税理士に頼むといくらかかる?確定申告の費用相場と自分で申告する方法【飲食店向け】

税理士に頼むといくらかかる?確定申告の費用相場と自分で申告する方法【飲食店向け】

飲食店経営や開業、税務・集客に関するご相談を受け付けています。

飲食店の開業準備や日々の店舗運営に追われるなか、「確定申告や日々の帳簿付けをどうすべきか」「税理士に頼むと費用はいくらかかるのか」と悩んでいませんか。

仕込みや接客、スタッフ管理で忙しい飲食店オーナーにとって、税理士は事務負担を減らし、正確な申告や節税対策をサポートしてくれる心強いパートナーです。一方で、開業初期はコストを抑えるために自分で確定申告をしたいと考える方も少なくありません。

この記事では、税理士に依頼する場合の費用相場や料金が決まる仕組み、税理士に依頼すべきタイミングと選び方を詳しく解説します。あわせて、自分で確定申告を進める方法やポイントも紹介しますので、税理士に依頼するかどうかの判断材料としてぜひ参考にしてください。

※本記事は2026年10月時点の情報に基づいています。


税理士に確定申告などを依頼した場合の費用相場

税理士費用は、依頼する業務の範囲(確定申告のみか、月次顧問も含むか)や、事業規模(個人事業主か法人か、年商いくらか)によって大きく変動します。

費用相場は「依頼範囲」と「事業規模」で変わる

個人事業主や小規模法人が税理士に依頼できる主な業務には、以下のようなものがあります。

  • 確定申告書の作成・提出
  • 月次顧問(定期的な帳簿チェックや業績報告、経営・節税相談)
  • 記帳代行(領収書や通帳コピーからの仕訳入力)
  • 創業支援・融資(借入)サポート
  • 年末調整・法定調書作成
  • 税務調査対応

どこまで税理士に任せるかによって費用は大きく変わるため、まずは一般的な相場を把握しておきましょう。

確定申告のみを依頼する場合の相場

年に1回の決算・確定申告手続きだけをスポットで依頼する場合の費用相場です。

個人事業主の場合

  • 年商500万円未満:8万円程度
  • 年商500万円〜1,000万円未満:8万〜10万円程度
  • 年商1,000万円〜3,000万円未満:15万円程度〜
  • 年商3,000万円〜5,000万円未満:20万〜25万円程度

個人事業主が確定申告のみを依頼する場合、年商1,000万円未満なら10万円前後、1,000万円を超えると15万円以上が目安となります。

法人の場合(決算申告のみ)

  • 年商1,000万円未満:15万円程度〜
  • 年商1,000万円〜3,000万円未満:20万円程度〜
  • 年商3,000万円〜5,000万円未満:25万円程度〜

法人は個人事業主よりも作成書類が多く複雑なため、確定申告単発でも15万円以上かかるケースが一般的です。ただし法人の場合は、年間を通じてサポートを受ける顧問契約を結ぶケースが大半です。

月次顧問と確定申告をセットで依頼する場合の相場

毎月の帳簿確認や経営相談を受ける「月次顧問」と「確定申告」をセットで依頼する場合、月額顧問料に加えて決算申告料(月額顧問料の4〜6ヶ月分程度)が発生するのが一般的です。小規模な個人店であれば、決算・確定申告料は5万〜15万円程度が目安です。

以下は、記帳(会計ソフトへの入力)は自分で行い、毎月〜2ヶ月に1回程度の面談(オンライン含む)を受ける場合の顧問料の目安です。面談が年に数回程度のプランなら下限寄り、毎月訪問のプランなら上限寄りになります。

記帳代行まで含めて依頼する場合は、ここに記帳代行料が上乗せされます。飲食店は日々の売上や仕入れの仕訳が多いため、記帳代行込みで依頼すると、小規模な個人店でも月額3万〜5万円程度になることが一般的です。

個人事業主の場合

  • 年商500万円未満:月額1万〜2万円程度
  • 年商500万円〜1,000万円未満:月額1.5万〜2.5万円程度
  • 年商1,000万円〜3,000万円未満:月額2万〜3万円程度
  • 年商3,000万円〜5,000万円未満:月額2.5万〜4万円程度

たとえば年商1,000万円で顧問料が月額2万円、確定申告料が顧問料5ヶ月分(10万円)の場合、年間総額は約34万円となります。

法人の場合

  • 年商1,000万円未満:月額2万〜3万円程度
  • 年商1,000万円〜3,000万円未満:月額2.5万〜4万円程度
  • 年商3,000万円〜5,000万円未満:月額3万〜5万円程度
  • 年商5,000万円〜1億円未満:月額4万〜6万円程度

たとえば年商3,000万円の法人で顧問料が月額3万円、決算料が顧問料5ヶ月分(15万円)の場合、年間総額は約51万円です。記帳代行も依頼する場合は、さらに記帳代行料が加わります。


