物件を探す時から始める!飲食店開業で成功するための集客戦略とクラウドファンディング活用術

物件を探す時から始める!飲食店開業で成功するための集客戦略とクラウドファンディング活用術

【この記事を監修した人】 公認会計士 松隈剛 公認会計士の資格を取得後、トーマツ監査法人で公開監査に従事。その後、PwCでM&Aを担当。スパークスグループにてファンドマネージャーとして活躍。2015年にリディッシュ株式会社を創業。提携税理士法人であるクロスポイント税理士法人にシニアアドバイザーとしてジョイン。


目次


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1. はじめに:飲食店開業と集客の重要性

飲食店の開業は、人々の生活に欠かせない「食」を提供するビジネスであり、大きな魅力と可能性を秘めています。地域のコミュニティを支えたり、観光客を呼び寄せたり、新しい食文化を発信する場になるなど、社会的意義も非常に高いものです。一方で、実際に開業してから軌道に乗るまでには多くのハードルがあり、思ったほど集客できずに早期閉店を余儀なくされるケースも少なくありません。

特に「物件を探している段階」から、すでに開業後の集客を見据えた準備を始めることが成功への大きな鍵となります。物件初期費用や内外装工事、厨房設備などで多額の資金が必要となる開業直後は、固定費も発生し続けます。売上が見込めるようになるまでの資金繰りリスクを低減するためにも、「物件探し〜開業前の集客施策」が極めて重要です。

集客施策の基本は、「なぜお客様が自分のお店に来るのか」を明確にすることです。ターゲット層を具体的にイメージし、自店の独自性を打ち出しつつ、オープン前から認知度を高める取り組みを行うことで、初日から満席を目指せる状況を作り出すことができます。

近年、この「開業前の認知度アップと資金調達」を同時に実現する手段として注目を集めているのがクラウドファンディングです。本コラムでは、物件探しの段階から知っておきたい集客戦略と、クラウドファンディングの具体的な活用術を詳しく解説します。


2. 物件選び・融資・事業計画の基本:集客戦略との関わり

物件選び

2-1. 物件選びと地域特性

飲食店開業の成否を大きく左右するのが物件選びです。どのエリアに店を構えるかによって、来店客の属性や客単価、営業時間帯、必要なスタッフ数などが劇的に変わります。

  • ビジネス街:ランチタイムが主軸。夜の集客・客単価アップの施策が鍵。
  • 住宅街:ファミリー層や近隣住民を意識したメニュー・空間づくりが必須。
  • 観光地:インバウンドや遠方からの集客、多言語対応が必要。

【物件選びで注目したいポイント】

  • 立地条件:駅やバス停からの距離、視認性、駐車場の有無
  • 周辺環境:競合店の有無、オフィスビルや大学などの人流拠点
  • 家賃と収支バランス:想定売上に対して無理のない家賃設定か
  • 客単価と回転率:業態に合った席数と空間デザインが可能か
  • 地域特性:ターゲット層の生活動線や消費傾向に合致しているか

物件の検討には時間と労力がかかりますが、この段階での慎重なリサーチが、後々の集客や採算性に直結します。

2-2. 融資と事業計画書

事業計画書

物件取得費や内装工事費、厨房設備費など、多額の初期費用を自己資金だけで賄うのは困難なため、日本政策金融公庫や銀行からの融資を活用するのが一般的です。(創業計画書の書き方はこちら:【飲食店向け】創業計画書の書き方完全ガイド!融資審査を通すポイントと業態別作成例(公認会計士監修)

融資審査で重視される「事業計画書」には、以下の項目を盛り込みます。

  • 店舗概要(立地、面積、席数、営業時間)
  • ターゲット層と価格帯
  • メニュー構成と原価率・人件費計画
  • 売上予測と収支計画(客数×客単価)
  • マーケティング・集客戦略(SNS、チラシ、クラウドファンディング等)
  • 店舗のコンセプトと差別化要素

金融機関は「確実に返済できるか」を判断します。ここでクラウドファンディングを活用して開業前からファンを獲得し、集客の目途が立っていると示せれば、事業の実現可能性が高く評価され、融資審査においてプラス材料になり得ます。なお、支援金はリターン提供の義務を伴うため、集めた資金が融資審査上「自己資金」として扱われるかどうかは金融機関によって判断が異なります。事前に融資担当者へ確認しておくと安心です。

