【飲食店開業】コンセプトの決め方を完全解説!失敗しないための4ステップと6W2Hフレームワーク

【飲食店開業】コンセプトの決め方を完全解説!失敗しないための4ステップと6W2Hフレームワーク

飲食業界は私たちの生活に身近な存在であり、毎年多くの人が新規参入する業種です。中小企業庁「2022年版 小規模企業白書」(第1-1-37図)でも、「宿泊業,飲食サービス業」は開業率・廃業率がともに全業種で最も高く、事業所の入れ替わりが盛んな業種とされています。

廃業の要因の一つとされるのが未経験ゆえの準備不足です。そして開業準備の成否を左右する最初の重要なステップが、店舗のコンセプト設計です。

「コンセプトが大事なのはわかるけれど、具体的にどう決めればいいかわからない…」とお悩みの方へ向けて、本記事では失敗しにくい飲食店コンセプトの作り方をわかりやすく解説します。

(飲食店の廃業率についてはこちら:廃業率9割の世界で生き残る!厳しい飲食業界で成功する店舗の「4つの共通点」と経営者の覚悟)

※本記事は2026年9月時点の情報に基づいています。


1. なぜ「なんとなく」のコンセプトでは失敗するのか?

「おしゃれで写真映えして、みんなが集まれるカフェ」 「シンプルで落ち着いた雰囲気のイタリアン」

一見魅力的に思えるかもしれませんが、このような表面的な言葉だけで作られたコンセプトは危険です。ターゲットや店舗の強みが曖昧になり、誰の心にも刺さらない「どっちつかずなお店」になってしまいます。

「なんでも売る」はNG!最初はターゲットを徹底的に絞る

開業時は「老若男女だれでも来てもらいたい」「和食も洋食も両方出したい」と考えがちです。しかし、ターゲットやメニューを広げすぎると以下のリスクが生じます。

  • 仕入れ食材の種類が増えて廃棄ロスが増加する
  • 厨房オペレーションが複雑化し、スタッフの負担が増える
  • 店舗の専門性や強みがお客さまに伝わらない

メニューを広げるのは、経営が軌道に乗ってからでも遅くありません。まずは軸となるターゲットを絞り込み、独自の魅力を確立することを最優先にしましょう。


2. 飲食店コンセプトを決める4つの実践ステップ

ここからは、具体的かつブレないコンセプトを構築するための4つのステップを紹介します。各ステップの例は、1軒のスペインバルを開業するケースを想定しています。

ステップ①:ターゲットを具体的に定義する

単に「若い会社員」とするのではなく、ライフスタイルが想像できるレベルまで解像度を上げましょう。

以下の4つの要素を掛け合わせて設定するのがおすすめです。

  • 年代(例:20代後半〜30代)
  • 性別(例:男女とも。一人客も想定)
  • 家族構成・ライフステージ(例:単身、または子どものいない共働きの会社員)
  • 食の好み・価値観(例:仕事帰りに本格的な料理とワインを手頃な価格で楽しみたい。有機野菜など素材にもこだわりたい)

ターゲットを絞り込むことで、店舗設計やメニュー構成、価格設定で力を入れるべきポイントが自然と見えてきます。

ステップ②:業種・業態・客単価を決める

提供する料理(業種)だけでなく、「どのように売るか(業態)」を明確にします。

  • 業種(何を売るか):そば、焼肉、イタリアン、スペイン料理など
  • 業態(どう売るか):ファストフード、テイクアウト専門店、立ち飲み、バル、キッチンカー、ゴーストレストラン(客席を持たないデリバリー専門店)など
  • 客単価:昼は約1,000円、夜は約4,000円など、時間帯ごとの目安を数値化

ステップ③:SWOT分析で自店の強みと環境を掛け合わせる

自店の強み・弱みと、周囲の市場環境を整理するために「SWOT(スウォット)分析」を活用しましょう。

要素項目具体例
S(強み)自店の特徴・経験本場スペインでの修業経験、有機野菜農家からの独自の仕入れルート
W(弱み)課題・制約資金が少なめ、ビルの3Fで通りから目立たない
O(機会)トレンド・外部環境近隣の住宅街・オフィスに仕事帰りの会社員が多い、健康志向ブーム
T(脅威)競合・外部リスク駅前に低価格の居酒屋チェーンがある、エリア内の店舗入れ替わりが激しい

