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コラム

不安をなくすのではなく、「進める状態」をつくる開業支援の話

こんにちは。
REDISHで開業サポートを担当しているYです。
飲食店の開業を考え始めたとき、多くの方が最初にぶつかるのは「やりたいこと」ではなく、“お金と現実”への不安です。

  • この売上想定って、本当に現実的なのか?
  • 自己資金はどれくらい必要なのか?
  • 融資は通るのか、そもそも返していけるのか?
  • 想定より売上が下がったら、どれくらい耐えられるのか?

実際にご相談いただくオーナー様の多くも、「なんとなくのイメージはあるけれど、数字に落とすと急に怖くなる」という状態からスタートされています。

今日は、実際に私たちが伴走した事例をもとに、開業を検討されていたご依頼主様が、どんな不安を抱え、どのように一つずつ解消していったのかを、具体的な数字とあわせてお話ししていきます。

ここからは、実際に私たちがどのようなサポートを行い、どんな迷いや判断のポイントがあったのかを、一緒に見ていきましょう。

また、売上や融資額、資金配分など、より詳細な数値については、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

【創業融資2,200万円】新宿で「ライブハウス×バー」を開業!既存店の実績とWeb戦略で攻める多角化モデル
https://redish.jp/columns/example_042/

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

不安①「この売上って現実的なのか?」

最初に出てくるのが、この不安です。「月商200万」「300万」といった数字を見ると、一気に現実感がなくなります。ですが、この不安の正体はシンプルで、“数字が大きいから怖い”のではなく “分解されていないから怖い”だけです。

例えば今回のケースでは、

  • 客単価:約7,000円
  • 営業日数:週6営業(約25〜26日)
  • 必要来店数:1日あたり約12〜13名

ここまで分解すると、「1日12〜13人の来店で成立する」モデルになります。さらに重要なのは、この来店数が“ゼロから積み上げる前提ではない”という点です。

  • 既存店からの送客導線
  • 過去に検証済みのSNS・広告による集客
  • 歌舞伎町という立地によるフリー来店

これらを組み合わせることで、“完全な新規立ち上げ”ではなく、既存の勝ちパターンを横展開している状態になっています。つまり重要なのは、売上の大きさではなく、「再現できる構造になっているか」です。

不安②「もし売上が下がったら終わるのでは?」

次に出てくるのが、リスクへの不安です。これはとても重要な視点で、むしろ持っている方が健全です。ただし、多くの方は「どこまで下がると危ないのか」を把握していません。

今回のケースでは、

  • 損益分岐点:月商 約160万円
  • 想定売上:239万円

つまり、売上が約30%下がっても赤字にならない設計です。さらに、

  • 運転資金:約4ヶ月分を事前に確保
  • 昼のレンタル利用で固定費を分散回収

といった構造により、「売上が想定を下回っても、すぐに資金が尽きない状態」を作っています。

多くの失敗は、想定より売上が落ちる → 資金が尽きる → 改善施策を打つ前に終了 という流れです。一方でこのケースは、“改善のための時間を確保できる設計”になっています。逆に言えば、“耐えられる時間”をどれだけ作れるかが、開業後の生存率を大きく左右します。

不安③「融資は通るのか?」

融資に対する不安も非常に多いです。ただ、ここで押さえておきたいのは、融資は“成功するかどうか”で判断されていないという点です。

金融機関が見ているのは主に3つです。

  • 再現性(本当に実現できるか)
  • 妥当性(数字や前提に無理がないか)
  • 安全性(万が一でも返済できるか)

今回のケースでは、

  • 既存店での売上実績 → 再現性
  • 実績データベースに基づく数値設計 → 妥当性
  • 約4ヶ月分の運転資金+損益分岐点設計 → 安全性

が揃っていました。特に評価されたのは、「この売上がどうやって作られるのか」が説明できている点と、「崩れたときの対策まで設計されている点」です。つまり、“うまくいく前提”ではなく “崩れても成立する設計”が評価されます。

不安④「自己資金はいくら必要か?」

よくある質問ですが、これは単純な金額の問題ではありません。重要なのは、*「信用される水準かどうか」です。

今回のケースでは、

  • 自己資金:約1,000万円
  • 投資総額:約3,190万円(※内訳含めた実行ベース)
  • → 自己資金比率:約30%強

この水準により、金融機関からは

  • 計画的に資金を準備している
  • 事業に対する本気度が高い
  • 途中で撤退しにくい(継続可能性が高い)

といった評価につながりました。また、自己資金があることで、「借入に依存しすぎないバランス」が取れている点も重要です。つまり、自己資金は“足りるか”ではなく“信用されるか”で考えるべきです。さらに言えば、「いくら持っているか」ではなく「どうやってその資金を作ってきたか」も見られています。

不安の正体は、「見えていないこと」

ここまで見てきた通り、開業前の不安の多くは共通しています。そしてその正体は、「分からないこと」ではなく「分解されていないこと」です。

  • 売上 → 来店数・営業日数に分解する
  • リスク → 損益分岐点と運転資金で可視化する
  • 資金 → 「いくら必要か」ではなく「何ヶ月耐えられるか」で考える

こうして整理することで、“なんとなく怖い状態”から“判断できる状態”に変わります。実際に今回のケースでも、

  • 売上は「1日12〜13名」という行動レベルに落とし込み
  • リスクは「約30%下振れまで耐えられる」と定義し
  • 資金は「約4ヶ月分の運転資金」で時間を確保する

まとめ

開業に不安はつきものです。ただし、不安は消すものではなく、設計するものです。
今回の事例が示しているのは、

・売上は構造に分解すれば現実になる

・リスクは事前に線引きすればコントロールできる

・融資は“納得できるロジック”で通せる

ということです。「なんとなくいけそう」でもなく、「なんとなく怖い」でもなく、“どこまでなら崩れても成立するのか”を把握すること。これが、開業できる人とできない人の違いです。

そしてもう一つ重要なのは、“数字を持っている人”ではなく “数字を説明できる人”が評価されるという点です。金融機関も、現場も、見るのは同じです。「この人は、自分のビジネスを理解しているか?」

その問いに、数字で答えられる状態を作ること。
それが、開業を現実に変える一歩になります。

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