2-3. 集客戦略と開業準備の関連性

物件探しや内装工事、メニュー開発に追われると、集客施策が後回しになりがちです。しかし、オープン直前に慌てて宣伝を始めても認知が間に合わず、「開店したのに誰も来ない」という事態に陥ってしまいます。

理想的なスケジュールでは、オープン2〜3ヶ月前からSNS公式アカウントの運用やクラウドファンディングを開始し、店舗づくりの裏側やメニュー開発のプロセスを発信していきます。これにより、オープン前に潜在顧客とのエンゲージメントを高めることができます。ただし、クラウドファンディングの入金は多くの場合プロジェクト終了の翌月末頃になるため、内装工事や設備購入など開業前に発生する支払いには間に合わないこともあります。開業資金として過度に当てにせず、認知度向上・ファンづくりの施策と割り切って計画するのが安全です。

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3. クラウドファンディングとは? 飲食店でのメリットと活用意義

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディングの概要

Makuake/CAMPFIRE/READYFOR

クラウドファンディング(クラファン)は、インターネットを介して不特定多数の人々から資金を集める仕組みです。MakuakeCAMPFIREREADYFORなどが代表的なプラットフォームです。

飲食店でクラウドファンディングが注目される4つの理由

  1. 資金調達手段 自己資金や銀行融資にプラスして資金を確保できます。
  2. 認知度向上(強烈なPR効果) プラットフォームの既存ユーザーやSNS拡散を通じ、開店前に店舗のコンセプトを広くアピールできます。
  3. 初期ファン(リピーター候補)の獲得 「応援したい」という熱量を持った支援者は、オープン後に真っ先に訪れてくれるコアなファンになります。
  4. 顧客ニーズの事前テスト(フィードバック獲得) メニュー案や価格帯に対する反応を事前に確認・改善してからオープンを迎えることができます。

飲食店ならではの「体験型リターン」

飲食店は「食事券」「プレオープン招待」「限定メニュー優先券」「VIP会員権」など、具体的で魅力的なリターンを設定しやすいため、クラファンとの相性が抜群です。

クラウドファンディングの税務上の注意点

飲食店でよく使われる購入型のクラウドファンディングで集めた資金は、リターンの対価として課税の対象になります。入金時点では「前受金」として処理し、食事券などのリターンを提供した時点で売上に計上します(食事券型の場合、開業後に利用されるため売上計上も開業後になるケースがあります)。個人事業主なら事業所得、法人なら法人の売上として、プラットフォーム手数料やリターンの原価などを差し引いた額に課税されます。また、原則として消費税の課税取引にもなります。「集めた金額=自由に使えるお金」ではない点を、事業計画・資金繰り計画に織り込んでおきましょう。

なお、プラットフォームの手数料は、主要サイトで税込15〜22%程度が目安です(Makuake:約22%、CAMPFIRE:約18.7%、READYFOR:約14%+税)。手数料や入金条件は変更される可能性があるため、実際に利用する際は各社サイトで最新の情報をご確認ください(2026年9月時点の情報)。


4. クラウドファンディングを活用した集客戦略

クラウドファンディングを活用した集客戦略

4-1. プロジェクト設計:ターゲット・魅力の明確化

「誰に、どんな価値を提供する店なのか」というコンセプトとストーリーづくりが重要です。店主の熱い想いや地域の魅力を盛り込むことで、共感の輪が広がります。

4-2. リターン(返礼)の設定

ライト層(1,000円〜3,000円)から、コアな支援者向け(10,000円〜100,000円超)まで、幅広い価格帯のリターンを用意します。「お店のオープンに関われた」という特別感を提供することがポイントです。

4-3. SNS・PR活動の強化

クラファンを出しただけで自然に集まることは稀です。InstagramやX(旧Twitter)、プレスリリースなどを駆使し、工事の進捗報告や試作メニューの動画などを積極的に発信してプロジェクトへ誘導しましょう。


5. 開業前の認知度アップとファンづくり:具体的メリット

開業前の認知度アップとファンづくり

開業前に認知度を高めておくことで、以下のような絶大なメリットが得られます。

  • オープン初日からの売上確保:オープン直後の不安定なキャッシュフローを強力に補強。
  • 口コミの自然発生:熱量の高い支援者がSNSや口コミサイトで進んでPRしてくれる。
  • ブランディングの確立:単なる「飲食店」ではなく「ストーリーのあるお店」として認知される。
  • オペレーションの段階的改善:プレオープンイベント等を通じて、接客や厨房のオペレーションを事前に確認・改善できる。