「ビルの3Fで通りから目立たない(弱み)」場合でも、見せ方を変えれば「隠れ家風の落ち着いた空間(強み)」に転換できます。 また、弱みと機会を掛け合わせる(例:目立たない3Fの立地 × 近隣の会社員 = 仕事帰りの客に向けて「隠れ家バル」としてSNSで発信し認知拡大)ように、4つの要素を組み合わせて打ち手を考える方法は「クロスSWOT分析」と呼ばれます。表を埋めて終わりにせず、柔軟なアイデアにつなげましょう。

ステップ④:「6W2H」で具体的な店舗像に落とし込む

考えた内容を「6W2H」のフレームワークに当てはめて文章化します。

  • Who(誰が):本場スペインで修業を積んだ店主が
  • Whom(誰に):仕事帰りに一人〜少人数で本格スペイン料理とワインを楽しみたい、近隣に住む・勤める20代後半〜30代の会社員に
  • Where(どこで):住宅街とオフィス街の間にある、商店街から一本入った路地沿いのビルの3Fで
  • What(何を):有機野菜を使ったスペイン料理と厳選ワインを
  • Why(なぜ):敷居が高すぎない価格で、本場のバル文化を日常的に楽しんでもらうため
  • When(いつ):ランチ 11:00〜14:00/ディナー 18:00〜24:00
  • How(どのように):カウンター8席+テーブル5卓。昼はサラダバー、夜はタパス中心
  • How much(いくら):ランチ客単価約1,000円、ディナー客単価3,500円〜4,500円

3. コンセプト作りは「行きつ戻りつ」で磨き上げる

コンセプト設計は一度で完璧に仕上げる必要はありません。6W2Hを埋めている最中に「やっぱりターゲットの年齢層を変えよう」「業態をテイクアウト中心にしよう」と前のステップに戻っても問題ありません。

コンセプトが固まったら「売上の数字」で確かめる

見直しの際に役立つのが、コンセプトを数字に置き換えてみることです。飲食店の売上は客単価×席数×回転率×営業日数で試算できます。

たとえば上記のスペインバルで、テーブル5卓を4人掛けと仮定すると、席数はカウンター8席+テーブル20席の28席です。

  • ランチ:客単価1,000円 × 28席 × 回転率1.0回 = 1日28,000円
  • ディナー:客単価4,000円(3,500円〜4,500円の中間値)× 28席 × 回転率0.8回 = 1日89,600円
  • 月の売上(営業日25日):(28,000円+89,600円)× 25日 = 294万円

この売上で、食材費・人件費・家賃・水道光熱費・融資の返済をまかなえるかを確認します。目安として、FL比率(食材費と人件費の合計が売上に占める割合)は60%以下、家賃は売上の10%以内が一般的とされます。月294万円の場合、食材費と人件費の合計は約176万円、家賃は約29万円までが目安です。

収まらない場合は、客単価・席数・営業時間などコンセプトのどこを見直すかを検討しましょう。ここで作った数字は、創業計画書や事業計画書の売上計画の土台になります。

何度も見直しを重ねてブラッシュアップした時間は、開業後の店舗運営を支える強力な軸となります。

(事業計画の考え方についてはこちら:開業判断ワークシート — 自分の数字で「1日何人来れば黒字か」を出す全手順)


まとめ:飲食店の開業準備・コンセプトづくりならREDISHにご相談ください

明確なコンセプトは、内装デザイン・メニュー開発・価格設定・販促活動など、すべての開業準備の「羅針盤」になります。

「コンセプトのまとめ方に自信がない」「事業計画や資金調達をどう進めればいいかわからない」という飲食店オーナー様・開業検討中の方は、ぜひREDISH(リディッシュ)にお気軽にご相談ください。

REDISHは飲食店専門の経営サポート・会計事務所として、コンセプト設計から開業支援、融資サポート、補助金・助成金申請、日々の経理・記帳代行までトータルで伴走いたします。まずは無料相談よりお問い合わせください。

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