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アルバイトを雇ったら何をすればいい?開業前に知っておきたい労務の基本

こんにちは。リディッシュ株式会社でサービスコーディネーターをしている丹治です。
飲食店の開業相談をお受けしていると、
「オープンしたらアルバイトを雇う予定です」
というお話をよく伺います。
一方で、
「求人を出せば終わりだと思っていました」
「雇った後に何をしなければいけないのかわかりません」
という声も少なくありません。
私の母もキッチンカーを運営していたため、人手不足やスタッフ採用の大変さを身近で見てきました。
飲食店では、人を雇うことで営業の幅が広がる反面、事業主として新たな責任も発生します。
今回は、アルバイトを雇う際に知っておきたい労務業務についてご紹介します。

アルバイトを雇うと発生する4つの業務

「人手が足りないからアルバイトを採用しよう」
開業前後のオーナー様からよく聞くお話です。
スタッフが増えることで営業の負担を減らせたり、お客様へのサービス向上につながったりする一方で、事業主として対応しなければならない業務も増えていきます。
実際にご相談をいただく中でも、
「採用した後に何をすればいいのかわからない」
「給与を払う以外にも手続きがあるんですか?」
という声は少なくありません。
アルバイト採用後に発生する業務は、大きく分けると次の4つです。

雇うときの手続き
毎月の給与・勤怠管理
日々の教育・マネジメント
年に一度の労務手続き

開業前は「シフトを組んで給与を払うだけ」と考えがちですが、実際にはさまざまな対応が必要になります。

① 雇うときの手続き

労働条件を決める

まずは、

時給
勤務時間
シフトのルール
休憩時間
給与の支払日
試用期間の有無
交通費の支給ルール

などを明確にし、労働条件通知書や雇用契約書を交わします。
「知り合いだから大丈夫」「アルバイトだから簡単でいいだろう」と口約束だけで働き始めてしまうと、
「聞いていた時給と違う」
「休みが取りづらい」
「交通費が出ると思っていた」
といったトラブルにつながる可能性があります。
お互いに安心して働くためにも、最初にルールを明確にしておくことが大切です。

労働保険の加入手続き

アルバイトを雇う場合、労災保険への加入は原則必須です。
飲食店では、

調理中のやけど
包丁によるけが
転倒事故

などが起こる可能性もあるため、万が一に備える意味でも重要な制度です。
また、週20時間以上勤務するスタッフがいる場合は、雇用保険の手続きも必要になります。
開業準備中は店舗づくりや仕入れ、集客準備に意識が向きがちですが、こうした手続きも忘れずに進める必要があります。

② 毎月発生する給与・勤怠管理

勤怠管理

出勤・退勤時間を記録し、労働時間を集計します。
最近はクラウド型の勤怠管理サービスを利用する店舗も増えていますが、どの方法を選ぶ場合でも正確な記録を残すことが重要です。
特に飲食店では、

急なシフト変更
忙しい日の残業
ヘルプ勤務

などが発生しやすいため、実際に働いた時間を正しく管理する必要があります。
後から確認できる状態にしておくことで、給与計算やトラブル防止にもつながります。

給与計算

飲食店では特に注意したいのが深夜営業です。
22時以降の勤務には深夜割増賃金が発生します。
また、勤務状況によっては残業手当や休日手当の計算も必要になります。
「時給×勤務時間」だけで計算できるケースばかりではないため、想像以上に手間がかかる業務の一つです。
給与計算のミスはスタッフとの信頼関係にも影響します。
一度不信感を持たれてしまうと、離職につながることもあるため、慎重な対応が求められます。

源泉徴収と給与支払い

給与を支払う際には、所得税の源泉徴収が必要になる場合があります。
また、

給与明細の発行
給与振込
支払記録の管理

なども毎月発生する業務です。
スタッフが増えるほど管理する情報も増えていくため、早い段階から運用ルールを決めておくと負担を軽減できます。

実は見落としがちな「まかない」の管理

飲食店ならではの制度として、スタッフへまかないを提供しているお店も多いと思います。
まかないは福利厚生として非常に喜ばれますが、提供方法によっては税務上「給与(現物給与)」として扱われる場合があります。
細かなルールがあるため、まかない制度を導入する際は事前に確認しておくと安心です。
「お店の好意だから問題ないと思っていた」というご相談をいただくこともありますので、意外と見落としやすいポイントの一つです。

