日どれくらい人がいるのか
・そのうち何%が購入に至るのか
・回転率や提供スピードで対応可能か
といった点まで細かく検証しています。
つまり、「100人来てほしい」ではなく、「「この場所ならこの条件で100人は現実的に狙える」という状態をつくっているのです。
これにより、「なんとなく売れる」ではなく、“どこで・誰に・どれだけ売るか”が明確な状態になりました。
そしてもう一つ重要なのは、この設計が検証・改善できることです。
実際の営業が始まれば、
・想定より人が多い場所
・購入率が高い時間帯
・売れやすい商品構成
などのデータが蓄積されていきます。そのデータをもとに出店場所や時間帯を調整することで、売上は“運”ではなくコントロール可能なものに近づいていきます。
このように、開業前の段階で売上を分解し、さらに改善前提で設計しておくことが、不安を解消する大きなポイントとなりました。

不安②「赤字にならないか?」

次に大きかったのが、「ちゃんと利益が残るのか?」という不安です。
飲食業は売上が立っても、原価や固定費で利益が残らないケースも多いため、ここは特に慎重にシミュレーションを行いました。
実際の収支は以下の通りです。

  • 売上:156万円
  • 原価:47万円(約30%)
  • 人件費:20万円
  • 家賃:15万円
  • その他経費:10万円
  • → 営業利益:64万円

この設計で重要なのは、単に利益額ではなく、“どの条件でも崩れにくい収支構造になっているか”という点です。

■ 利益が残る構造をどう作ったか

まずポイントになるのが、原価率のコントロールです。本事例では約30%に設定していますが、
・主力商品(ワッフル)は高粗利設計
・ドリンクでさらに利益率を補強
・メニュー数を絞り、ロスを最小化
といった設計により、安定して利益が出る構成にしています。
また、人件費についても、
・オーナー+家族の2名体制
・オペレーションをシンプル化(焼成+提供のみ)
にすることで、売上に対して過剰な人件費が発生しない設計にしています。

■ 赤字になりにくい理由は「固定費」にある

この設計で最も重要なのは、固定費の低さです。
・店舗を持たない(家賃15万円のみ)
・人員を最小限に抑える(2名体制)
・場所代は売上連動(約10%)
つまり、固定で出ていくコストを極限まで抑え、売上に応じて変動するコスト比率を高めているのがポイントです。これにより、売上が落ちた場合でも、
・原価は比例して下がる
・場所代も比例して下がる
ため、一気に赤字が膨らむ構造にならないように設計されています。

■ 最悪のケースでも耐えられるか?

さらに重要なのが、「もし売上が想定を下回ったらどうなるか?」という視点です。本計画では、
・損益分岐点:月商 約43万円
と設定されており、比較的低いラインで黒字化が可能です。仮に売上が半分の約78万円だった場合でも、
・原価・場所代は連動して減少
・固定費は最低限に抑制済み
のため、大きな赤字にはなりにくい構造になっています。また、開業初期はあえて▲5万円程度の赤字を許容する設計とし、
・運転資金の確保(約140万円)
・認知拡大期間としての位置付け
を明確にしています。つまり、「絶対に赤字を出さない計画」ではなく、“赤字になっても耐えられる計画”を先に作っているのです。このように、利益を出すための設計、赤字にならないための設計、赤字になった場合の耐性設計、この3つを事前に数値で整理することで、「なんとなく不安」だった状態から、リスクをコントロールできる状態へと変えていきました。

不安③「融資は通るのか?」

もう一つ大きな壁が「融資審査」です。特に今回のケースでは、
・飲食未経験
・キッチンカー(廃業率が高いと言われる業態)
という点から、「本当に通るのか?」という不安を強く持たれていました。しかし結果として、600万円の融資に成功しています。ここで重要なのは、「特別な経歴があったから通った」のではなく、“審査されるポイントを押さえた計画になっていた”ことです。
金融機関が見ているのはシンプルで、「この人は、借りたお金をきちんと返せるか?」この一点に集約されます。その判断材料として評価されたポイントは、大きく3つです。

