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1 人の力は、AI でどこまで伸びるか|REDISH の仕事

1 人の力は、AI でどこまで伸びるのか。リディッシュでは、代表の私が自ら開発を主導し、その答えを毎日確かめています。 2026 年 3 月にいまの開発の置き場を作り、10 月の 1 か月だけでコードは約 310 万行増えました。 この特集では、その量を支える品質の仕組みと、AI を使うと人の力がどう伸びるか、そして仕事の中で AI の使い方が身につく仕組みを、画面と数字でお見せします。

3 月の約 14 万行が、10 月は 1 か月で約 310 万行に

私は公認会計士です。いまは会社の業務システムの開発を、私自身が主導しています。開発管理システムを操縦席にして、どの企画がどこで止まっているかを見て次の手を決め、AI と一緒に作っています。

社内の開発管理の実際の画面。企画からテーマ、変更(PR)までの流れで、進み具合と最後に動いた日を見る(文書の名前は伏せている)

(図)社内の開発管理の実際の画面です(文書の名前は伏せています)。企画からテーマ、変更(PR)までをつないで、どこが進み、どこで止まっているかを 1 画面で見ています。画像を押すと原寸で開きます。

2026 年 3 月に、いまの 2 つの開発の置き場を作りました。その月末までの累計は約 14 万行です。10 月は、1 か月で約 310 万行増えました。

月1 か月に増えた行数
4 月約 25 万行
5 月約 39 万行
6 月約 43 万行
7 月約 53 万行
8 月約 47 万行
9 月約 109 万行
10 月約 310 万行

2026 年 4 月から 10 月まで、1 か月に増えたコードの行数の棒グラフ。10 月が約 310 万行

(図)1 か月に増えたコードの行数です。9 月から伸び方が変わり、10 月は約 310 万行でした。画像を押すと原寸で開きます。

(社内の開発管理システムで測った値です。社内システムと開業支援のシステムの 2 つを合わせ、月末の時点の行数の差を取りました。データベースなどの自動生成ファイルは除き、試験のコードと、見本の画面(本番には出さない画面)のコードは含みます)

量だけでは、品質は守れない

1 か月で約 310 万行と聞くと、勢いで作っているように見えるかもしれません。量と同じだけ、品質を守る仕組みを作っています。

  • 増えた行の半分以上は試験です。 10 月に増えた行のうち 56% は、動きを確かめる試験のコードです。
  • 決まりは機械が見張ります。 守るべき決まりを文章で終わらせず、機械の点検にしています。点検は約 280 あり、うち 3 割ほどは違反を止め、残りは知らせます(2026 年 11 月 3 日に数えた値)。新しい点検は、わざと違反を入れて止まるのを見てから「できた」と呼ぶ決まりです。
  • 作った AI と確かめる AI を分けます。 機能の追加と直しの変更では、作った AI とは別の AI がコードと安全面を確かめます。
  • 本番に入る前に、自動の検査を通します。 型・試験・書式・機密の検査を通してから、本番に入れます。

10 月に増えた約 310 万行のうち、試験のコードが約 173 万行(56%)、それ以外が約 137 万行(44%)

(図)10 月に増えたコードの内訳です。半分以上が、動きを確かめるための試験です。画像を押すと原寸で開きます。

AI が誤りを見つけて止めた例もあります。8 月 30 日、お客様への LINE の未返信を知らせる処理を直す前の調査で、直すと過去 4 週間の 2,494 件について、誤った催促が 1 日 20 件ずつ約 4 か月続くことを AI が見つけました。翌朝の配信の前に、催促の候補を 0 件にしています。

AI を使うと、人の力はどこまで伸びるか — 私の仕事の具体例

AI が増やすのは、手の速さだけではありません。1 人で持てる仕事の幅が広がります。私自身の仕事で、具体例を挙げます。

企画を書いたその日に、22 の変更を本番へ

8 月 23 日、お客様の状態を管理する企画を書き、その日のうちに 22 の変更を本番に入れました。AI が約 7 時間続けて実装し、その間に私が入力したのは 0 回です。作る前に何を決めるかを企画書で詰めておけば、AI は止まらずに進められます。

7 つの画面に分かれていた月末の支払を、1 つの画面に

月末の支払業務は、7 つの画面に分かれていました。これを 1 つの画面にまとめ、月末の 3 営業日前から毎朝、振込の前に二重払い・口座なし・金額未確定を点検してメールで知らせる仕組みを入れました。銀行での最後の承認は、私が自分で押します。

共有ドライブの会議の記録を、ほぼ全部取り込めるように

8 月の時点で、会議の記録の約半分が AI に取り込まれていませんでした。探し方を変えたところ、共有ドライブにある 8 月分の記録は 270 件中 267 件(98.9%)が取り込まれるようになりました。その後 9 月の 4 週続けて、新しい探し方で見落とし、古い探し方でだけ見つかる記録は 0 件でした。個人のドライブに置かれた記録は、いまも対象外です。

