融資の審査に自己資金はどれくらい必要なの?

これから会社を興そうとしている皆さんは、開業にあたって、どれくらいの自己資金が必要かと迷っている方も多いと思います。

 

一般的に言って、もちろん開業資金は多ければ多いほど良いです。ですが、開業以前に会社で働いていたり、個人事業主として事業を行っている間に、それほど多くのお金を貯めることは難しいです。事業を始めるにあたっての不足分は、金融機関からお金を借りて割り当てるということになります。

 

創業する際の融資にあたっては、自己資金がいくらくらいあるのかが審査の基準になります。すなわち、自己資金が多ければ多いほど、融資の限度額は高くなることになります。ちなみに、家族以外から借り入れたお金やタンス預金などは、自己資金にはなりません。自己資金は、通帳などで実際に資金があることを証明しなければならないので、注意しておきましょう。

 

それでは、会社の設立にあたって自己資金はいくらくらい貯めれば良いのでしょうか?

 

開業資金はいくらくらいあれば良いのか?

 

これは標準的な基準になりますが、融資を受ける際に自己資金がどれくらい必要かは、会社を運営していくにあたっていくらくらいの資金が要るかによって変わってきます。会社運営のための資金は、業種にもよりますが、小規模な会社の場合300万円~1,000万円くらいの額が必要だとされています。飲食店や美容業などの店舗設備を必要とする業種では、この金額は高くなっています。

 

自己資金として必要になるのは、そのうちの一部です。これも平均的な金額になりますが、創業資金のうち3割~5割程度の自己資金は用意しておいたほうが良いと言われています。これは、銀行などから融資を受けるにあたって、ある程度の自己資金が必要になるためです。

 

創業資金の目安は、日本政策金融公庫の調査によれば、2021年度で941万円となっています。すなわち、おおよそ1,000万円程度のお金があれば、起業するにあたっては十分であると考えて良いでしょう。そのうち、自己資金として必要になるのは3割~5割ほどですから、約300万円~500万円ほどの金額が必要になると言えます。

 

ですが、これはあくまでも平均値としての金額です。現在では、株式会社は自己資金が1円からでも設立できますし、平均値が高くなっているのは一部の起業家の創業資金が他の会社よりも高いことに由来しています。創業のための自己資金は、一部の業種ではこれよりも安くなると考えて良いでしょう。

 

自己資金が多ければ多いほどお金は借りやすい

 

これは、あるいは自明に思われるかもしれませんが、自己資金が多ければ多いほど、銀行からお金は借りやすくなります。ですが、自己資金がいくらくらいあるかというのは、融資の一要件でしかなく、その他にも様々な審査基準が設定されています。その点については、念頭に入れておいたほうが良いでしょう。

 

しかし、自己資金が多ければ資金が借りやすくなるのは確かです。また、どこから借り入れをするのかによっても、必要な自己資金の額は変わってきます。一般の銀行では借りられないような額でも、日本政策金融公庫の新創業融資や、地方自治体の制度融資などでは、自己資金がある程度少なくても融資を受けることができます。

 

日本政策金融公庫の新創業融資の場合、創業資金の1割~3割程度の自己資金があれば、融資の審査に通ると言われています。もし、創業資金を1,000万円と想定している場合、100万円~300万円の自己資金があれば、それ以外の創業資金については融資によってまかなうことができるわけです。ですが、これもあくまでも目安に過ぎません。実際にいくらくらいの自己資金が必要になるのかは、あなたが始めようとしている事業内容によっても変わってくると言えます。

 

地方自治体の制度融資についても同様です。制度融資では、信用保証協会という組織が保証人となって、地方自治体の指定する金融機関からお金を借り入れるという形になります。この際の審査基準は、日本政策金融公庫の新創業融資を受ける場合と似ています。新創業融資の審査に通るのであれば、地方自治体の制度融資の審査にも通りやすいと考えてください。

 

まとめ

 

いかがでしたか? 企業を新しく創業する際にいくらくらいの金額が必要か、お分かりいただけたでしょうか。

 

現在の基準からすると、創業に必要な金額の平均値が941万円。そのうち3割~5割にあたる、300万円~500万円程度の自己資金があれば、融資に通る確率は高いです。ですが、創業資金の10分の1程度、100万円程度の自己資金しかない場合にも、日本政策金融公庫の新創業融資や地方自治体の制度には通る場合があります。

 

いずれにしても、融資を受けたい場合にどれくらいの自己資金が必要かは、これから始めようとしている事業の種類や、創業計画書の内容によっても変わってくるということを頭に入れておきましょう。

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