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コラム

【創業融資527万円】10年以上の経験を武器に! 「旬の和食・海鮮料理店」

たった10ヶ月で月商167万円。さらに、創業融資527万円の調達にも成功──。
【和食・海鮮料理店】は、開業早々に軌道に乗り、多くの飲食店オーナーが夢見るスタートダッシュを実現しました。
しかし、これは偶然ではありません。
鍵となったのは、立地選定、資金計画、融資審査対策まで一つひとつ丁寧に積み上げた「開業準備の戦略」です。審査を通過した具体的な「資金計画のロジック」と「経験を数字に繋げる方法」 を知れば、あなたも夢のスタートダッシュを切ることができます!

本記事では、

  • リアルな資金計画の中身
  • 融資審査で「評価されたポイント」
  • 売上につながるシミュレーションの立て方

など、実際に使用された事業計画書をもとに、成功の裏側を余すことなくお届けします。
「自分にもこんな開業ができるのか?」
そんな不安を抱える方にこそ読んでほしい、実践に使える開業のリアルが詰まった一例です。

事業概要

開業の成功には、「お店の基本情報」が土台として欠かせません。
業態、営業時間、席数、スタッフ構成、そして目標とする売上…。
まずは、この事業がどんなビジョンでスタートしたのか、事業の全体像を見ていきましょう。

✅ 基本情報

業態 創作海鮮料理を主力とする地域密着型和食店
営業形態 ランチ 11:30-13:30
ディナー 17:00-22:00
(営業日数は月26日を想定)
席数 カウンター、ボックス席
従業員構成 オーナー1名(正社員0名)、アルバイト1名
客単価目標 ランチ:950円、ディナー:3,500円
月商目標 167.2万円(開業10ヶ月目以降)

次に、どんな場所で出店したかを見ていきましょう。

立地条件と選定理由

「なぜこの場所を選んだのか?」

それは、開業成功のカギを握る最初の選択です。
人の流れ、競合の有無、周辺環境、そして賃料と売上見込みのバランス。
すべてを冷静に見極めたうえで、勝てる立地を見つけ出しましょう。
出店場所の基本情報と、そこに決めた戦略的な理由を詳しく見ていきましょう。

所在地 神奈川県横浜市弘明寺駅 徒歩5分の飲食店街
周辺環境 子育て世代のファミリー層が多く住むエリア、飲食店が立ち並ぶ通り(ラーメン店、カフェ、定食屋など)
立地選定のポイント 駅と住宅街の間で周辺住民や会社帰りの客が立ち寄りやすい 。競合が少ないポジションを狙い、安定した地域客を取り込む 。家庭的なメニューと落ち着いた雰囲気で差別化を図る 。

お店の売上は「どこに出すか」で大きく変わります。だから、妥協せず立地を選びましょう。

賃貸条件

飲食店の経営において、家賃は毎月発生する固定費として、利益を左右する大きな要素になります。
ご参考程度に契約時にかかった家賃をご紹介します。

月額家賃 17万円

物件選びは「立地」だけでなく、家賃と広さのバランスが事業の継続性に直結します。
収支計画と照らし合わせながら、無理のない条件で契約できることが、その後の安定経営にもつながります。

資金計画

お店を始めるにあたって、実際にどれくらいの資金が必要なのか?
内装や厨房機器といった初期投資の内訳に加え、創業融資の活用状況や返済計画まで詳しくご紹介します。以下から「資金の全体像」をイメージしてみてください!

項目 金額 備考
融資申請額 527万円 日本政策金融公庫 新規開業資金
内装・設備工事 327万円
厨房機器・物件取得など 550万円
商品仕入れ・経費(3ヶ月分) 457万円 仕入れ3ヶ月分、人件費・その他経費3ヶ月分
合計 1,334万円 (内訳合計:550+327+457)
自己資金: 180万円  融資: 527万円

✅ 返済計画

返済期間 約11.6年
月々返済額 約3.8万円

資金調達は、夢を形にする最初のハードルとも言えます。
無理のない自己資金と、堅実な返済計画をベースに準備を整えることが、開業後の安定経営につながります。

月次収支計画

「この立地・この業態で、本当に利益は出るのか?」
そんな疑問に応えるのが、月ごとの収支計画です。売上予測と支出項目を細かく試算し、黒字転換のタイミングや収益性の見通しを明確にしています。リアルな数字を通じて、経営の全体像が見えてきます。