6. 開業後のマーケティング:リピーター獲得と継続的な集客

リピーター獲得と継続的な集客

オープン後も一過性の話題で終わらせず、リピート率を高める施策を継続します。

  • LINE公式アカウント・メルマガの活用:次回使えるクーポンや限定イベント案内を配信。
  • Googleビジネスプロフィールの最適化(MEO):写真の更新や口コミへの丁寧な返信で地域検索の上位を目指せます。
  • 数値管理とPDCA:客数・客単価・原価率・人件費率(原価率と人件費率を合計してFLコスト)を定期的に確認し、改善策を実行。(FL比率の改善方法はこちら:【税理士監修】飲食店の人件費率の目安とは?FL比率から考える利益改善のポイント

7. 飲食店開業成功のカギは事前計画と集客施策

飲食店開業成功のカギ

物件を探す段階から集客戦略を組み込み、クラウドファンディング等の事前施策を実行することで、開業リスクを下げることにつながります。計画的な準備と分析を怠らず、長く愛されるお店づくりを目指しましょう。


8. 導入事例・成功実績

事例

REDISH集客は、飲食店特化型のクラウドファンディング支援に取り組んでいます。一般的にはクラウドファンディングの1人あたりの支援額は数千円程度と言われていますが、REDISHがサポートした三軒茶屋の完全会員制焼肉『元三』のプロジェクトでは、支援金額23,587,000円をサポーター839人で割ると、1人あたり約2.8万円となった事例もあります。

【実績事例の一部紹介】(開業前の資金調達・認知度アップ)

プロジェクト名支援金額達成率備考
三軒茶屋 完全会員制焼肉『元三』23,587,000円4,717%(目標約50万円)Makuake公式ページで確認済み。サポーター839人
赤坂 船上江戸前鮨19,252,600円3,850%(目標約50万円)Makuakeのプロジェクト自体は確認済みだが、ページ仕様上、最終金額までは未確認。社内記録での確認を推奨

既存店の集客・会員募集での活用事例:ミシュランガイド東京で一つ星を獲得した『Series』の姉妹店『Series the Sky』では、2023年4月のオープン後、2024年頃にMakuakeでお試しコース・会員募集を行い、支援金額7,277,800円(達成率1,456%、目標約50万円)を集めました。開業前の資金調達・認知度アップだけでなく、開業後の集客・会員募集にもクラウドファンディングを活用できる事例です。

→ その他の事例集を見る


9. FAQ(よくある質問)

Q1. 飲食店がクラウドファンディングを利用するメリットは何ですか?

A: 資金調達だけでなく、開業前に店舗の認知度を高め、熱量の高い「初期ファン」を獲得できる点です。SNSや口コミを通じた拡散効果も期待できます。

Q2. クラウドファンディングを始めるベストなタイミングはいつですか?

A: 開業の2〜3ヶ月前からのスタートが理想的です。物件が決まり、オープン日程やコンセプトが明確になったタイミングで実施すると効果的です。ただし、入金はプロジェクト終了の翌月末頃になることが多く、内装工事や設備購入などの支払いには間に合わないケースもあるため、開業資金としてはあてにしすぎず、別途余裕を持った資金計画を立てておきましょう。

Q3. 物件探しや内装工事と並行してクラファンを行うのは大変ではありませんか?

A: 確かに準備作業は多いですが、開店後の集客ロケットスタートを切るためには非常に重要なプロセスです。REDISHのような専門サポートを活用することで、負担を最小限に抑えることができます。

Q4. 開業後の売上が伸び悩んだ場合、どう改善すべきですか?

A: 売上を「客数×客単価」に分解し、新規獲得(MEO・SNS)とリピート施策(LINE・ポイントカード等)のどちらに課題があるかを数値から特定して改善を行います。


10. まとめ

飲食店開業で成功するためには、「良い物件を見つけて良い料理を出す」だけでは不十分です。物件探しの段階から明確な集客戦略を描き、クラウドファンディングなどを活用して開店前からファンを作っておくことが安定経営への最短ルートとなります。

REDISHでは、飲食店の開業・集客・資金調達をトータルでサポートしています。

  • 事業計画書の作成・融資相談
  • クラウドファンディングの企画・制作・運用支援
  • 開業後の集客・マーケティング戦略のご提案

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