【客席を持たない飲食開業?】クラウドキッチンとは?

クラウドキッチンとは、デリバリーやテイクアウトに完全特化した厨房施設のことを指します。
食事をするスペースがなく、 あるのはキッチンスペースのみという、きわめてミニマルな施設です。
開業にあたり、大きな資金を準備する必要がなく、新しい外食の体形として注目されています。

類語として、「ゴーストレストラン」「シェアキッチン」など様々なものがあります。

場合によって意味合いは変わりますが、
ゴーストレストランは、食事スペースのないレストランという体形、それを行うための設備・施設のことをクラウドキッチンと呼ぶようです。
シェアキッチンはホステルや寮などで宿泊者が共有する場所・宿泊施設での意味合いが強いです。

何故クラウドキッチンが注目されているのか?

コロナ禍によるテイクアウト・デリバリー需要

コロナ禍による、引きこもり需要から、「店で買い、持ち帰って家で食べる」という行動が重視されるようになり、そこからテイクアウト・デリバリー特化のクラウドキッチンが注目されるようになりました。
ここ数か月は外食産業に活気が戻り始めましたが、テイクアウト・デリバリーの需要がなくなったわけではないでしょう。

今回はクラウドキッチンのメリットについてお話いたします。

メリット

コストが低い

工事をする費用がおおむねなくなると考えてよいでしょう。
開業時、1000万円近くかかるものが入居時にかかる100万円前後の初期費用で済みます。

物件の中にはスケルトン物件(ガス等の設備や内壁が一切ない、まっさらな物件)からクラウドキッチンを始められるプランもあり、お金をかけて店舗を1から作りこむこともできます。

店舗を持つ前に試験的な開業ができる

「リスクの少ない状態でクラウドキッチンに出店。自分のペースでノウハウも理解し評判を集め始めてから自分の店舗を改めて独立してレストランとして出店する」という段階的な開店をすることができます。

はじめに土地の費用・工事費などの大きなお金を使って一軒の店舗を作った場合、店が軌道に乗るまでの間、「本当に毎月融資の返済をしていくだけの人気が出るのか?」と毎日気が気でないでしょう。

初期費用の支払いが少ないクラウドキッチンは、心の重荷となりにくく心して営業に専念することができます。

もちろん、クラウドキッチンであろうと一般的な店舗の物件契約と同様に1~2年の契約があったりと、最小単位は年単位となるでしょう。
「ここで1年後に結果を出せれば完全独立を検討しよう」など明確な目標のもと、第一段階としてクラウドキッチンを利用する、という将来設計も組むことが可能です。

ひとりで開業できる

一般的なレストランではメニュー取り・配膳・下げ膳など多くの作業のためにたくさんのスタッフを雇用する必要があります。
ですがクラウドキッチンの場合、配膳等のホールスタッフが不要で、
メニュー取り・調理・会計のみの業務となり、調理の規模にもよりますが一人や二人で店舗運営を賄うことができます。
なるべく小規模で行うことができ、人材の収集・マネジメントも不要になります。
アルバイトを雇う、そのために求人票を出したりするという人材集めはとにかく手間がかかるでしょうし、ハナからその心配をする必要がありません。

互いにコミュニケーションを取り高めあえる

クラウドキッチン内の他テナントは競合ではあるものの、共に同じ施設で販売をしあう関係となります。
店舗経営においての知識を共有しあえたりすることもあるでしょう。
不安を持っている中の開業で、少しは安心感をもって取り組めるのではないでしょうか。

様々な業態をまとめて知ってもらえる

いくつもの店舗が並ぶクラウドキッチンは、一種ひとつのフードコートのようなもので「何を食べよう?」とあれこれ悩むことができる面白さがあります。
「今日はこの店、明日はあの店」と施設全体を愛用するきっかけにもつながりやすいのが、クラウドキッチンの長所でもあると思います。
家や会社から少し歩く場所であったとしても、「あそこは直前になってまでいろいろな食事を楽しめる、面白い場所だ」と認識してもらえる可能性が高まり、わざわざ足を運んでもらえることもあります。

クラウドキッチンという概念がそもそも目新しいため、評判にもなりやすいです。

デメリット

お客様と対面する時間が短い

デリバリーで提供される場合モバイル注文から始まり配達員が商品を受け取った後、店舗はお客様の顔を見ることなく、そのまま届けられます。
テイクアウトの場合でもその場で注文を受け商品を持ち帰るという工程なので、
食べているときの様子・感想をうかがうことができません。
そうなると、人によっては本来の飲食店としてのやりがいが少し感じづらいのかもしれません。

しかし、昨今はテイクアウトで取りに来るお客様を想定し、カフェ・テーブルスペースを併設しているクラウドキッチンも多く、食事を楽しんでいる様子が伺える可能性もあります。

デリバリーサービスの手数料が高い

どのデリバリーサービスでも、販売価格のうち30%~35%近くの手数料を取られることとなります。
一般的なレストランが商圏拡大のために手数料が高いデリバリーサービスをレストラン営業と並行して行う場合と違い、販売のほとんどをデリバリーに頼ることとなります。

さらにはキャッシュレス決済に手数料が1~3%取られることも考慮すると、なかなか痛手ではあります。

デリバリーよりもテイクアウト販売の需要が高いエリアを選び、利益をなるべく大きく保つなど、出店場所選びが非常に重要となってきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
新しい営業体形、クラウドキッチンのメリット・デメリットがわかりましたでしょうか?
次回はクラウドキッチン開業にあたり、具体的なお話をしていきます。
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