✅ 月次収支計画(開業10ヶ月目想定)

項目 金額 備考
売上高 167.2万円 ランチ:950円×8人×18日
ディナー:3,500円×14人×18日などをベースとした計画
売上原価 50.1万円 売上の30.0%(食材原価)
人件費 15.6万円 アルバイト1名、月給156,000円を想定
家賃 17.0万円
水道光熱費 13.3万円 売上高の8.00%を想定
広告宣伝費 5.0万円 売上高の3.00%を想定
消耗品費 3.3万円 売上高の2.00%を想定
その他経費 8.3万円 売上高の5.00%を想定
融資返済 3.8万円 融資元本返済額(10ヶ月目以降)
月次利益 39.4万円 当期利益(税引後)

損益分岐点: 月商167.2万円
この月次計画をもとに、どのラインを超えれば黒字化できるのか、どこに支出の余地があるのかを具体的に把握します。
利益を生み出すための道筋が、開業前から明確になっていることがポイントです。

事業概要

融資審査のポイント解説

日本政策金融公庫などの創業融資をスムーズに通すには、「何を」「どう説明するか」が重要です。
市場のニーズや競合状況、利益が出る見込みを、どれだけ具体的に伝えられるかが審査通過の鍵を握ります。
実際に評価されたポイントを軸ごとに整理し、説得力ある計画づくりのヒントをまとめました。

✅ 市場分析で評価されたポイント
ポイント 記入例
ターゲット市場の明確化 メイン:子どもを持つ30〜40代の家族連れ
サブ:仕事帰りの40〜50代の男女 。
ファミリー層と単身客両方に対応できる内装設計 。
マーケットリサーチの徹底 出店予定地周辺には子育て世代のファミリー層が多いという環境分析 、駅から住宅街の間という立地特性を活かした集客 。
需要予測の具体性 ・開業初期はオープン係数(1ヶ月目40%、10ヶ月目100%)で段階的成長を見込む 。
・業界平均に基づく季節係数(冬は売上低下、夏〜年末は高め)を売上予測に反映 。
✅ 競合分析で評価されたポイント
ポイント 記入例
差別化戦略の明確さ ・競合に海鮮丼を主力とする定食屋があるが、夜営業は競合しないため、夜の一品料理と酒類で差別化 。
・市場で自ら仕入れた鮮魚と自家製かえしで仕上げる煮魚を主力とし、品質で差別化。
SWOT分析の質 強み: 弘明寺駅から徒歩5分という通いやすい駅近立地 。
弱み: 開業初期の集客(オープン係数で考慮) 。
機会: 周辺ファミリー層への地域密着型サービス(ジュースサービスなど) 。
脅威: 周辺にラーメン店、カフェ、定食屋が立ち並ぶ 。
✅ 原価率・収益性分析で評価されたポイント
ポイント 記入例
原価管理の具体性 ・原価率30%を維持する計画 。
・フードで良い食材を使いつつ、ドリンクで原価率を下げることで目標達成 。
・仕入れは川崎北部市場などから行い、目利きを活かす 。
収益構造の透明性 ・ランチ売上(月間約24万円)はディナー利用の広告という位置づけ 。
・日替わり一品料理でリピート集客を促進 ・フードとドリンクの売上シェアも計画 。
資金繰り予測の精緻さ ・月次損益計画(12ヶ月)と月次資金繰り計画(12ヶ月)を提示 。
・開業後のキャッシュフローを具体的に予測(開業2ヶ月目にマイナスとなるが、以降回復) 。

融資を通すためには、数字だけでなく計画の中身にどれだけリアリティがあるかが問われます。
根拠をもって示すことで、「返済可能な事業」として信頼を得ることができるのです。

飲食店開業前の必要資金と審査のポイント

融資審査では、「その設備、本当に必要ですか?」という視点で投資内容が精査されます。
内装工事や厨房機器といった初期投資についても、金額の妥当性や将来性、衛生基準への適合性などが評価対象となります。
ここでは、実際に審査担当者が注目するポイントとともに、設備投資をどう説明したのかを整理しました。

