【飲食店向け】接客用語マニュアル!間違えやすい敬語NG例とスタッフ教育のポイント

【飲食店向け】接客用語マニュアル!間違えやすい敬語NG例とスタッフ教育のポイント

飲食店の開業準備やオープン直後の店舗運営において、オペレーションやメニュー開発と並んで重要なのがスタッフの接客教育です。

「料理は美味しかったのに、店員の言葉遣いが気になって不快だった」といった理由で、Googleビジネスプロフィールや食べログなどの口コミに低評価を書かれてしまうケースは少なくありません。

そこで今回は、飲食店で必ず押さえておきたい基本の接客10大用語と、スタッフが使ってしまいがちな間違えやすい接客用語のNG・OK例をわかりやすく解説します。スタッフへの指導やマニュアル作成にぜひお役立てください。

※本記事は2026年10月時点の情報に基づいています。


1. 飲食店でマストとなる「基本の接客10大用語」

まずは、どのような業態の飲食店であっても必須となる基本フレーズです。アルバイトスタッフを含め、全従業員が自然と口から出るように定着させましょう。

接客10大用語使用シーンの目安
いらっしゃいませお客様のご来店時・お迎え時
かしこまりましたご注文やご要望を承ったとき(「わかりました」「了解です」はNG)
少々お待ちくださいませお客様をお待たせするとき
お待たせいたしました料理の提供時、お席へのご案内時
恐れ入りますお客様にお願いや確認をするとき(クッション言葉)
申し訳ございませんご迷惑をおかけしたとき(「ごめんなさい」「すみません」はNG)
ありがとうございます会計時、お褒めいただいたとき、退店時(「ありがとうございました。またお越しくださいませ」)
失礼いたしますテーブルに近づくとき、お皿を下げる前後など
ごゆっくりどうぞ料理やドリンクをすべて提供し終えたあと
はい、お伺いいたしますお客様に呼ばれたときの返事

定着のコツ バックヤードやスタッフルームの目につきやすい場所に張り紙として掲示しておき、朝礼・シフトイン時に声出し練習を行うのが効果的です。


2. スタッフが間違えやすい接客用語あるある【NG vs OK】

いわゆる「バイト敬語」や「ファミレス敬語」は、丁寧に話そうとしているつもりが、かえって誤った日本語になっているケースが多く見られます。

ただ「その言い方はダメ」と叱るのではなく、「なぜ間違っているのか」の理由をセットで伝えることで、スタッフの理解と定着が早まります。

① ホットとアイス、どちらにいたしますか?

  • ❌ NG: ホットとアイス、どちらにいたしますか?
  • ⭕️ OK: ホットとアイス、どちらになさいますか?
  • 解説: 「いたす」は自分をへりくだる「謙譲語」です。主語はお客様なので、相手を高める「尊敬語」の「なさる」を使うのが正解です。

② こちらコーヒーになります

  • ❌ NG: こちらコーヒーになります。
  • ⭕️ OK: こちらコーヒーでございます。
  • 解説: 「〜になる」は状態が変化するときに使う言葉です。何かが変化してコーヒーになったわけではないため、「〜でございます」が適切です。

③ 280円とレシートのお返しでございます

  • ❌ NG: 280円とレシートのお返しでございます。
  • ⭕️ OK: 280円のお返しと、レシートでございます。
  • 解説: お釣りは預かったお金を「返す」ものですが、レシートはお店側が新しく発行して「渡す」ものです。レシートまで「お返し」とまとめるのは不自然です。

④ お名前を頂戴できますか?

  • ❌ NG: お名前を頂戴できますか?
  • ⭕️ OK: お名前を伺ってもよろしいでしょうか?(お名前をお聞かせいただけますか?)
  • 解説: 「頂戴する」は「もらう」の謙譲語です。「お名前をもらう」という表現は日本語として不自然なため、「伺う」を用います。電話予約の際にも頻出する間違いです。

⑤ 1万円からお預かりいたします

  • ❌ NG: 1万円からお預かりいたします。
  • ⭕️ OK: 1万円、お預かりいたします。
  • 解説: 「〜から」は「東京から大阪へ」のように起点を表す助詞で、金額に付けると「1万円の中から一部を預かる」ようにも聞こえてしまいます。誤りとまではいえないとする見方もありますが、違和感を持つお客様もいるため、「から」を付けずに言い切るのが無難です。

⑥ こちらにお座りになってお待ちください

  • △ 避けたい: こちらにお座りになってお待ちください。
  • ⭕️ OK: こちらにお掛けになってお待ちください。
  • 解説: 「お座りになる」は尊敬語の形としては誤りではありません。ただ、「お座り」は犬のしつけや子ども向けの言葉を連想させやすいため、椅子席のお客様には「お掛けになって」を使うのが無難です。なお、座敷(畳の席)へのご案内であれば「お座りください」で問題ありません。

⑦ 烏龍茶でよろしかったでしょうか?

  • ❌ NG: 烏龍茶でよろしかったでしょうか?
  • ⭕️ OK: 烏龍茶でよろしいでしょうか?
  • 解説: たった今受けた注文の確認に過去形(よろしかった)を使うと、違和感を持つお客様が少なくありません。地域によっては丁寧な言い方として使われることもありますが、接客では現在形(よろしいでしょうか)で確認するのが無難です。

⑧ グラスの方は、いくつお持ちしますか?

  • ❌ NG: グラスの方は、いくつお持ちしますか?
  • ⭕️ OK: グラスは、いくつお持ちしますか?
  • 解説: 「方(ほう)」は方角や選択肢を比べる際に使う言葉です。単体で物を指すときに「〜の方は」とつけるのは冗長な表現です。

⑨ 〇〇(料理名)のお客様

  • ❌ NG: お待たせいたしました、日替わりパスタのお客様。
  • ⭕️ OK: お待たせいたしました、日替わりパスタでございます。(日替わりパスタをご注文の方はいらっしゃいますか?)
  • 解説: 言葉通りに解釈すると「料理名=お客様の名前」のような不自然なニュアンスを与えてしまいます。料理名を提示した上で丁寧に配膳しましょう。

3. あわせて整えたい:電話対応のマニュアル化

対面での接客用語だけでなく、予約や問い合わせを受ける「電話対応」においても正しい言葉遣いとマニュアル化が欠かせません。

電話対応は相手の表情が見えない分、スタッフの言葉遣いや受け答えの丁寧さがそのままお店の印象に直結します。電話対応の基礎や手順をあらかじめマニュアル化して明記しておくことで、新しく雇ったスタッフであってもお客様に対して落ち着いてスムーズに対応できるようになります。(電話対応のマニュアル化についてはこちら:飲食店の電話対応・注文導線、何が正解?開業前後に一度整理しておきたい考え方)

対面の接客用語とあわせて電話対応の体制も整え、店舗全体のサービス品質向上を目指していきましょう。


4. まとめ:正しい接客用語の定着がお店のファンをつくる

オープン直後の忙しい時期こそ、接客の丁寧さが他店との差別化につながります。心地よい言葉遣いは、お客様に「居心地の良いお店」「接客がしっかりしている安心できる店」という好印象を与え、リピート率向上にも寄与します。

まずは今回紹介した「接客10大用語」と「NG例」を店舗マニュアルやチェックリストに取り入れ、スタッフ全員で正しい言葉遣いを共有していきましょう。


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