① 売上の根拠が明確だったこと
単なる「希望」ではなく、客単価、来客数、出店場所がロジカルに紐づいていたため、再現性のある計画として評価されました。さらに、なぜその場所で売れるのか、なぜその人数が来るのか、どのくらいの確率で購入につながるのかといった“プロセス”まで説明できていたことがポイントです。つまり、「売上が出そう」ではなく、「この条件ならこの売上になる」と説明できる状態が評価につながりました。

② 強み(WEBマーケ)の活用
多くのキッチンカーは立地依存ですが、本事例ではSNSを活用した集客導線を設計しています。Instagramでの導線設計、出店情報の発信による来店動機の創出、ビジュアル訴求による拡散設計といった具体的な施策を組み込み、「なぜお客様が来るのか?」に対して、手段レベルで説明できる状態を作りました。前職でのWEBマーケティング経験があったことで、再現性がある、自分で実行できるという点も評価されています。これは裏を返すと、飲食経験がなくても、“集客の再現性”を証明できれば評価されるということでもあります。

③ 運転資金をしっかり確保していたこと
初期投資だけでなく、売上が安定するまでの生活費、材料費の予備資金、想定外に備えたバッファを含めて計画していたため、“途中で資金ショートしない計画”として信頼性が高まりました。特に金融機関が懸念するのは、「開業後すぐに資金が尽きてしまうケース」です。本事例では、開業初期は赤字も想定、その期間をカバーする運転資金を確保しているため、現実的な立ち上がりシナリオとして評価されました。

■ 融資で見られている本質

今回の事例から分かるのは、融資審査において重要なのは「・売上の再現性 ・集客の根拠 ・資金ショートしない設計」この3点であるということです。逆に言えば、経験が浅い、業態にリスクがあるといった点があっても、数字とロジックで補完できれば十分に通過可能です。このように、不安に感じやすい「融資」という壁も、ポイントを押さえて準備することで、越えられるハードルに変わっていきます。

不安が「確信」に変わった瞬間

「最初は不安しかなかったですが、数字で分解していくうちに、“これならいける”と思えるようになりました」

これは多くの方に共通しています。開業前の不安は、「情報が足りないこと」ではなく、“整理されていないこと”が原因であるケースがほとんどです。
・売上はどうやって作るのか
・利益はどこから残るのか
・最悪のケースでも耐えられるか
これらを一つひとつ数値に落とし込むことで、不安は“リスク”に変わり、リスクは“対策可能なもの”になります。

この記事でお伝えしたかったこと

今回の事例で最も重要なのは、「特別な成功事例」ではないという点です。
・客単価600円
・1日100人
・月商156万円
どれも、現実的に再現可能な数字の積み上げです。一見するとシンプルですが、実際には、どの立地で、どの時間帯に、どんなお客様に対して、どんな商品をどの価格で提供するかといった要素を一つひとつ分解し、“売上の根拠”として組み立てていることがポイントです。

重要なのは、「・感覚ではなく分解すること ・強みを売上構造に組み込むこと ・最悪のケースまで想定すること」この3つです。

そしてもう一つお伝えしたいのは、不安がある状態のまま始める必要はないということです。多くの方が「やるか・やらないか」で悩みますが、本来はその前に、「やったらどうなるか」を数字で把握することが重要です。それができれば、「いけそうだからやる」「今はまだ厳しいから準備する」といった“納得感のある意思決定”ができるようになります。

お気軽にお問い合わせ・ご相談ください!

「自分の場合だと、どうなるんだろう?」
そう感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。今回のように、

  • 売上はどこまで現実的に狙えるのか
  • 利益はどれくらい残るのか
  • 最悪のケースでも耐えられるか

といった点を、あなたの状況に合わせて具体的に整理します。

  • 売上シミュレーションの作り方
  • 融資に通る計画の組み立て方
  • キッチンカー or 店舗の判断

など、実務レベルでそのまま使える形まで落とし込みます。また、「まだやるか決めていない」「アイデア段階で整理したい」という方でも問題ありません。むしろ、そういった初期段階だからこそ、方向性を間違えないための整理が重要です。無理な営業は一切ありませんので、まずは壁打ち感覚でお気軽にご相談ください。

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