税理士費用が決まる5つのポイント

税理士の料金体系は事務所ごとに定められていますが、主に以下の5つの要素によって金額が決まります。

1. 依頼範囲(確定申告・月次顧問・記帳代行)

  • 確定申告:申告書の作成と提出を依頼。事務負担を大きく減らせる。
  • 月次顧問:毎月の試算表作成や業績確認、節税対策や経営相談を受けられる。
  • 記帳代行:領収書やレシートの整理、会計ソフトへの入力を丸投げできる。

どこまで自力で行い、どこから税理士に任せるかで費用は大きく変わります。

2. 売上規模(年商)

売上が大きい事業者ほど取引量が多く、税務上の論点も増えるため、売上規模に応じて顧問料や申告料が高くなる料金体系が一般的です。

3. 顧問としての関与・面談頻度

毎月面談を行う「月次」ではなく、「2〜3ヶ月に1回」の訪問やオンライン面談にすることで、月額顧問料を数千円〜1万円程度抑えられるプランを用意している事務所もあります。

4. 取引数・仕訳数

飲食店のように、日々の現金売上や少額の仕入れ・経費の領収書が多く発生する業種では、仕訳数が多くなりがちです。記帳代行を依頼する場合、仕訳数(月100件、300件など)に応じて段階的に費用が加算されるのが一般的です。

5. 所得の種類・申告区分(青色・白色)

複式簿記での記帳が必要で節税メリットの大きい「青色申告」は、記帳が簡易な「白色申告」よりも作成書類が多いため、費用が高めに設定されることがあります。また、店舗売却などの譲渡所得がある場合は別途見積もりが必要になります。


記帳代行やオプション業務の費用相場

基本の顧問料や確定申告料以外に発生しやすいオプション費用の相場は以下のとおりです。

項目費用相場(目安)備考
記帳代行月額10,000円〜(100仕訳程度)、または1仕訳50〜100円飲食店は仕訳数が多く、月1万円を超えることも多い。領収書整理から丸投げの場合は割増になることも
年末調整・法定調書基本料10,000円+従業員1人あたり1,500円程度アルバイト・パートを雇用している場合に発生
償却資産税申告1自治体あたり10,000円程度厨房機器や内装設備などを保有している場合
税務調査立会い日額3万〜5万円程度(顧問先の場合)スポット依頼の場合は日額10万円前後になることも
創業融資・補助金支援着手金+成功報酬(調達額の3〜10%程度)事業計画書の作成支援や金融機関対応
会計ソフト利用料月額1,000〜5,000円程度個人向けは月1,000〜3,000円程度のプランが中心。法人向けは高めの傾向

なお、税理士に支払う報酬は、事業に必要な費用として経費(支払手数料など)に計上できます。


飲食店が税理士への依頼を検討すべき4つのタイミング

「いつから税理士に依頼すべきか」で悩んだら、以下の4つのタイミングを参考にしてください。

1. 開業・創業融資を受けるタイミング

日本政策金融公庫などの創業融資を活用する場合、実現可能性の高い事業計画書(創業計画書)や収支予測の作成が必要です。税理士のサポートを受けることで、数字の根拠を整理した計画書を作りやすくなり、資金調達をスムーズに進めやすくなります(融資の可否は金融機関の審査で決まります)。(創業計画書の書き方についてはこちら:【飲食店向け】創業計画書の書き方完全ガイド!融資審査を通すポイントと業態別作成例(公認会計士監修))

2. 店舗運営が忙しく事務作業が追いつかないタイミング

開業直後や繁忙期は、仕込み・接客・採用などに追われ、帳簿付けが後回しになりがちです。確定申告直前に慌てて作業するとミスが発生しやすくなります。本業に集中して売上を伸ばすためにも、記帳や申告の外注は有効な投資といえます。

3. 売上が1,000万円を超えた(またはインボイス発行事業者になった)タイミング

個人事業主の場合、原則として2年前(基準期間)の課税売上高が1,000万円を超えると、その年は消費税の課税事業者となり、消費税の申告が必要になります。また、前年1〜6月(特定期間)の課税売上高と給与等の支払額がいずれも1,000万円を超えた場合も課税事業者となるため、売上が伸び始めた段階で早めに確認しておきましょう。

インボイス(適格請求書)を発行するために登録した場合は、売上高にかかわらず課税事業者となります。登録によって課税事業者になった個人事業主は、2026年分までは納税額を売上にかかる消費税額の2割にできる「2割特例」、2027年分・2028年分は3割にできる「3割特例」を使える場合があります。どの計算方法が有利かの判断や、仕入税額控除のための帳簿・請求書の管理は複雑なため、専門家のサポートを受けるメリットが大きくなります。

