【飲食店開業・経営】融資が通る人・通らない人の違いとは?審査落ちを防ぐ8つのチェックポイント

【飲食店開業・経営】融資が通る人・通らない人の違いとは?審査落ちを防ぐ8つのチェックポイント

「飲食店を開業したいけれど、融資審査に通るか不安…」 「追加融資を受けたいけれど、金融機関は何を基準に判断しているのだろう?」

飲食店の開業や経営において、資金調達は避けて通れない重要なステップです。しかし、日本政策金融公庫や銀行などの融資は、申請すれば誰でも受けられるわけではありません。

金融機関は「確実に返済してくれる見込みがあるか」を厳しくチェックしています。審査に通る人と通らない人には、明確な違いが存在するのです。

本記事では、飲食店の開業希望者や開業まもないオーナーに向けて、融資審査でチェックされるポイントや「融資が通らない人の特徴」、審査に落ちた場合の対策までわかりやすく解説します。

※本記事は2026年10月時点の情報に基づいています。


飲食店の融資資金の主な使い道

まずは、飲食店における融資の目的と使い道について整理しておきましょう。

① 開業資金(創業融資)

飲食店を開業する際は、自己資金を用意したうえで金融機関から創業融資を受けるのが一般的です。民間銀行や信用金庫よりも、まずは日本政策金融公庫の創業融資(新規開業・スタートアップ支援資金)を検討するのが一般的です。(日本政策金融公庫の融資についてはこちら:日本政策金融公庫を活用!飲食店の創業・開業で活かす公庫融資のポイントと注意点とは?徹底解説!)

店舗の規模や立地によりますが、数百万円〜1,000万円台の融資を受け、以下のような費用に充当します。

  • 物件取得費(敷金・礼金・保証金など)
  • 内装・外装工事費
  • 厨房機器・什器・備品の購入費
  • オープン当初の運転資金

② 経営中の追加資金(運転資金・設備資金)

開業後に売上が伸び悩んだり、予期せぬ出費が重なって運転資金が不足した際に追加融資を検討することがあります。また、店舗移転や新設備の導入、業態転換などの前向きな投資資金として申し込むケースも多く見られます。

※すでに赤字が続いている状態では返済能力が低いと判断されやすいため、資金が底をつく前に早めのタイミングで申請することが鉄則です。なお、補助金・助成金は原則として、経費をいったん自分で支払った後に入金される「後払い(精算払い)」です。目の前の資金不足を補う手段にはならないため、資金繰りの手当てはまず融資で考え、補助金は設備投資などの自己負担を軽くする手段として組み合わせましょう。


融資審査に落ちてしまう人の8つの特徴

融資が通る人と通らない人の差はどこにあるのでしょうか。審査に落ちやすい人の共通点を8つ挙げます。

1. 水道光熱費や家賃の支払いに遅延がある

金融機関は「毎月の借入金を期日通りに返済できる人か」を日頃の支払い状況から見ています。 創業融資では、公共料金や家賃の引き落とし状況を通帳などで確認されることがあります。滞納履歴があると、返済能力や計画性に疑問を持たれ、審査で不利になります。「うっかり1日遅れた」というケースでもマイナスの印象を与えかねないため、日頃から期日管理を徹底しましょう。

2. クレジットカードの支払いに遅延がある

クレジットカードの引き落とし不能や、携帯電話本体の分割払いの遅延なども要注意です。長期の延滞(一般に61日以上、または3か月以上)があると、個人信用情報機関(CIC・JICC・KSC)に「異動」と呼ばれる事故情報(いわゆるブラックリスト)が登録されます。日本政策金融公庫も信用情報機関に加盟しており、申込時に信用情報を照会しています。

延滞の事故情報は、延滞を解消(完済)してから5年程度は残るため、その間は融資を受けることが非常に難しくなります(自己破産の場合、KSCでは最長7年)。短期間の遅れでも支払い状況の記録として残るため、カードや分割払いの引き落とし口座の残高には常に注意しておきましょう。

3. 面談で根拠のない回答・ごまかしをしてしまう

融資面談では、売上予測や原価率、集客プランについて質問されます。想定外の質問に対してその場しのぎの嘘をついたり、根拠のない適当な数字を答えたりすると面談担当者の信頼を失います。わからないことは「確認して後ほど提出します」と誠実に答える姿勢が大切です。

