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監査法人で学んだ、正しい業務の在り方をAIの仕事・AI育成に適用し能力を拡張する|REDISH の仕事

監査法人で学ぶのは、正しい業務の在り方です。作る人と確かめる人を分ける。結論には根拠を残す。手順と理由を書き残し、誰が見ても同じ判断ができるようにする。 リディッシュでは、公認会計士の私が会社の業務システムの開発を自ら主導し、この在り方を AI の仕事と、AI を育てることに当てはめています。 そうすると、1 人で持てる仕事の幅が大きく広がります。その具体例を、画面と数字でお見せします。

監査で学ぶ正しい業務の在り方は、AI の仕事にそのまま効く

私は監査法人トーマツで監査を経験しました。監査で身につくのは、正しい業務の在り方です。自分で作った数字を自分で確かめても、見落としは見つかりません。

AI と働くと、同じことが起きます。AI は、自分で作ったものを甘く評価しがちです。だからリディッシュでは、監査で学ぶことを、そのまま AI の仕事の仕組みにしています。

監査で学ぶことAI の仕事では
作る人と確かめる人を分ける機能の追加と直しの変更では、作った AI とは別の AI が、コードと安全面を確かめる。画面に触る変更は、さらに別の AI が見る
結論には根拠を残すよくある質問への AI の答えには、出典と確かめた日を添える
統制が実際に働くかを試す新しい点検は、わざと誤りを入れて止まるのを見てから「できた」と呼ぶ
基準を下げて合わせない合格の線を下げて点を上げた改善は、失敗と数える

10 月に増えた約 310 万行のうち、試験のコードが約 173 万行(56%)、それ以外が約 137 万行(44%)

(図)10 月に増えたコードの内訳です(2026 年 11 月 1 日に数えた値)。半分以上が、動きを確かめるための試験です。量と同じだけ、確かめる側にも手をかけています。画像を押すと原寸で開きます。

AI を育てるのは、新人を育てるのと同じ

監査調書には、結論だけでなく、どんな手順で確かめ、なぜその結論にしたかを書き残します。AI を育てるときも、同じことが要ります。

  • 答えだけでなく、手順と理由をセットで渡す。 答えだけを覚えさせても応用は利きません。新人に教えるのと同じで、どんな手順を経たか、なぜその結論にしたかを渡すと、AI の精度が上がります。
  • 自分が答えるより、AI が学べる材料を用意する。 これからの仕事は、結果・手順・理由をそろえて、AI が学べる形にすることです。
  • 材料は、動画より文字で。 動画は人には伝わりやすい一方、AI には重く雑音が多くなります。結果に手順と理由を添えた短い文章にします。
  • 頭の中の暗黙知を、個人の表計算に閉じ込めない。 システムを通して言葉にし、AI に渡します。
  • AI が「分からない」と答えた問いこそ大事にする。 人がそれに答えれば、次からは AI が答えられるようになります。

監査で手順と理由を書き残してきた人は、AI を育てる力をすでに持っています。

AI を使うと、何が伸びるか — 会計の現場の具体例

仕訳の案づくりは仕組みと AI、帳簿に入れるかの判断は人。 記帳の仕事では、口座・カードの明細から、仕組みが毎日仕訳の案を作ります。2026 年 10 月に作った案は約 2.1 万行で、そのうち 37% は AI が書き、残りはお客様の会計ソフトの登録ルールや過去の仕訳に当てて作りました(11 月 3 日に数えた値)。取り返しのつかないことと、社外に責任を負うことには、人の確認を挟む。これを基本にすると、10 月 31 日に決めました。帳簿はお客様の申告と経営判断の土台なので、帳簿に入れる確定は人に残します。この形は始めたばかりで、人が確定まで進めた案は 13 行です。会計ソフトへ自動で入れる流れは、人の承認を通す形に改めるため 9 月に止めました。人が確定した案だけを入れる形に作り直す計画です。

記帳の流れを 3 段で示した図。仕組みと AI が仕訳の案を作る(2026 年 10 月に約 2.1 万行・うち AI が書いたのは 37%)、人が確定する(これまで 13 行)、会計ソフトへ入れる(9 月に止め、人が確定した案だけを入れる形に改める計画)

(図)案を作る作業は仕組みと AI が担い、帳簿に入れるかを決めるのは人です。人の確定は始めたばかりで、会計ソフトへ入れる段は止めています。画像を押すと原寸で開きます。

店主が AI に経営の相談をすると、お店の数字をもとに答える。 お店の方が使う経営アプリでは、AI に「事業の現状を診断してほしい」と聞けます。よくある質問への答えには、出典と確かめた日を添えています。結論に根拠を残す、監査と同じ考え方です。

営業で使っている経営アプリのデモ画面。AI が人件費と FL 率を示して、まず原価から手を付けると営業利益への効きがいちばん早いと答えている

(図)営業で使っている、経営アプリの AI の相談のデモ画面です(デモの店とデモの数字)。本番のアプリの答えの形とは同じではありません。画像を押すと原寸で開きます。