✅ 内装工事費の内訳と審査ポイント
工事項目 金額 審査ポイント
内装工事 327万円 ・カウンター席とボックス席を両立させ、一人客と家族連れに対応する設計
・居抜き物件を活用し、コストを抑えた内装になっているか
審査通過のポイント 複数の業者から見積もりを取得し、比較検討した経緯、内装と集客との関連性を説明できること、将来的な改装コストの抑制まで見据えた設計
✅ 厨房設備の内訳と審査ポイント
設備項目 金額 審査ポイント
店舗・工場・機械など 550万円 ・市場で自ら鮮魚を仕入れるための設備投資(情報なし)
・自家製かえしで仕上げる煮魚のための設備
・設備規模が月商目標に対して適切であること
審査通過のポイント(厨房設備) 購入とリースの費用比較を行った説明、中古・リユースの活用で初期投資を抑えた工夫、設備投資が売上や業務効率にどうつながるかを数値で説明
✅ 初期運転資金の内訳と審査ポイント
項目 金額 審査ポイント
商品仕入れ 157万円 ・開業後3ヶ月分の仕入れ費用を確保
・仕入先(カワサキホクブイチバなど)との取引条件(即日・日払)を確認
その他経費 300万円 ・開業後3ヶ月間の人件費やその他経費を確保
・工事期間の家賃(情報なし)や準備〜開業までのスケジュール管理が適切か
審査通過のポイント(初期運転資金) 開業後3ヶ月間の資金繰り表を作成済
売上が未達となった場合のコスト削減対応策(家賃以外の固定費、変動費など)
現金残高の最低必要金額の根拠を提示

審査を通すためには、金額をただ並べるだけでなく、「なぜそれが必要か」を明確に語ることが求められます。将来の運営コストやメンテナンスを見据えた設計まで伝えられたことが、信頼獲得につながります。

成功のポイント

売上が伸びたお店には、必ず“うまくいった理由”があります。
ここでは、開業前の準備・リスク管理・商品開発・実務経験の活用といった観点から、実際に成果へとつながった工夫や取り組みを整理しました。これから開業を目指す方にとって、再現性のあるヒントが詰まっています。

項目 具体的な取り組み
開業前の徹底準備 料理専門学校で料理の基礎を習得 、飲食店での料理長経験を通じて集客、接客、コスト管理も現職で担当 、市場での鮮魚の目利きや仕入れの実地経験 。
リスク管理の具体策 立ち上げ時期はオーナーのみで営業を行い、顧客安定後にアルバイトを雇用し人件費を抑制 。売上が低迷する冬(1〜2月)を想定した月次計画 。
差別化要素の明確化 ・自ら仕入れた鮮魚を使用 。
・自家製かえしで仕上げる深みのある味わいの煮魚を主力メニューとする 。
・子ども連れに対応したボックス席とジュースサービス 。
実務経験の活用 1995年から和食・洋食の調理に従事し、10年以上の経験がある 。直近では和食店の料理長としてメニュー開発や改装計画も担当 。

融資がうまくいった背景には、入念な準備と、実行力のある戦略がありました。
成功は偶然ではなく、ひとつひとつの積み重ねが生んだ必然です。

融資面談で効果的だった回答例

融資面談は“一発勝負”。限られた時間の中で、自信と説得力をもって事業計画を伝える力が求められます。
ここでは、実際の面談で高評価につながった受け答えを具体的にご紹介します。
「どう答えれば審査担当者に響くのか?」そのヒントとしてぜひ参考にしてください。

Q: 飲食未経験での開業リスクをどう考えていますか?
A: 私は専門学校卒業後、20年以上にわたり和食・洋食の調理に従事してきました。特に直近の店舗では、料理長としてメニュー開発、仕入れ、集客、コスト管理まで幅広く担当しており、調理技術だけでなく経営実務のスキルも習得済みです。石川県金沢の市場での実地経験もあり、鮮魚の目利きと仕入れルートも確保しています。
Q: 競合店が多い中でどのように差別化しますか?
A: 弘明寺駅周辺にはラーメン店や定食屋がありますが、夜の時間帯に質にこだわった海鮮料理と酒を楽しめる店は少ないです。当店は市場で仕入れた鮮魚と自家製かえしを強みに、家庭的なメニューと落ち着いた雰囲気でファミリー層と会社帰りの客の両方を取り込みます。特に、子供連れ対応のボックス席は周辺競合にはない強みです。
Q: 初期投資が多いですが、回収見通しはどうですか?
A: 初期投資の総額は1,334万円ですが、内訳を明確にし、開業後3ヶ月の運転資金まで含めています。売上目標(月商167万円)は、オープン係数を導入し、現実的な段階的成長を見込んでいます。売上が安定する10ヶ月目以降には月次利益約39万円を見込んでおり、借入金の返済は十分に可能であり、早期の投資回収を目指します。