③ 日々の教育とマネジメント

実は、労務で最も時間がかかるのは手続きではなく、人材育成やスタッフマネジメントかもしれません。
飲食店は人がサービスを提供する仕事です。
どれだけ美味しい料理を用意していても、接客や店舗運営の品質にばらつきがあると、お客様満足度にも影響してしまいます。
また、せっかく採用したスタッフがすぐに辞めてしまうと、再び求人募集や教育に時間 and コストをかけることになります。
そのため、「採用すること」だけでなく「定着して活躍してもらうこと」も重要な経営課題の一つです。

オペレーション教育

スタッフには、

接客方法
レジ操作
清掃ルール
調理手順
衛生管理

などを伝えていく必要があります。
飲食店では教育体制が整っていないことが離職につながるケースもあります。
特に最近は、「何をすればいいかわからない」「教えてもらえなかった」と感じることが退職理由になることも少なくありません。
「忙しいから見て覚えてほしい」ではなく、誰が教えても同じ品質になる仕組みづくりが重要です。
マニュアルを整備したり、研修の流れを決めたりすることで、教育の負担を減らしながらサービス品質を維持しやすくなります。

スタッフが働きやすい環境づくり

シフト調整やコミュニケーションも大切な業務です。
採用できても定着しなければ、再び採用活動が必要になります。
長く働いてもらえる環境づくりは、結果的に店舗運営の安定につながります。
例えば、

シフト希望を出しやすい環境を作る
感謝や評価を言葉で伝える
困りごとを相談しやすくする

といった小さな積み重ねが、スタッフ満足度や定着率に影響します。
私がお話を伺う中でも、「スタッフが定着しているお店」はオーナーとスタッフのコミュニケーションが良好なケースが多い印象です。

④ 年に一度の手続き

毎月の業務だけでなく、年に一度行う手続きもあります。
日常業務に追われていると忘れやすい部分ですが、事業運営には欠かせない手続きです。

年末調整

年末にはスタッフの税金を精算する年末調整を行います。
対象となるスタッフには源泉徴収票も発行します。
初めてアルバイトを雇う方の中には、
「給与を払うだけで終わりだと思っていた」
という方も少なくありません。
年末調整は従業員にとっても大切な手続きのため、漏れなく対応する必要があります。

労働保険の年度更新

労災保険や雇用保険についても、毎年手続きが必要です。
1年間で支払った給与総額をもとに保険料を計算し、申告・納付を行います。
スタッフが増えるほど管理する情報も増えるため、日頃から給与や勤怠の記録を整理しておくことが大切です。

「人を雇う」は経営者になるということ

開業前は、
「お客様を集めること」
「美味しい料理を提供すること」
に意識が向きがちです。
もちろんそれも大切ですが、スタッフを雇うということは「経営者として人を守る責任を持つ」ということでもあります。
給与を支払うことはもちろん、安全に働ける環境を整えたり、安心して働ける職場をつくったりすることも経営者の大切な役割です。
労務手続きや給与計算、教育体制づくりは少し難しく感じるかもしれません。
ですが、事前に知っておくことで慌てずに準備を進めることができます。
開業前の段階で「どんな体制でスタッフを迎えるか」を考えておくことが、開業後のスムーズな店舗運営につながります。

まとめ

アルバイトを雇うと、

雇用契約の作成
労働保険の手続き
勤怠管理
給与計算
スタッフ教育
年末調整

など、さまざまな業務が発生します。
開業準備中は採用そのものに目が向きがちですが、実際には採用後の管理や教育にも多くの時間と労力が必要です。
一方で、スタッフが定着し、安心して働ける環境が整えば、オーナー自身が本来注力したい接客や店舗運営に集中しやすくなります。
私自身、お客様から
「アルバイトを雇うのが初めてで不安です」
「何を準備しておけばいいですか?」
というご相談をいただくことがあります。
労務は少し難しく感じる分野ですが、事前に知識を持っておくだけでも準備の進めやすさは大きく変わります。
REDISHでも開業準備に関するさまざまなご相談をお受けしていますので、不安なことや気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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