月末の支払を、1 つの画面に。 会社の月末の支払業務は、7 つの画面に分かれていました。これを 1 つにまとめ、月末の 3 営業日前から毎朝、振込の前に二重払い・口座の登録漏れ・金額の未確定を点検して知らせる仕組みを入れました。銀行での最後の承認は、私が自分で押します。

税務の判断は、AI に答えさせない。 お客様からの LINE への返事は、AI が案を作り、送るかどうかと中身は担当が決めます。税務の判断・金額・期限がかかわる問いには、AI は返事の案を作らない決まりを、税務のシステムに入れています。作業は AI が担い、判断は人が行う。この線を、会計の仕事では特に大事にしています。

受託で、税理士法人の公開サイトを 5 日で。 受託のお客様の公開サイトを、5 日で当社の基盤に載せ替えました。会計の業界の仕事を、作る側からも支えています。

計算は AI がし、その意味は人が考えます。原価率が上がった理由が仕入れか、廃棄か、メニューの組み方かを考えるのは、人の仕事です。AI に作業を任せるほど、意味を考える時間が増え、1 人で見られるお客様の数字の幅が広がります。

仕事の中に、育つ仕組みがある

AI の使い方は、研修で身につけるものではありません。毎日の仕事の中で、頼む・返事を受ける・言葉にして残す、を繰り返して身につけます。その返事が、Slack で届きます。

仕事の中で育つ仕組みの図。AI に頼む、AI が作業する、Slack で返事が来る、言葉にして残す、の 4 つを毎日の仕事で回す

(図)AI に頼み、Slack で返事を受け、言葉にして残す。この 1 周を毎日の仕事で回します。画像を押すと原寸で開きます。

  • 社長の判断を覚えた AI に、Slack でいつでも相談できます。 AI が答えられなかった問いは、私が答えて記録に足していきます。
  • 振り返りには、AI が返事をします。 続けること・困ったこと・次に試すことを書くと、AI が返事をします。それを読んで、次の 1 手を磨きます。
  • 資料は、仕上げる前に見せます。 構成(目次)の段階で私に見せてもらい、その場で返事をします。

税務の現場では、スタッフが AI に仕事の質問をし、AI の答えを担当のコーチが確かめて直し、直した内容を次の答えに使う仕組みを、いま作っています。

代表から、最先端の AI の使い方を直接学ぶ

私自身が生成 AI の活用の最先端を走り、生きた経営判断と、AI で仕組みを作る方法を、隣で直接学べます。少人数なので、経験が浅くても経営の会議に同席でき、私の判断の理由をその場で聞けます。

社内の定例では、こう伝えています。「クロードに頭使わせることに頭使うんだよ」「頭使うポイントが変わってると思ってくれ」(2026 年 10 月 15 日)。自分で数字を作る代わりに、AI に何をどう考えさせるかに頭を使う。監査で鍛えた目は、その確かめ役として最も頼りにされます。

入社したら、どんな仕事をするか

最初の 3〜6 か月は私と並走し、その後は自分がリードする案件を持ちます。任される範囲は、AI を使いこなすほど広がります。目安は次のとおりです。

  • 1〜2 か月で、定型の集計を AI に任せる
  • 3〜6 か月で、お客様の資金繰りと予算と実績の比べを、AI と一人で回す
  • 6〜12 か月で、意思決定の場で意見を求められる

たとえば、お客様の月次の損益を AI と読み、打ち手を 1 つ用意して私に提案する。経営の会議に同席し、判断の理由を聞いて意見を出す。数字をそろえる作業は AI が担い、数字が何を意味し、お客様に何を勧めるかを決めるのは人です。

監査の現場で、もっと事業の近くで働きたい、AI を使いこなしたいと考えている若手の会計士の方に、読んでほしい仕事です。

監査で鍛えた目が、そのまま力になる

AI は速く、量をこなします。けれど、出てきた数字が本当に正しいか、前提が崩れていないかを疑う目は、AI に任せきりにはできません。監査で鍛えた「疑って確かめる」習慣は、AI と働く現場で最も頼りにされる力の一つです。

私自身も、AI に数え直されて考えを改めることが何度もあります。確かめる側に立つ人がいるから、AI の速さを安心して使えます。

まだできていないこと

  • 記帳の自動化は途中です。会計ソフトへ自動で仕訳を入れる流れは 9 月に止めました。人が確定した案だけを入れる形に作り直す計画で、いまは自動では入っていません。
  • 会計事務所が飲食店の M&A の調査を回すための作業台を、いま作っています。本番にはまだ出していません。
  • AI の答えをコーチが確かめて直す仕組みは、いま作っている途中です。

次の一歩

公認会計士・税理士の方の仕事は、こちらにまとめています。まず 30 分、話を聞きに来てください。 → 会計士・税理士の仕事を詳しく見る

リディッシュ株式会社 代表 松隈 剛