提携先と受託のお客様のために、数日で作る

会計ソフトの提携先 freee 社の担当者が、紹介したお客様の進み具合を見る画面は、企画書を書いた 8 月 7 日のうちに本番へ出しました。受託では、税理士法人の公開サイトを 5 日で載せ替え、いまは当社の基盤から配信しています。個店連合会の会員向けクーポンコードは、発行から照合・事務局の管理・会員の画面までを 2 日で作りました。

AI の使い方は、こう学ぶ

AI は一流の専門家のように働きますが、私たちの会社のことは何も知りません。だから、渡し方で結果が変わります。社内の定例で私が伝えていることを、そのまま挙げます。

  • 手順と理由をセットで渡す。 答えだけを覚えさせても応用は利きません。新人に教えるのと同じで、どんな手順を経たか、なぜその結論にしたかを渡すと、AI の精度が上がります。
  • 短く、密度を高く渡す。 情報が多すぎると、AI は判断材料と雑音を混ぜて、かえって判断がぶれます。
  • 「これでいいですか」ではなく、提案の形で投げる。 返ってきた文もそのまま使わず、頼み方を直して質を上げます。
  • AI が「分からない」と答えた問いこそ大事にする。 人がそれに答えれば、次からは AI が答えられるようになります。
  • 手元の工夫を、会社の仕組みにする。 手元で AI を使ってうまくいくのは「家の手料理」です。それをお店の厨房とレシピ(仕組みと手順)にして会社に残すと、誰でも使えて商売として広がります。

社内の定例では、こう伝えています。「クロードに頭使わせることに頭使うんだよ」「頭使うポイントが変わってると思ってくれ」(2026 年 10 月 15 日)。自分が手を動かす代わりに、AI に何をどう考えさせるかに頭を使う。頭を使う場所が、1 段上がります。

仕事の中に、育つ仕組みがある

AI の使い方は、研修で身につけるものではありません。毎日の仕事の中で、頼む・返事を受ける・言葉にして残す、を繰り返して身につけます。その返事が、Slack で届きます。

仕事の中で育つ仕組みの図。AI に頼む、AI が作業する、Slack で返事が来る、言葉にして残す、の 4 つを毎日の仕事で回す

(図)AI に頼み、Slack で返事を受け、言葉にして残す。この 1 周を毎日の仕事で回します。画像を押すと原寸で開きます。

  • 社長の判断を覚えた AI に、Slack でいつでも相談できます。 私の過去の判断と考え方を覚えた AI の相談窓口があります。AI が答えられなかった問いは、私が答えて記録に足していきます。
  • 現場の声は、Slack から改修につながります。 2026 年 10 月の 1 か月に、現場から約 950 件の改修要望が届きました(11 月 3 日に数えた値)。要望を書くと AI が足りない点を聞き返し、早ければその週のうちに画面が直ります。
  • 振り返りには、AI が返事をします。 続けること・困ったこと・次に試すことを書くと、AI が返事をします。それを読んで、次の 1 手を磨きます。
  • 資料は、仕上げる前に見せます。 構成(目次)の段階で私に見せてもらい、その場で返事をします。手戻りが減り、1 本あたりの学びが速く回ります。

代表から、最先端の AI の使い方を直接学ぶ

私自身が生成 AI の活用の最先端を走り、生きた経営判断と、AI で仕組みを作る方法を、隣で直接学べます。入社した方は、職種に応じて最初の 3 か月から半年、私と並走します。少人数なので、経験が浅くても経営の会議に同席でき、私の判断の理由をその場で聞けます。

  • 会計士の方: 監査で鍛えた正しい業務の在り方を、AI の仕事と AI を育てることに当てはめます。お客様の月次の数字を AI と読み、打ち手を私に提案してもらいます。
  • コンサルの方: 課題を見つけ、AI と動く画面にし、現場で使われて結果が出るまでを自分で持ちます。提携先やお客様の現場でも、同じやり方で作ります。
  • セールスの方: 売るものを作る人の隣で、商談の準備から提案までを、AI を使って自分のものにします。

人に残る仕事

AI が担うのは作業です。何を作るかを決めること、相手の気持ちを読むこと、数字の意味を考えることは、人の判断として残ります。私が AI と働くときに決めているのは 2 つです。作る前に先人の知見を徹底的に調べること。すべての作業を、事業の結果から逆算すること。

伝えたいのは行数ではなく、1 人の力がここまで伸びるということです。同じやり方を身につけて、自分の力がどこまで伸びるかを一緒に確かめてください。

まだできていないこと

  • 記帳の自動化は途中です。会計ソフトへ自動で仕訳を入れる流れは 9 月に止めました。人が確定した案だけを入れる形に作り直す計画で、いまは自動では入っていません。
  • 作った画面のうち、現場で十分に使われていないものもあります。使われていない理由を現場に聞き、直し続けています。
  • 行数は仕事の量の目安で、価値そのものではありません。価値は、お客様と社員の仕事がどう変わったかで測ります。

次の一歩

職種ごとの仕事は、こちらにまとめています。まず 30 分、話を聞きに来てください。

リディッシュ株式会社 代表 松隈 剛