4. 法人化(法人成り)を検討するタイミング

店舗の利益が増えてきたら、個人事業主から法人化することで税負担を抑えられる場合があります。ただし、社会保険料の負担や、赤字でもかかる法人住民税の均等割など、法人化によって増えるコストもあるため、損得はシミュレーションしてから判断することが大切です。法人設立の手続きや設立後の決算申告は複雑なため、税理士に相談するのが一般的です。


飲食店に合った税理士の選び方と失敗しないコツ

税理士を選ぶ際は、単に費用の安さだけで決めるのではなく、相性と飲食業界への理解度を重視することが大切です。

1. 飲食業特有の商慣習に詳しいか

飲食店には、日々の現金・キャッシュレス売上の管理、食材のロスや棚卸し、FL比率(食材費と人件費の合計が売上に占める割合)の管理など、特有の論点が多くあります。飲食店のクライアントを多く抱える税理士であれば、業界の相場観を踏まえた実践的なアドバイスが得られます。(FL比率についてはこちら:【税理士監修】飲食店の人件費率の目安とは?FL比率から考える利益改善のポイント)

2. コミュニケーションが円滑でレスポンスが早いか

「連絡しても返事が遅い」「質問しづらい雰囲気がある」といった不満は少なくありません。LINEやチャットツールでの連絡が可能か、親身に相談に乗ってくれるかなど、初回面談時に相性を確認しておきましょう。

3. 税理士に依頼する際の注意点

  • 依頼範囲を事前にすり合わせる:記帳代行が含まれているか、年末調整は別料金かなどを契約前に確認する
  • 確定申告の直前に依頼しない:申告期限の間際は税理士も繁忙期のため、断られたり特急料金がかかったりすることがある
  • 資料は早めに共有する:レシートや請求書をため込まず、定期的に共有して正確な試算表を出してもらう

自分で確定申告を行う方法とポイント

コストを抑えるために、まずは自分で確定申告を行いたい場合のポイントをケース別に解説します。

開業前・副業段階:国税庁の作成コーナーを活用

会社員として働きながら、週末の間借り営業やイベント出店などで飲食の収入を得ている場合、給与以外の所得(収入から経費を引いた金額)が年間20万円を超えると確定申告が必要です。この「20万円以下なら申告不要」は給与所得者向けの特例で、20万円以下でも住民税の申告は必要です。取引数が少ないこの段階であれば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」に、エクセル等で集計した数字を入力して申告できます。

また、開業前に支払った市場調査や研修、物件の下見などの費用は、「開業費」として開業後に経費に計上できる場合があります。開業前の領収書も捨てずに保管しておきましょう。

個人事業主:クラウド会計ソフトを導入して青色申告

個人事業主として店舗を構えている場合は、青色申告を選ぶのがおすすめです。複式簿記での記帳や期限内の申告、e-Taxでの提出(または優良な電子帳簿の保存)などの要件を満たすと、所得から最大65万円の青色申告特別控除が受けられます(2026年分の場合)。なお、2027年分からは控除の区分が見直され、優良な電子帳簿の保存などを満たす場合の75万円控除が新設される一方、55万円控除は廃止され、書面で申告した場合の控除は最大10万円になります。

青色申告を始めるには、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があります。期限は原則として、開業日が1月15日以前ならその年の3月15日まで、1月16日以後なら開業日から2ヶ月以内です。開業届と一緒に提出しておくと安心です。

複式簿記での記帳が必要になりますが、クラウド会計ソフト(マネーフォワード クラウドやfreeeなど)を使えば、銀行口座やクレジットカード、POSレジと連携して自動で仕訳候補を提案してくれます。簿記の専門知識が少なくても、日々の入力作業を効率化できます。

法人:税理士への依頼が現実的

法人の決算申告は、勘定科目内訳明細書や法人事業概況説明書、別表と呼ばれる各種税務書類の作成が必要となり、専門知識なしで自力申告するのは極めて困難です。法人の場合は最初から税理士に依頼することをおすすめします。


まとめ:費用とメリットを比較して最適な方法を選ぼう

税理士に依頼すると費用は発生しますが、その分、次のような大きなメリットがあります。

  • 面倒な事務作業から解放される
  • ミスなく正確な申告ができる
  • 節税や資金繰りの相談ができる

開業初期で予算が限られている場合は、クラウド会計ソフトを活用して自力で申告するのも一つの手です。しかし、売上が伸びてきたり日々の店舗運営に追われたりするようになったら、無理をせず税理士への依頼を検討しましょう。

なお飲食店の場合は、現金売上の管理や食材原価の扱いなど業種に固有の論点があります。飲食業での実績がある税理士に依頼すると、記帳の代行にとどまらず、FL比率や人件費率をふまえた相談ができます。REDISHの飲食店専門の税務顧問・記帳代行は、記帳代行と月次決算を含めて月額1万円〜(税別)、税務申告(年1回)は10万円〜(税別)です。着手金なしの年間契約制で、税務業務は飲食店を専門とする提携税理士法人が担当します。

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