クライアントの声

「あの時、事業計画書を作って良かった」
ーー実際に支援を受けて開業・融資に成功したオーナー様の声をご紹介します。ーー

【和食・海鮮料理店】オーナー 武田様

調理師としてのキャリアは長かったのですが、融資を受けるための事業計画書作成は初めてで、何から手をつけていいか分かりませんでした。特に、売上予測の根拠や資金繰りの部分は、コンサルタントの方にサポートしていただき、季節変動や開業初期の落ち込みを加味した、金融機関が納得する具体的な数字にすることができました。自分の経験をどうアピールすべきかも明確になり、面談では自信をもって臨むことができました。

融資審査官が重視したポイント

創業融資の審査では、「どんな事業か」だけでなく、「どこまで具体的にリスクや根拠を提示できているか」が重要視されます。
実際に本件の融資審査を担当した日本政策金融公庫の審査官に、評価されたポイントを伺いました。事業計画を作成する際に押さえるべき実践的な視点として、ぜひ参考にしてみてください。

項目 審査官のコメント
市場・競合分析の具体性 「駅近の飲食店街という立地で、周辺に不足している『夜の海鮮料理』というニッチなポジションを狙っている点が明確でした。ターゲットを絞り込みつつ、ファミリー層への対応で客層を広げている点も評価できました」
リスク認識と対応策 「開業初期の集客不足をオープン係数(40%→100%)で織り込み、特に開業2ヶ月目のマイナスも隠さず示していることで、計画の客観性を感じました」
経験の活かし方 「和食・洋食での豊富な調理経験に加え、市場での仕入れ・目利き経験や、直近の店舗での料理長・コスト管理経験が、この事業の核となる強みとして裏付けられていました」
資金計画の精緻さ 「初期投資の内訳が詳細で、特に開業後3ヶ月分の運転資金まで確保した手堅い資金計画であったことが、信頼性向上につながりました」

支援サービスの流れ

飲食店の開業準備は、融資申請や収支計画だけでなく、「自分の想いを形にする設計力」が求められます。
本サービスでは、アンケートからヒアリング、事業計画書の納品・融資面談対策までを一貫してサポートいたします。飲食業界に特化した視点で、融資通過と開業成功に向けた実践的な支援を行っています。
以下は、実際の支援ステップとその中で重視しているポイントのご紹介です。

ステップ 1
アンケート段階でのサポート
飲食店特有の質問項目(技術経験、仕入れルート、メニュー構成など)、開業計画の骨子作成、必要資金の概算把握
ステップ 2
オンラインヒアリング1回目のポイント
創業の動機と経験の整理、競合分析と差別化要素の明確化、初期投資の妥当性検証
ステップ 3
オンラインヒアリング2回目の重点事項
収支計画の詳細検討、資金繰り表の精緻化、出店立地の評価と選定理由の整理
ステップ 4
事業計画書納品と融資面談準備
審査官の質問予測と回答準備、プレゼンテーションのポイント指導、必要書類の最終チェック

まとめ

本事例は、長年の経験と徹底した地域密着戦略が、創業融資成功と安定したスタートダッシュに繋がった好例です。融資審査では、単に「経験が長い」というだけでなく、「その経験(市場での目利き、料理長としてのコスト管理)が、新しい店でどう再現され、利益を生むか」という論理的な繋がりが重要視されました。特に、段階的な成長を織り込んだ売上予測と、開業初期の運転資金を厚く確保した堅実な資金計画は、融資担当者の不安を払拭する決定的な要因となりました。成功は偶然ではなく、客観的な事実と数字に基づいた準備の積み重ねから生まれるのです。

お問い合わせ・無料相談

もし『自分も同じように進めてみたい』『今の状況で相談できるか聞いてみたい』と思われましたら、ぜひお気軽にご連絡ください!
飲食店開業は、多くの人にとって初めての挑戦であり、不安や悩みがつきものです。だからこそ、私たちは一人ひとりに寄り添い、最初の一歩から実現までをしっかりサポートしたいと考えています。
どんな些細なことでも構いません。まずは無料相談でお話を聞かせてください。あなたの開業ストーリーのスタートを、私たちが一緒にお手伝いします。