【飲食店経営】無断キャンセルされないための対策と工夫について

今回のお話は「予約の無断キャンセル」について。
“無断キャンセル”とは、飲食店にグルメサイトや電話で予約を入れたものの、その時間になっても来店せず、飲食店が連絡をしても無視することです。別名「No Show(ノーショウ)」
飲食店にとってこれは死活問題です。中にも無断キャンセルをされて収益が大きく落ち、泣き寝入りした方も多いのではないでしょうか?
現在、テイクアウトの「No Show」も増えています。

ですがこれはきちんと対策を取れるもので、泣き寝入りするべきことではないのです。

飲食店の無断キャンセルの恐ろしさ

 

経産省の調査によると、日本全国の飲食店の予約の9%はャンセルされており、そのうちの1%の「No Show」による被害はなんと日本で年間2,000億円にも上るといわれています。

さらに予約2日前のキャンセルも含めると、1.6兆円にも上る被害額だとされています。

この「No Show」被害は、昔からあったものの最近になって急激に被害件数が上昇しています。

その大きな理由が、「スマホ予約システムの普及」。
以前は「チラシなどで知った店舗への電話予約」という、チラシや紙媒体でしか店を知れず電話でしか予約できなかった時代に対し、
現在は「スマホでカンタンにいろいろな店舗があることを知り、ワンタップでも予約できる」時代にたどり着いています。
予約がりに簡単にできてしまう時代だからこそ、いとも簡単に無断キャンセルが起こってしまっているのです。

具体的にどのような経済的悪影響が起きているか?

さて、無断キャンセルが起こったとして、実際どこにどのような悪影響が起こっているのでしょうか?

準備した食材費の損失

一番わかりやすいものとして、用意していた食材が一切手を付けられずに無駄になってしまうということです。
りに大量である場合、廃棄費用すらも掛かってしまう恐れがあります。

高級料理店の場合、ひとりの無断キャンセルですら経営に大きな影響を与えてしまいます。

スタッフ雇用の損失

これは大人数の宴会がキャンセルされた場合、特に痛手となるものです。
「この日は混み合うから」とたくさんのスタッフを用意したのに、来店がなく手持無沙汰では、スタッフを集めた意味がありません。人を集めた分の時給はマイナスになるのみ。
2日前などのキャンセルだったとしても、シフトを急に減らされるスタッフにも影響を与えてしまいます。

給与が安定して働くことができない店舗ではスタッフも離れてしまいます。
そうなっては、経営者が悪いわけではないのに店舗の運用すら難しくなってしまいます。

来店機会の損失

無断キャンセルで座席が無意味に開けられてしまうことで、もし満席となった場合新規のお客さんを通せないことがあります。これが来店機会の損失です。

「簡単に入れない店だからもう行くのはやめておこう」ということになっては、せっかく来てもらえるはずだったお客さんすらも失ってしまい、評判も下がってしまいます。

賠償や裁判になった例

大学サークルによる無断キャンセル

2016年4月、早稲田大学のサークルが高田馬場の居酒屋を50名で予約したものの、無断キャンセルされてしまったという事案です。
店舗の公式Twitterでは、「
50人で予約していたのに、ばっくれ。用意していた食材が無駄になりました。当日から連絡が取れず、キャンセル料もいただいていません」
とツイート。

そのあと、「警察に行きますよ」と直接連絡が行き、示談で話が終わったそうです。

無断キャンセルで業務妨害として逮捕

2019年11月、1人1万円のコースを17人分予約し、無断キャンセルをした50代男性が偽計業務妨害で逮捕されたという話もあります。
男は同系列4店舗でも同じことを働いていたため、故意によるものと判断され逮捕されました。
無断キャンセルは刑事事件に発展することもあると、全国に広く知らしめました。

無断キャンセルをする原因

 

 

複数予約してキャンセルし忘れ

たとえば、忘年会の幹事が、居酒屋・中華・イタリアンバルと3種の店舗で忘年会の予約をしたとします。
参加者を確認していくうちに女性社員が多いことがわかり、それに合わせイタリアンバルで忘年会をすることに決まりました。

そして、そのあとに予約キャンセルの連絡を忘れてしまうということが起こり、そのまま「No Show」に繋がってしまう…ということが起こっています。
忘年会シーズンにもっとも無断キャンセルが多く、社会問題となっています。

「デートの時はいくつもの店を予約しておき、女性の気分に合わせてどの店にも行けるようにする」という事案もあるなど。

どちらにせよ、行かないかもしれない店の予約は許されるべきではありません。
忘年会の例も、きちんと第一候補、第二候補、第三候補と店を決めるだけ決めて上から順に予約を入れていけばいいだけの話なのです。

キャンセル料の支払いを恐れて連絡をしない

何かしらの理由があって行けなくなってしまい、キャンセルをしなければならなくなったお客様がキャンセル料の支払いを求められるのではないかと恐れて、そのままばっくれてしまうということもあります。
事前にキャンセルポリシーが記載されていないと余計、どれだけ支払わされるのかわからない状態となり、キャンセルの連絡を入れる手が止まってしまいます。

ネット予約によるポイント回収

グルメサイトから予約すると来店後にポイントがもらえる特典があります。
これを悪用するユーザーがいるのです。
もし無断キャンセルしたとしても店舗側が「来店していない」という判断をサービス上で下せばポイントは入らないのですが、ときどき多忙によりキャンセル処理を行い忘れてしまいます。

その「キャンセル処理忘れによるポイント入手」を狙った手口で無断キャンセルが行われるケースが少なくありません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
無断キャンセルによる損害の大きさをご理解いただけたのではないでしょうか。

次回は具体的な「無断キャンセル」対策についてお話しいたします。

 

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