4. 面談時の態度や服装に清潔感がない

金融機関から事業資金を「貸していただく」という意識とビジネスマナーは不可欠です。Tシャツや短パン、サンダルなどのラフすぎる格好は避け、スーツまたはジャケット・スラックスなどの清潔感ある服装で臨みましょう。

5. 開業する業態での実務経験が不足している

飲食店の創業融資では、過去の実務経験が重視されます。未経験者がいきなり店を開いても採算が取れる根拠が乏しいと判断されやすいためです。

  • 経験期間:制度上の年数要件はありませんが、同業態で3年程度以上の経験があると評価されやすいといわれます。年数そのものより、その経験で何を身につけたかが問われます
  • 業態の一致:ラーメン店ならラーメン店、イタリアンならイタリアンなど、同業態での経験が望ましい
  • プラス評価:店長業務、シフト管理、発注・原価管理などのマネジメント経験

6. (開業済みの場合)税金の滞納やペナルティを受けたことがある

すでに開業しているオーナーの場合、確定申告書の控えや納税証明書などで、申告状況や納税履歴が確認されます。過去に税務調査で重加算税などのペナルティを受けていたり、税金を滞納していたりすると、融資審査は厳しくなります。

7. 自己資金が極端に少ない・貯蓄プロセスが不透明

現在の日本政策金融公庫の創業融資には、自己資金の額についての制度上の要件はありません。ただし、自己資金は事業に対する本気度と計画性を測る材料として、今も審査で重視されます。

日本政策金融公庫「2025年度新規開業実態調査」(公庫の融資先で開業後1年以内の企業が対象、不動産賃貸業を除く全業種)では、開業時の資金調達額(平均1,219万円)のうち、自己資金は平均279万円で、全体の2割程度(22.9%)を占めています。飲食店に限った数字ではありませんが、準備の目安として参考になります。

また、一時的に人から借りて口座に入れただけのお金(見せ金)や、カードローン等で調達した資金は自己資金として認められません。通帳を見て「毎月コツコツ計画的に貯めてきたプロセス」が確認できることが重要です。

8. 事業計画書の数値に根拠・整合性がない

「融資額は多めに書いておこう」「売上はこれくらいあればいいな」といった根拠のない事業計画書はすぐに見抜かれます。 客席数・客単価・回転数から導き出した売上見込み、仕入れ原価率、人件費、家賃などを精緻にシミュレーションし、なぜその融資額が必要で、どうやって返済していくのかを、数字で一貫して説明できることが欠かせません。

金融機関が返済の元手として見るのは、おおむね「税引後の利益+減価償却費」です。個人事業主の場合はここから生活費も差し引いたうえで、月々の返済額がその範囲に収まる計画になっているかを確認しましょう。(創業計画書の書き方についてはこちら:【飲食店向け】創業計画書の書き方完全ガイド!融資審査を通すポイントと業態別作成例(公認会計士監修))


もし融資審査に落ちてしまったら?

万が一審査に落ちてしまった場合、どのように対処すべきでしょうか。

① 再申し込みは6か月程度空けるのが目安

融資に落ちた直後に同じ金融機関へ再申請しても、状況が変わっていなければ同じ理由で断られる可能性が高くなります。制度として再申し込みの禁止期間が決まっているわけではありませんが、一般に6か月程度の期間を空けるのが目安とされています。

② 審査落ちの原因を分析・改善する

再申し込みまでの期間を使って、なぜ審査に通らなかったのか(自己資金不足、経験年数のアピール不足、計画書の甘さなど)を徹底的に洗い出し、改善策を実行します。

③ 飲食特化の税理士など専門家を頼る

独力で再挑戦しても、一度落ちた理由をクリアできなければ同じ結果になりかねません。融資に強い専門家(税理士など)のサポートを受け、事業計画書をブラッシュアップしたうえで再挑戦しましょう。自治体の制度融資(信用保証協会の保証付き融資)など、別の資金調達の方法を検討するのも有効な手段です。


まとめ:融資成功には綿密な事前準備と専門家の活用が鍵

飲食店の融資を成功させるためには、日頃の支払い管理や自己資金の準備はもちろん、説得力のある事業計画書の作成と面談対策が欠かせません。

「数字のシミュレーションが苦手」「事業計画書の作り方が合っているか不安」という方は、飲食業界に精通した専門家への相談がおすすめです。

REDISHでは、飲食店の開業資金の調達や、融資審査に向けた創業計画書の作成をサポートしています。開業資金の調達や経営中の資金繰りでお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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